100円

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 「ラッキー❤」(矢吹春奈オフィシャルブログ「ほっと一息」) はてなブックマーク - ラッキー❤️|矢吹春奈オフィシャルブログ「ほっと一息」Powered by Ameba「また拾った❤」(矢吹春奈オフィシャルブログ「ほっと一息」) はてなブックマーク - また拾った❤️|矢吹春奈オフィシャルブログ「ほっと一息」Powered by Amebaと、都内ではまた小銭が路上、目につくようになったのか、と思えるエントリあり。

 路上の百円硬貨を拾い上げて「ラッキー」と表現しちゃうと、ほのかに遺失物横領の気配なきにしもあらずだけれど、そこを咎めて炎上させてしまおうなんぞとは思ってもみない。小学生時代、白い紙に包まれた300円を拾って交番に届けたときのおまわりさんの、ニコニコしながらも迷惑そうな気分を隠さなかった表情、少なくともその独特の雰囲気は今でもときどき思い出す程度には記憶にあって*1、当時の300円でそれならば、今の100円、まず落とし主など現れようもなくて、理念的にはさておき、現実に届け出るのはかえってあちらこちらに迷惑なくらいのものだろう。

 それよりも、懐かしの80年代みたいに路上で小銭が簡単に拾い上げられるということは*2、いくらか世の中の景気がよくなった証拠かもしれないと受け止めておくくらいが年末年始に相応しい態度というものだ。

 しかしなぁ、一方で「100円強盗の疑い 男を逮捕」(NHK沖縄県のニュース) はてなブックマーク - 100円強盗の疑い 男を逮捕 - NHK沖縄県のニュースというような報道を目にすると、どうにも切なくなってくる。

 警察によりますと、この男は、29日午後2時すぎ、うるま市勝連のスーパーで、レジにいた店員らに、持っていた包丁を突きつけて脅し駆けつけた店長が差し出した100円を奪って逃げたとして強盗などの疑いが持たれています。

 男は包丁を突きつけながら「100円でもいいから出せ」と脅したということです。

(中略)

 警察の調べに対し、男は「金がなくてやった」と容疑を認めているということで、警察は、身元の確認や、なぜ犯行に至ったのか詳しく調べています。

 なぜ金のない男の前には100円は落ちておらず、お金がそれなりにありそうなタレントさんの目の前には落ちているのか。運不運の格差は、金銭に換算できないほど大きなものになっているような気もしてくる。

 いやいや、そういうふうに受け止めるべきではないかもしれない。

 男は無職の77歳。「金がなくてやった」と認めているところへ「なぜ犯行に至ったのか詳しく調べ」るとはどういうことか。要は捕まりさえすれば、飯にありつける年末年始が……という動機を今さらながら確かめるということなのか。店長もそれがわかっていたからこそ、すんなり100円を差し出した上で通報、男も本気では逃げなかったということなんだろう、と当たっているのか大外れなのかは知らないが、勝手に妄想したりする。せめてそうであれば、男も男なりにささやかな願いを叶えたということになる。ボランティアによる路上生活者への炊き出しを邪魔立てさえする自治体があるようなさもしい今の日本でなら、これもある種の「ラッキー」な出来事だと云えば云えるのかもしれない。

 年末年始だし、そう思い込むことにしよう。

 

 と、そんなこんなでみなさま、良いお年を。

 

[整理・勉強・手帳・ノート]の100円ショップ文具術

[整理・勉強・手帳・ノート]の100円ショップ文具術

 

 使い心地さえ気にしなければ100円でも文具は結構使えなくもない。ただし、この本はKindle版でも1000円ぢゃ買えない…(;´Д`)ウウッ…。

*1: 結局半年経っても落とし主は現れず、しかし届け出た交番ではなく家からずいぶん離れた、当時は隣町のK警察署までバスにゆられてえっちらおっちら、紙に包まれた300円のために往復のバス代を払って受け取りにも出かけたのだったのぢゃなかったかな。バスの運賃もそうだけれど、往復にかかった時間、手続きの時間やらなんやかやの機会費用の損失(そんな言葉は知らなかったけれど)をも考慮に入れると、小学生の時分といえども得した気分にはなれなかったなぁ。

*2: 80年代には小銭が……というあたりは、現在閲覧できない本家「与太」のほうに一度書いたことがあるはず。学生時代、プー太郎時代はそいつで結構助かったことがある\(^o^)/。というわけで、少なくとも、個人の経験に即するかぎり事実なのだ。