直前期小論文講座その1/まず過去問を確認しよう

 直前期でもあるし、ということで、大学入試小論文関連の記事をしばらく掲載してみるべし。まずは最初にやっておくべきこと。直前期駆け込み組ならチョー大急ぎで、4月から取り組み始める人でも、もし志望校が決まっているのなら、ゴールデンウィークが終わるまでには一通り済ませておけるといいなぁ。決まっていない人でも文系なら社会科学系一般とか人文系一般とか、少し範囲を広げた形で取り組んでおきたいところ。

 

まず過去問を確認しよう

 大学入試小論文の直前対策にあたって何が重要って、これほど重要なことはない。

 だって、小論文の場合、英単語・文法や古文のそれみたいな頻度順対策なんかあてにできないんだもん。とくに志望校がはっきり決まっている人の場合は間違いなしにそう。小論文の参考書や予備校、塾の授業なんかだと、ごく「標準的な」問題への対策がほとんどの場合中心になる。でも現在の大学入試小論文の問題は受験生が思い込んでいる以上に多様なのだ。だからして、標準的な対策がただの時間の無駄ってことになるケースだってある。だから、これまで何も対策を立ててこなかったという人にも挽回のチャンスはあるし、今まで小論文全般については対策を立ててきたって人だって安心はできない。いずれにしても短期間で効率的に対策を進めるためには、他教科以上に志望大学学部学科の問題に合った学習が必要になる。小論文はそういうものなのだ。

 

 今の時期、センター試験対策で手一杯だという人も多いだろう。でも過去問に目を通すくらいのことはできるもんだ。外出した折に赤本の類を立ち読みしてみるだけでもいい。有名大学の問題なら、大手予備校のウェブサイトでだって読めてしまう。解答例や解説の類はいっさい気にしないでいいから、どんな主題をめぐってどんな形式の出題がなされているのかちゃんと読んでおこう。読んでおくだけでも、頭のどこかがそいつについて考えておいてくれるもんだ。そうでなくたって、君のものを見るアンテナの感度が違ってくる。

 過去問を眺めてみると、今まで小論文対策を立てて来なかった人にはべらぼうな難問が並んでいるように感じられるかもしれない。でも問題のむずかしさと合格水準の高さはしばしば無関係だ。小論文の占める配点比重が軽い大学も少なくないし、答案の平均水準のおそろしく低い大学も多い。市販の参考書・赤本類の解説は高い水準を要求して書かれてることが多い*1から、そういうのを読んじゃうと意気阻喪するかもしれないけれど、そういうのはとりあえず無視してよい。さっさと立ち読みのレパートリーに過去問集を入れておくべし。

 

 これは小論文の学習を始める初期においても重要なこと。まして直前期駆け込み組となれば大急ぎでやっつけてしまわなければならない大切なポイントになる。

 

 過去問確認には、赤本以外だと以下の書籍がお薦め*2

 小論文問題の収録数ではこれが一番。問題の選り好みもない*3ので、値段が気にならないならお薦め。たぶん、高校なんかには常備されているんじゃないかしら。先生に尋ねてみるべし。解答例・解説はとりあえず気にしないで、自分の志望系統学部学科の問題に目を通す。

 

 上記が高いぜ、という人には、次善の一冊。こちらは解説・解答も参考になる。

 

*1: その割に設問にちゃんと答えていない解答例なんかもあったりするんだよなぁ。ったく。

*2:【復旧時註】オリジナル公開当時のママになっている。もしシリーズが続いているようなら、自身に必要な年度のものを見るべきだろう。とはいえ、シリーズの未来の質とか存続しているかとかなど保証できない。

*3: 一般的参考書の場合、目立つ形ではないけれど、執筆者の考え方、解法に都合のいい問題が選ばれている傾向がある。これはちょっと困ったモンだ。