『禁断の惑星』のサウンドトラック、いいぢゃないか。びっくり。
以前ちょろっと取り上げた『禁断の惑星』のサウンドトラック。深夜、twitter上で 濱田棟人さん と遣り取りするともなく遣り取りするうちに、ロビーに連想が飛んで改めて耳を傾ける。
実は、『禁断の惑星』の音楽、全然真面目に聴いたことがなくて、どうも鼻っから馬鹿にしていたフシが僕にはあったのだけれど、サントラに耳を通してみてそれがトンデモない怠惰による謬見というのか謬聞というのかだったことに気づかされた。
冒頭のオーヴァチュアではとくに目立つ、いかにも50年代の宇宙でございます的なあれはちょっと留保するとしても*1、全体の音のバランス、音色の取り合わせのよく考えられた、思いの外繊細な組み立てがあるもののように感じられたのだ。一般的な意味での楽音に頼らない音作り、当時のどこまで当てに出来るんだかよくわからない電子楽器と格闘しつつ、音色を作り、その組み合わせとバランスを考え、曲としての抑揚を構成し……っていうのは、経験と根気の要る作業になる。作り手はそれなり以上に名のあるヒトかも……。
で、改めて調べてみると、作曲家さんである「Louis and Bebe Barron」(Wikipedia) *2、この夫婦作曲家、実はメリケンの電子音楽の歴史を支えていたようなヒトたちだった。びっくり。
というわけで、これはメっけもんでございました。
ロバート・キノシタのロビーその他のデザインと並んで『禁断の惑星』、なんとなく感じていた以上に、その時代の思いというか情熱というかみたいなものが籠められた作品だったのかもなぁ。
予告編中のオーケストラ曲、映画に登場していなかったような気がする。もう何億年も見直す折を持たないままなので、ちょいと自信はないけれど。サントラには入っていないしウィキp前掲記事にも《The soundtrack for Forbidden Planet (1956) is today recognized as the first entirely electronic score for a film》とあるしぃ。
Forbidden Planet: Original MGM Soundtrack by Louis Barron
- アーティスト: Louis Barron
- 出版社/メーカー: GNP Crescendo Records
- 発売日: 1956/09/01
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全曲の試聴はご本家アマゾンのページで出来る。ほんの片鱗しか耳にできないけれど、それでも時代を考えれば相当なかなかのもんだってことくらいの見当はつくんぢゃないかしら。
【復旧時付記】今(2019年2月26日)なら、「Forbidden Planet」(Louis & Bebe Barron - Topic、YouTube)にplaylistが上がっている。
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もう何億年も見直す機会が持てないまんまだな。うー。