Gapminder Tools がおもしろい、というか、ほとんど感動的。
画面下の「Play」ボタンをクリックすると、1800年から2009年に至る、世界各国の人口、健康、収入のグラフが動き出す*1。縦軸が平均寿命、横軸がGDP、円の大きさが人口にあたる。画面右にある国のセレクトボタンを選ぶと、たとえば日本の場合、
みたいなグラフがグリグリとできあがる。途中でグルリと華麗なインメルマンターンしているのは、たぶん、閲覧諸賢ならご明察の通り戦争の影響。
とにかく第二次世界大戦後の伸びの大きいことには改めて驚かされる。世界はいろいろ挙げだせばキリのないトラブルを抱えつつも、とりあえず豊かさを増しているように見える。その他あれこれについては、教師用アンチョコ(PDF) を参照されたし。ぜ~んぶ英文だけれど\(^o^)/
以下は解説付きヴィデオ。
英語だから何云ってんだかよかぁわかんないけれど、ハンス・ロスリングせんせ*2、エラい張り切ってはりますなぁ。それにつけても中国すごいなぁ。アフリカキツイなぁ。
上で紹介したのは、チャートタブでの表示。他にもマップタブがあって、こちらは1555年から2030年までの人口変化がわかる*3。
これ(1555年)が、
こう(1850年)なって、やがて
こう(2030年)なるんだもんなぁ。先のヴィデオを見るだけでも、中国disってりゃ何かイイことがあるみたふうに思い込んでいるらしい排外国士様のおつむのお花畑具合が改めてリアルに見えてくる*4。このマップからもうほんの少し時代を先に進めれば、世界人口の過半をインドと中国で占める時代もすぐそこ。民主だぁ自民だぁといった目先の議論を超えて、先を見通すにはどうしたらいいんだろうか? まぁそういう時代に、僕は生きていやしないだろうから、どうでもいいっちゃぁどうでもいいんだがぁ\(^O^)/。お若いヒトは、そう呑気なことも云ってられないかもなぁ。
と、それはさておき何にしても、Gapminder: Gapminder Foundation is fighting devastating ignorance with a fact-based worldview that everyone can understand. には、他にもいろいろ興味深いデータ、ヴィデオ、プログラムが無料で提供されていて、訪わざるべからずモノのサイトになっている。
アンナ・ロスリング・ロンランドはハンスの奥さん、オーラ・ロスリングはハンスの息子さん。いずれも、Gapminder Foundationの共同設立者。
元エントリでは別の書籍を上げていたのだけれど、本エントリ復旧時にたしかめてみたら、今年(2019年)になってからの邦訳出版があったことに気づいた。というわけでまぁ。
しかし、いくら自分の信じていたことを裏切るようなファクトを知ったとして、それが必ずしもヒトの判断を動かさないことも何と多いことか。
*1:【復旧時註】念のために申し添えておくと、明治維新が1868年、太平洋戦争での日本の敗戦が1945年。仕事先でGapminder Tools を使った説明をしていると、思いの外、このへんが頭に入っていない子どもたちがいることに気づかされる。なんでも細かい年代を暗記しなきゃいけないってもんぢゃないとは思うけれど、自国の歴史や未来を考えるに際して最低限知っておくべきあたりらへんってのはやっぱりあるんぢゃないですかね。う~ん。
*2:【復旧時註】2017年2月7日、すい臓がんのためすでに死去なさっている。享年68歳とのこと。cf. ハンス・ロスリング - Wikipedia 。なお、このウィキpの「外部リンク」からは、ロスリングのTEDの講演動画へのリンクが複数上がっている。僕はまだ全部は見ていないのだけれど、見たものに関して云えば、愉しくてわかりやすい。
*3:【復旧時註】このあたり、細かなインタフェイスの変更があったみたい。ここに示した図版も現在とは少々違っているし、上で用いた用語は当てにならない。でも、Gapminder Tools のページを見れば、問題なく使い方がわかるんぢゃないかと思う。
*4: もちろん、ここでの予測が正確であるという保証はないけれど。でも人口予測だけならそうそう大きくハズレるものではないと云われている。