堺貼り紙・看板散歩/「あんしん」とは何か

 「あんしん歩行エリア」の標識のひん曲がり具合、何となく安心して歩ける気がしない。

 本当は庵心和尚とかおっしゃるような方がいらしてその和尚の散歩コースであることを示す標識だったりするのかもしれない。「歩行」が漢字表記になっているのに、それよりさほど難しいとは思えない「安心」がかなに開かれていると見るのも変な話だ。「歩行」より難しい漢字の「あんしん」を案出しなければ、この標識の正しい解釈はあり得ないのではないか、というようなこともあながちあり得ない話でもないような気がして来ないでもない(ヾノ・∀・`)ナイナイ。

 「あんしん」が字義通りの「安心」を指すものだとしても、この標識のある道が歩行者の安全が完全に保障されたものであることを意味するとはかぎらない。なにぶん「歩行者に注意!」とびっくりマーク付きで書かれているくらいなのだから、ここでいう「あんしん」は「そうであるといいのだが」というような含みのある表現なのかもしれない。憲法論で謂うところのプログラム規定説みたいなものにのっとって解釈すべきだということかも。まぁ、そんなモッて回った云い方をするまでもなく、現実はそんなところであるに違いない。

 いずれにしても、悩ましい標識である、というほどのこともなくて、というか、ひん曲がり具合くらい直しておきなさいよ、と思うなぁ。

安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)