本日の疑問/そういえば、むかしむかし、『花のあすか組!』なんてマンガがあったよなぁ。

 現在話題のヒトについては、率直に申し上げるならあんまり関心を持って耳を傾けたことはなくて、環境として流れてくる歌を何となく聞き流す程度だから、アレなんだけれど。

 別のことで話題になってるポール・マッカートニーもずいぶん昔ドラッグ使用歴が問題になって来日公演ができなくなったことがあった。でも、だからといって彼のソロやビートルズ時代のCDが回収されるなんてことはなかったんぢゃないか。

 あるいはジェームズ・ブラウンなんかだと、本件より遥かに派手なやらかしがあるけれど。

……1988年には、薬物吸引中に妻とケンカし、マシンガンを持って家を飛び出し公園のトイレの便器に向かって乱射し、駆けつけた警察とオーガスタの州間高速道路20号(Interstate-20)でカーチェイスを行った末、ジョージアサウスカロライナの州境付近でガス欠となって逮捕され、6年の実刑判決を受けた*1

ジェームス・ブラウン - Wikipediahatebu*2

なんてわけのわからんことをやらかしてるけれど、だからといって録音物の販売停止とか回収とか、日本国内はおろか本国メリケンでもなされたような話は記憶にない。

 というような話は、とくにメリケン、エゲレスの音楽界隈には珍しいものではなくて、いちいちドラッグその他犯罪との関わりを理由として音源販売中止・回収なんぞしていたら、売り場の並びがめっきり寂しくなっちゃうくらいなもんでしょ?

 というわけでぇ、国内のタレントさんの場合にかぎって音源が販売中止・回収されるというのってずいぶん変な話ぢゃないのかな。メリケン、エゲレスは許すが日本人は許さんというのであれば、日本人による日本人差別ぢゃないのか。非在日外国人特権を許さないぞ、みたいな声は挙がらんもんか。

 別に音を介してドラッグやら犯罪やらへの嗜好が伝染するわけでもないんだし、音楽は作者なり奏者なりの全人格と分かち難いものでもないんだし、というような話が通用しないという薄気味悪さもある。このへんはカワチノカミ問題と似ているのかもしれない。だれが作ったものであれ、音楽に心惹かれていたはずヒトたちが、作り手の事情で音楽にそっぽを向く。その作り手の事情が音楽よりも問題だという点では、今回みたいな話と変わりはない。

 僕はカワチノカミであれ今回の件であれ、彼らのCDが永遠に日の目を見なくなったとしても痛くも痒くもない。というかその分CD売り場のスペースが空いて自分の好きなアーチスト様の作品が代わりに置かれるようになれば願ったり叶ったりくらいのもんだ。けれど、彼らの音楽のファンだったはずのヒトは、ドラッグ云々に件のヒトの裏切りを喋々するよりも、販売停止したメーカーに対して激越なる抗議運動でもしないとおかしいんぢゃないか。

 それがないとするなら、カワチノカミのであれ今回のヒトのであれ、彼らの作品はそんなに熱の入ったファンを集めていたわけではないということなのかな。君ら、それでいいの? なんて云うことすら余計なお世話ってなところなのかな? どうせ日本のメーカーのこと、ほとぼりがさめた頃を見計らって、こっそり再発売するんだろうから、ちょいと気長に待てばいい、余計なことにこだわるのは野暮、ナンセンスってなもんなのかな?

 これがもし「文学」か何かだったらどうなんだろう? 問題になった作者の作品が販売停止とか発禁処分とか焚書坑儒とかになったら、抗議運動みたいなのくらい起こらないかしら? ジュネの場合みたいな本人にまで及ぶような本格派なのは今の日本ぢゃ望み薄なんだろうけれど、それでも抗議集会の一つや二つくらいはあるんぢゃないかな。いやぁ、「出版不況」の今日この頃のこと、わざわざ処分されるまでもなく本は出なくなっちゃうかぁ。むしろ発禁にでもなったほうが市場からブツが払底しちゃう前の駆け込み需要が有難いなんて出版社も出てきちゃいそうな。そうかもなぁ。そうだなぁ\(^o^)/、うーん。

 

追記補遺ホイ

 なんだか、もうアホかと思いますね。

 

Singles 7: 1970-1972
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James Brown
Hip-O Select (2009-05-26)
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 なんかしら、ここんとこヤンキー・ブームなわけだし、再刊すれば売れたりしないかしら?

 

*1:引用者註:結局3年の服役で釈放されてるけど。

*2: 2014年05月20日閲覧。