本日のSong/Fogh Depot feat. Anastasia Minster - We Are The Prison
例によって全然知らないヒトたちの作品だし、先日公開されたばかりなのだけれど*1、すでに、ちょいと中毒ヘビロテ再生中。
Fogh Depotはモスクワを拠点に活動するエレクトロニック・ミュージックのトリオで、ヘヴィー・ジャズ*2とかネオクラシカルの影響を受けているのだそうな。で、「We Are The Prison」は来る3枚目のアルバムからのものだとかなんとか。
Anastasia Minsterは、モスクワ生まれ、トロントで活動中のノワールチェンバーポップ*3のシンガーさん。ヴィデオに登場するのはEkaterina Shepotkoという、よくわかんないのだけれど、モスクワのフォルクスワーゲンでお仕事をしているヒト(?)らしい。要は別人。為念。
それぞれに魅力的な作品の作り手さんみたい。音源はYouTubeにも結構あって、たとえば、Fogh Depotのセルフタイトルアルバム「Fogh Depot - Fogh Depot (denovali records) [Full Album]」(YouTube)や、Anastasia Minsterなら「Hour of the Wolf」(Anastasia Minster - Topic、YouTube)*4みたいなのがある。どちらもいいけれど、本作はどちらの個性とも多少離れたところで独自の魅力を作り上げたというふうに見える。
ヴィデオの映像もチャーミング。歌詞を確認していないから、ひょっとするとただお話をなぞっただけの再現になっていたりするとアレだけれど、もしそうだとしても知らぬが仏でいるぶんには問題なし\(^o^)/。
Denovali Records (2015-03-10)
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本日の検索/「ペットボトルむしゃむしゃ 堺で発見の細菌、世界救う?」篇
「ペットボトルむしゃむしゃ 堺で発見の細菌、世界救う?」(朝日新聞デジタル)、G20大阪サミット2019のテーマの一つが海洋プラスチックであるせいもあってのことなのかどうか、はてブ数を見る限りはそんなことを考えての報道だとすれば読者の関心とは縁遠い報道しか出来ませんぜってな気配のある記事、 市民的には「堺で発見の細菌」との気になるフレーズ付だというのに、有料配信記事ということで半分以上が読めない。…(;´Д`)ウウッ…
有料配信部分のおかげで気になる部分が読めない場合、どうすれば少しは隠された部分に肉薄できるか、簡便な方法を先日は紹介した*1。今回もこの方法を使ってネタを拾おうと試みた*2のだけれど、さっと拾い上げられるところでは関連情報を案内して下さっているtweetがなかなか見つからない。だから、《neanderthal yabuki on Twitter: "今回は他の情報源、見当たらないわ\(^o^)// "https://t.co/0a6VFtaytN" - Twitter Search https://t.co/b9PZYU1wy5"》なんぞとtweetしてしまったらば、ついその直後に、あらまぁ、以下の
大元の論文:https://t.co/RwOox48YIV
— AKIRA HIRAISHI (@orientis312) June 20, 2019
ブログ紹介記事:https://t.co/1n0TGLMt3d
https://t.co/eLveqAWlOR
というわけで、多少手間取ることはあるとはいえ、なんとか今回も関連情報の収集はできたというところか。
ここから、辿れたもの、c_C(『魔導師の猫』の養父) (@complex_cat) | Twitterからご教示賜ったページなどまとめると以下の通り(公開日付順)。
- A bacterium that degrades and assimilates poly(ethylene terephthalate) | Science
元論文。2016年。全然読んでません\(^o^)/
- プラスチックを「食べる」酵素に賭ける リサイクルの未来 - BBCニュース
2018年4月17日付記事。読みやすいし、話題の広がりの押さえ方もよいのでは? 素人の感想ですけれど。
- プラスチックを食べる細菌 ( 生物学 ) - Dr. Taira's blog - Yahoo!ブログ
2018年4月19日。やさしい語り口。BBC報道を読んだ上で、さらに、という感じかな。
- 【国際】PET分解酵素の研究が英国で本格化。日本人研究らの研究成果が源流に | Sustainable Japan
2018年5月6日。ここからさらに複数の関連情報へのリンクがある。それらリンク先はいちいちここで紹介しないので、サスティナブルさんところからどうぞ。
というわけで、もちろん、朝日新聞の有料配信部分を確認したわけではないから、そのへんの中身が理解できたかどうかはわかんないのだけれど、どうも肝心要の部分の
しかしなぁ、もしその通りだとするとそういう情報を有料配信部分の主内容にしちゃうのはどんなもんかという話になる。だから、有料配信部分には今年ならではの話がちょびっとくらいは出て来ているんぢゃないかとも思うのだけれど、実際のところどうなんだろうか?
ペットボトルを分解する「ポリクイ菌」登場。常連諸賢ならすでにお読みかもしれないけれど。
*1:cf. 「本日の検索/「猫好きに衝撃!?『飼育女性の肺がん死亡率2.85倍』」(毎日)からネタ元(たぶん)へ」
*2:cf. "https://www.asahi.com/articles/ASM6F4PQ7M6FPLBJ006.html" - Twitter Search。時間が経つにつれ有益な情報を含んだtweetはさらに見つかりにくくなっているみたい\(^o^)/
本日のMusic/Neon Genesis Evangelion (Original Series Soundtrack)
Milan Records USAのYouTubeチャンネルで、『新世紀エヴァンゲリオン』のサウンド・トラック、Neon Genesis Evangelion (Original Series Soundtrack) - YouTubeが公開された。たぶん、
と昨年予告があったとおり、Netflixで『新世紀エヴァンゲリオン』が公開される*1のとタイミングを合わせてのことなのだろう。
エヴァンゲリオンについては、今さら僕が紹介しても常連諸賢に資するようなネタの持ち合わせがない。そもそもそれほど関心を持って見たことがない。ただ「残酷な天使のテーゼ」の及川眠子の歌詞はなんだかずっと気になっている。
ウィキpによれば、及川は《中山ラビや加川良の影響を受けており、はじめは彼女らのマネから詩作を始めた》*2という。影響といってもまっすぐ素直に線を引いたようなものではなさそうだけれど、どちらの名前もいっそう興味を唆るものだな。
本日の備忘録/超還俗主義
これ、一部の芸人さんが漫才やコントのネタをひねり出すときによく使われる手法で、無関係な言葉のギャップから醸し出される違和感や意外感で興味や注目を引き出すという。
— unsʇo ıɯnɟɐsɐɯ (@otsune) June 20, 2019
新書のタイトルも芸人ネタの手法を取り入れてインパクト勝負になっているな。 https://t.co/GqmUYrACHP
およそ工学という言葉と釣り合わない単語の後ろに工学と付けるのは鬼門ということか>教育工学
— 松浦晋也 (@ShinyaMatsuura) June 20, 2019
恋愛工学というひどいのもあったよなあ。https://t.co/2lrvztKykm
今朝(というか昼か\(^o^)/)、我がTLを流れて来たtweets。
《遠いものの連結》という西脇順三郎の詩の要諦を語る言葉、《手術台の上のミシンと蝙蝠傘の偶然の出会いのように私は美しい》という『マルドロールの歌』のチョ~付で有名な、シュルレアリスムのデペイズマン*1を先取りする直喩を思い起こした。
縁の遠そうな言葉を結びつけることが詩歌のコツの一つになるというようなことは、実はシュルレアリスムを俟つまでもなく、たとえば日本でだって武野紹鷗*2も同じようなことを語っていたらしい*3。縁遠い言葉の結合は、詩歌を離れても日常的な散文を外れた人目を惹く表現の技術として普遍だということか。使い方の善し悪しはさておき。
とかなんとか考えるともなく考えながらググっていたらば、へぇ~っという話に出喰わした。
書き手加藤弘一は石井洋一郎訳『マルドロールの歌』の註釈多いことに触れ、他の訳者による翻訳に比して《最新の研究を参照しているという点でも石井訳に長がある》とした上で、例の喩についていた註を紹介している。
注は細かい話がつづく中、「解剖台の上での、ミシンと雨傘との偶発的な出会い」というロートレアモンの代名詞となった比喩について「これら多様なオブジェの奇妙な結合は、何か雑誌の広告ページにそれらが一緒に載っていたことから出てきたもの」ではないかという説があり、近年それが実証されたという記述に出くわした。
その後四十年間にわたって、この推測は裏づけを得られぬまま単なる予感にとどまっていたが、ルフレールの熱心な調査によって、実際にモンテビデオで発行されていた企業・個人名鑑の広告篇に、ミシンと雨傘、それに解剖台そのものではないが、外科手術の道具の宣伝が(ページは異なるが)同時に掲載されていたことが発見された。この名鑑の刊行は一八六九年で、『マルドロールの歌』全編の刊行はこの年の八月であるから、第六歌の執筆中にデュカスがたまたまこれを見てヒントを得た可能性はじゅうぶんにある。
こんなことがわかったからといって、ロートレアモン評価が変わるわけではないが、トリビアではある。
『ロートレアモン全集』 イジドール・デュカス (ちくま文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
そもそも『マルドロールの歌』はいろいろな典拠、それも過去の詩歌・文学にかぎらず通俗的なあれやこれやに基づく表現がテンコ盛りになっているらしい。とはいえ、あの有名な一節がねぇ、というのは、大した意味がなくったって心に留まるに違いない話だわね。
で、トリビアにさえならないけれど、あぁ、遠いものの連結、現代においては広告から生まれて、詩で修業を積んで、また書名とかの宣伝効果狙いへとたっぷり悪趣味を身にまとって還っていったのですね。なんだか詩的表現の還俗ぢゃないですかね、とかいい加減なことを考えたり。
あ、それから、今年は『マルドロールの歌』発刊150周年になるのかというのも、ついでながら。
僕も最初に読んだのが栗田 勇訳だったのでそいつを薦めたいところだけれど、新本が流通していないんぢゃなぁ。というわけでこれか。その他「ロートレアモン」のAmazon.co.jp検索結果。それにしても、この手の*4作品としては異例の翻訳の多さなんですね。これまた、へぇ~。そんなにみんな読むものなのかぁ。あれ? しかし、田中淳一先生の訳がないぢゃないか。う~ん。
*1:cf. google:デペイズマン
*2:cf. google:武野紹鷗
*3: 何で読んだのかさっぱり覚えていないのだけれど、たぶん80年代の『現代詩手帖』中の、西脇順三郎をめぐる座談だか鼎談だか、那珂太郎か鍵谷幸信かの発言ぢゃなかったかな。
*4: どの手だ?