ひさしぶりに半魚人たちの夢をみた。
ひた、ひた、ひた……と、あれは半魚人たちの行列だな、と打ち寄せる気配から何となく想像するのだけれど、半魚人が実際に夢に登場するわけではない。気配を感じながら、「ウルトラQ」に出ていた半魚人*2のことを思い浮かべている。あれはたぶん実家の自室、机に向かいながら、何をしていたのだろう。よくはわからないのだけれど、背中側の、遠くもなく近くもないどこかを、色とりどり極彩色の半魚人たち*3が長い行列をなし、覚束ない足取りで通り過ぎてゆくのがわかる。振り向いて邪魔をしてはいけないのだ、ということだけはわかっていて、振り返りたい気持ちを押さえながら、グッと堪えているのだった。なぜ振り返るのが邪魔になるのかは例によってわからない。でもそれが切実にそうなのだとは感じられて、半魚人たちが無事にどこへだか知らないところへたどり着けるように、一心に願っている。その気持ちが半魚人たちに通じればいいのだ、と思っているのだ。
前後のことはまったく覚えていないのだけれど、この断片、10代から20代前半にかけて、よく見たんだよなぁ。なんか切ない夢だったなぁ。
- 作者: H・P・ラヴクラフト,大西尹明
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1974/12/13
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