Paul Simonが Carole Kingのバックでギターを弾いてる1950年代末の音源が残ってたなんて知らんかった

 主題はキャロル・キングなんだけれど、ここで注目したいのは、

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これですな。キャロル・キングポール・サイモンはクィーンズカレッヂのご同窓、知人だったみたような話は何かで読んだ覚えがあった。けれど、キャロル・キングの録音に、ジェリー・ランディス(Jerry Landis)名義でポールがギター参加していたというのは知らなんだ。

 1958、9年となるとキャロル・キングにとっては初レコーディングくらいの時期であるはず……とウィキpに当たってみると、

大学在学中に、ポール・サイモンからデモ・テープの作り方を教わった彼女は、自分で作ったデモ・テープを売り込んで1958年、ABCパラマウント・レコードからシングル・デビュー。しかしながら、その後ABCやRCAなどに残した4枚のシングルは何れも失敗に終わり、一旦歌手としてのキャリアは頓挫することとなる。

キャロル・キング - Wikipedia hatena bookmark

とある。何となくアレな気配なので英語版御本家にも当たってみると、

While at James Madison High School in the 1950s, Carol Klein changed her name to Carole King, formed a band called the Co-Sines, and made demo records with her friend Paul Simon for a session. Her first official recording was the promotional single "The Right Girl" released by ABC-Paramount in 1958, which she wrote and sang to an arrangement by Don Costa.

Carole King - Wikipedia hatena bookmark

とのこと。「頓挫」に相当する記述はなくて、割とスラスラ、結婚出産の話からポール・アンカの「オー! キャロル」ネタへと話は続いていってる。もちろん、この時代にはポールは、ガーファンクルと組んだトムとジェリーその他でプチヒットを2、3曲くらい持っていたから、多少の先輩風は吹かしたかもしれないが「作り方を教える」というのと「a session」というのとでは記述の雰囲気、ずいぶん隔たりが遠いなぁ。先輩風の吹かし方如何によっては、少なくともその後しばらくでキングはヒット曲量産体制に入っちゃうわけで、「The Sound of Silence」の大ヒットまでまだちょっと時間がかかるポールくん、ずいぶん罰の悪い屈折した思いを味わうことになったんぢゃないだろうか、なんぞという想像はまったくもって余計なお世話でございますね*1

 いずれにしてもウィキpの記述は、上のヴィデオが上げているRCAでのレコーディングとは直接関係ないけれど、デビュー前後のキャロル・キングの周辺に、若いポール・サイモンが単なる知人よりは大きめのそれなりの位置を占めていたという話のコンテキストの一画をなしてはいるか。

 と、詳細不明な話はともかく、写真の二人はともに鼻っ柱の強そうな面魂ぃ、どんな具合にレコーディングが捗ったんだか滞ったんだか、わかったもんぢゃなさそうなところが、若さっていいなぁって感じですね。


というわけで

と、冒頭のヴィデオで触れられているヤツをヴィデオの仰せの通りYouTubeから*2キャロル・キングの声は、まだまだハイスクール出たばっかりのオネーちゃんって感じだし、バックのエレキなギターのうちの1本がポールのギターなんですなぁ、と思って耳を傾けてはみるものの、うーん、だからどうしたという気分にしかなれないのがアレですけれど\(^o^)/。やっぱキャロル・キングが本当にカッコよくなるのは『Writer』以降だし、ポール・サイモンだって以下云々だもんなぁ。

 と、そんなところに話を持って行ってしまったのでは、このエントリの意味がなくなってしまうではないか\(^o^)/。

 

 にしても、と改めて感じるのは、こういう、なんだろなぁ、粗野なロカビリーとかロケンローとかがメリケンのヒトに及ぼし続けているエーキョーの強さっていうのかなぁ、こういうのって何なんだろう。世間様ではビートルズが今日の音楽に与えた影響云々カンヌンって話になることは多いけれど、レコードの売り上げは今だってプレスリーのほうが圧倒的だなんて話もある。ポール・サイモンだってトムとジェリー来の影響ばかりぢゃなくて『Graceland』のことだってある。そういえば、先日弟のほうが亡くなっちゃったエヴァリー・ブラザーズ、Simon & Garfunkel『Bridge over Troubled Water』の「Bye, Bye Love」やら再結成ライブでの「Wake Up Little Suzie」やらを思い起こさないわけにはいかないし。

 エヴァリー・ブラザーズの名前が挙がった途端の会場の盛り上がりあたり、サイモンとガーファンクルの盛り上がりと異質な何かってあるでしょ? こういうのって、自分にはさっぱり理解できる気がしないのだ。うーん。こういう音楽の根っこの一つであるカントリーとかブルーグラスとかあたりからして、どうもピンと来ないというのがあって、うーん、メリケン音楽にはいろいろいい思いをさせてもらって来たというのに、このへんのことを考えると申し訳なくて申し訳なくて、どうも相済みませんm(_ _)m。

 

The Songs of Carole King

The Songs of Carole King

  • アーティスト:Carole King
  • 出版社/メーカー: Not Now
  • 発売日: 2013/04/02
  • メディア: CD
 

62年までのキャロル・キング作品集。キング自身の歌唱は少ないが、そのぶんソングライターとしての実力を感じることになる。CD3枚組全74曲。 MP3版 もある。これ以前にも同趣旨の初期作品2枚組アルバムが出てたことがあるけれど、そちらは曲数も少ないし値段も中古価格で桁が2つ違っちゃってるのが現状。特別の骨董趣味があるというのでなければ、こちらをお薦め。

 

*1: だって、ストレートなロケンローからポールが離れていった理由だって、実はこのへんにあったのかもしれないというような勘繰りって猛烈にしたくなってくるぢゃないか。そうでもないかなぁ。うーん。あるいは、所謂「不遇時代」のポールの心境がどんなもんだったか、なんてなことは考えたって仕方がないんだけど\(^o^)/、まぁそのへんをうっかり考えてしまうときのフレームが全然違って来るくらいのことはあるかもしれないぢゃないか。うーん、そうでもないかなぁ。

*2:【復旧時註】ただし、元エントリとは異なって、オフィシャル・チャンネルからのものに差し替えた。元エントリを書いた頃には野良モノしかなかった。