堺貼り紙・看板散歩/死語の文法

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所用の道すがら

 「ソーシャル・ディスタンス」ってすでに死語の類になったものだとばかり思い込んでいた。しかもあれ、英語としてどうなのかというような話もあったよね。どういうふうに話の決着がついたのかつかなかったのかは知らないけれど……。

 

 と書き始めて、ふと思い出したのが下の横断幕。

 「Social」はついていないけれど、「Distance」の品詞の扱いに問題があるというのが「ソーシャルディスタンス」批判のポイントだったとすれば*1、これも変だということになるのかしら? ドイツのメディアが制作したヴィデオだから、ネイティヴ的にどうなのかはわかんないけれど。けれど、文法問題はさておくとして、全然通じない英語ってわけでもないんぢゃないのかな、「Social Distance」って? 実際のところどうなんだろう?

 

 ってなことを書こうとしていたのではなかった\(^o^)/。冒頭の「Keep Your Social Distance」は大阪狭山市立野球場にあったものだったのだけれど*2、そういう施設であるならば、日本語で「密にならないように注意しましょう」でいいぢゃないかと思ったのだ。半ば以上、すでにカタカナ日本語としては死語化した英語なんかで書く意義はないんぢゃないか。少なくともまずは日本語で書いたほうがいいに決まっている。英語が本当に必要ならば、「はなれてあそぼう」だって、「Let´s Play Apart」とか何とかよくわかんなけれど、そちらのほうだって英語で書いておくのでなければ、何かしら筋が通らないぢゃないか。そうでもないんですかね。うーん。

 と大阪狭山市市民でもない人間が唸ったって意味ないか\(^o^)/

 

※ タイトルは毎度デタラメです。相済みませんm(_ _)m

 

 

*1:e.g. 「ソーシャルディスタンスをとる 英語でなんという?」(スクールブログ│名谷パティオ校(神戸市須磨区)│英会話教室 AEON)「ソーシャルディスタンスを英語で言うときは、social distancingとingをつけよう」(初心者専門マンツーマン英会話スクール)とか、ググって見ると同様の観点で批判が行われていることがわかる(google:ソーシャルディスタンス 英語)。

*2: ただしこの界隈に土地勘がないので、ひょっとすると勘違いしている可能性もないとは云い切れない。仮に別の施設だったとしても論旨に大きな違いは生じないと思うけれど。

本日の擬態/ボップコーンと擬態

 パッと見、何事かと思うよねぇ。

 種明かしはツイートのテキストを読めばわかるけれど、こうも見事な擬態もどき、偶然によるものにせよ滅多見かけない。もう参る以外に対処のしようもございませんわ\(^o^)/

 

 しかし、この程度の偶然で見事な擬態もどきが出来上がることを思えば、生物進化の過程で生まれ出る一層見事な擬態などは至って自然なものなのであって、むしろ生じないことのほうが不自然であるように感じられてくる。たかがポップコーンの袋の如きで、これほどヒトの視覚の惑乱を招くんだから、さらに素材に事欠かない生物のことだもの、何にだって化けてしまえまさぁねぇ。

 

 というわけで、ひさしぶりの他人様の褌エントリ、おまけに一昨年のものにて失礼しましたm(_ _)m。ま、ホントにびっくりしちゃったんだから仕方ありませんね\(^o^)/

 

 翻訳があっと驚く瀬田貞二*1。手許にある初版の帯には400円の価格表示。「税込み」だとかの鬱陶しいものがなかった時代の絵本なのだな。小学生時代、これとバージニア・バートン『せいめいのれきし』とあたりで進化論を知った。『れきし』と違って、こちらはダーウィンの観察と考察を扱っているので、たぶん改訂の要はほとんどないかもしれない。と思ったのだけれど、マーケットプレイスものしかアマゾンにはない。版は改められることもなく絶えてしまったのか。

 いずれにしても、この二冊以降、自分の場合、地球上の生命の進化に関しては大した知識の更新が出来ていないのではないかという心配がある\(^o^)/。いやはや。

 

堺貼り紙・看板散歩/Is Big Brother Watching You?

所用の道すがら

2021/11/20 所用の道すがら

 道端に打捨てられた防犯カメラのカヴァー(?)。何となくおかしくてわびしい。場所は国道310号線沿い、狭山に足を踏み入れてしばらく南に下ったあたり。

 防犯カメラ本体は周囲に見当たらなかった。仮に、本体に装着されていたとしても、「防犯カメラ作動中」の文字のサイズはいささか小さすぎやしないだろうか。もっと盛大に書かなければ、侵入者に気づかれず仕舞いになってしまうんぢゃないか、とは余計なお世話か。

 少しばかりのビニルハウスと畑が視野に入るあたり、全然知らなかったのだが、ひょっとして、昨今流行りの作物荒らし被害はこんな身近にまで及んでいたのか、と驚きもし憤然ともしたのだが……。

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2021/11/26 所用の道すがら

 後日、すぐ近くで見つけた掲示。たぶんこの看板近くの防犯カメラから上の写真のカヴァーは外れたのだろう。

 防犯カメラの目的は勝手なバイクだか自転車だかの駐輪を防ぐためだったのか。いやしかしそれにしたところで、こんなに低い位置の警告では駐輪しようとする者の目にはとまりにくいのではないか。カメラを設置しなければならないとなると、たぶん土地の所有者がいない夜間のことであろうかと想像されるが、そういう場合はなおのこと。ヘッドライトが当たり視野に入ったとしても、「気づきませんでした」とか何とかの言抜けは可能なのではないか。なぁんてなのも余計なお世話かしらね\(^o^)/

 しかし、このときもカメラ本体は周囲に見当たらなかったのだ。

 あるんだろうか、本当に。

 

立ち読み課題図書、その他

 歳のせいなのかどうか、今年は右手指の爪がバリバリ割れてギターが弾けない折がしばしば。いっそ指にもピックをつけますかね。10代の時分はナショナル社ステンレス製のフィンガーピックを使っていた*1。一旦慣れるとさほどの違和感はない。弦に当たって多少耳に障る音がするのが難点か。そのへんもさほど気にならないとかで、最近ではアラスカピックの評判がいいようだ。けれど、少々値が張るのがボンビーなアテクシには気になる*2。こういうところでケチってはいかんなぁと思いもするのだけれど……。

 

 φ(..)メモメモ。1月27日刊行予定。

 

 今どき、こういう幻想短篇の類を読んで心打たれてため息をついているようでは、アテクシも焼きが回ったっちゅうことですかね\(^o^)/

 小角おづぬは十七歳のとき、つくづく人間稼業かぎょうがばかくさくなった。

(これ以上、人間を続けるのは、ムダというものだろう)

 思案のすえである。これ以上人間をしていても、やがて大人になり、老人になるよりほかは、手のないことだ。とんびにも、いのししにもなれやしない。せめてとんびにでもなれればどんなに素晴らしいことであろうか。幼いころ、埴安はにやすノ池の岸辺で、秋の空に舞うとんびをみながら、ああ、あれがいい、とんびになってやろうと決意した。松のこずえにのぼり、あおい空をみつめながら、とんび、とんび、おれはとんびだ、心気をしずめ、一途いちずにそう祈念していると、当然のことだが、かれの両の腕がつやつやとした翼に変じはじめ、胸に焦茶の羽毛がそよぎはじめた。もうよかろう、折から来た一陣の風に、かれはすばやく乗った。しかし、どこに誤算があったのか、かれはうなりを生じて松の木の下へ落ちた。落ちた拍子に根株で脾腹ひばらをいやというほど打ち、たちまち気をうしなったが、ほどなく夜露でさめた。あわてて手足を探ると、やはりただの人間であったのには、おどろいた。しかし、これしきで絶望するほどなら、かれもただの俗物であろう。そのころかれは、大人になるということに、もっと素晴らしい希望をつないでいたのだ。大人になれば、とんびにも魚にも、なろうと思えば、思うざまになれるのではあるまいか――。それが、大変な買いかぶりであったとは、十七になってやっとわかった。人間なんて、どこまで行っても芸のないばかげた存在だ。おれはこんなばかげた存在から、どうあっても脱出せねばならぬ。死ぬんじゃない。生きて、脱出する。……小角は決意した。

「睡蓮」冒頭

 主人公小角aka.役行者えんのぎょうじゃ*3の生涯を語る短篇冒頭。なかなか生意気な十七歳。けれど、いいぢゃないですか、こういう生意気。こんなふうに書き出されたら、もう読まずにはいられませんがな。

 集のタイトルと一篇のタイトルとで見当がついちゃうかもしれないけれど、何らかの意味で花をモチーフにした作品を集めた幻想短篇集。解説の菅野昭正が書くように《妖異、怪奇を語りながら不気味なおどろおどろしさどころか、それよりむしろどこか瑞々みずみずしい明るさが張りつめているように感じられる》というあたり、上に引いた通りぢゃないかしら。

 

 

*1: さるサイモンとガーファンクルのギターコピー譜集末尾に「ポール・サイモンになりたい人へ」という頁があって、ポール・サイモンの使用フィンガーピックとして紹介されていたもんだから、ミーハーなアテクシとしては使わないわけには参らなかったのだ。ただし、同じく紹介されていた鼈甲のサムピックは哀れな小遣い銭では手が出なかった\(^o^)/

*2: 少々高いというだけならどうってことないと気張ることもできるけれど、フィンガーピックはしょっちゅう紛失しちゃうものなのだ。うー。

*3: google:役行者