"How To Give A Good Compliment"(Life Coaches)*1で、どういうお世辞が効果的かを扱っている。ここで語られていることは、独りお世辞のHow toというばかりでなく、人と人との日常的なコミュニケーションのあり方を考えさせるものになっているといっていいんじゃないだろうか。「お世辞」といってしまうと、何やら相手に取り入る姑息な工夫と考えてしまいがちだけれど、日常的なコミュニケーションを円滑にするための、ちょっと楽しい工夫だと考えることだってできるはずだ。
以下、簡単にポイントのみ超抄訳にて内容を紹介してみよう。
- Make your compliment specific./お世辞は具体的に
「今日のあなた、イカすわよ」よりも「そのネックレス、今日のあなたにばっちり似合ってるわね」のほうが効果的。
- Back up your compliment./お世辞にも根拠を
「今日のあなたにとてもよく似合うわ」より「そのネックレス、今日のあなたにとてもよく似合うわ。だってほら、あなたの目の色にぴったりじゃない」のほうがただのお世辞より強く訴えかける。
- Ask a question with your compliment./質問も加えてみる
「そのネックレス、今日のあなたにとてもよく似合ってるわよ。だってほら、あなたの目の色にぴったりじゃない。いったいどこで手に入れたの?」。質問を加えることで、お世辞の最大の目的である(かもしれない)より親密な関係構築も進むわけだ。
考えてみれば、日常的な言葉の遣取りだって、具体的で根拠があってお互いのいっそうの言葉の遣取りにつながるにこしたことはないはずだ。
そういうことを考えた言葉の遣取りの工夫は、もうおベンチャラの類というよりも、お互いに過ごすひと時をより快適にするための心遣いと考えるべきなんだろう。気軽な頭の体操としてだって、そう悪いものではないはずだ。
たとえば3番めの質問も加えてみるというとき、より充実した言葉の遣取りを考えるなら、yes/noクエスチョンにならない質問になるようにするといったこともつけ加えられるだろう。yes/no、はい/いいえで答えられる質問では、話が先に続かなくなってしまうものだ。
そんな日常の言葉の遣取りの工夫の叩き台として、この3つのコツは頭にとどめておいてバチは当たらないだろう。

お世辞を言う機械はお好き? コンピューターから学ぶ対人関係の心理学
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*1:【復旧時註】すでにリンク切れ。