汎神論的神の目としての車載カメラについて
冒頭、カップルと思しい男女が突然口を開いたシンクホールに呑み込まれる瞬間を捉えた乗合バスに搭載されたカメラからの衝撃映像、ということになるんだろうか。
これはもうさすがにテレビなんかでも報道されているんだろうなぁ。とは思うけれど、とにかくびつくり。
所謂「シンクホール」事故。YouTubeにアップされるニュースを眺めていると、ここしばらくシンクホールをめぐる映像は増えているように思える*1。メリケンのが圧倒的に多いけれど、今月23日の、
みたいにヨーロッパでだって珍しいものだとは云えない。
冒頭のニュースみたいなのは嫌韓のヒトとかネトウヨのヒトとかには喜ばれるものかもしれない。でも、「google:道路 空洞 河野太郎」あたりのキーワードでググって読める文書に目を通してみれば、そう遠くない将来、日本でだってシンクホールをめぐる事故は頻発する危険がありそうな気もする。さっさと真面目に対処してもらわなきゃね。
とはいえ、シンクホール、人工的な環境の只中ばかりではなく、一昨年のルイジアナでの事例、
みたいに一見自然の只中と見える場所でも起こる。実際には地下水利用の問題とかが絡んでいる可能性もあるとかなんとかだから、まったくの自然環境の中で同様の現象が起こる可能性は低いというか、人工的にシンクホールが生じやすい環境が作られちゃったからこそ、ということなんだろうけれど*2。そういやぁ、日本でだって採石所のあった、えっとどこだったっけか(^_^;)でもシンクホール問題、あったよなぁ。
っと、シンクホール事故について書くつもりではなかったのであった。そうぢゃなくて、車載カメラの映像ってすごいよな、というあたりについて書いておきたかったのだった。
24日、ニュージャージーでの文字通りの天然ガスによる爆発事故。スゴいなぁ。爆発時の音声がないのが記録として残念なところだけれど、冒頭の韓国での事故もそうだったように、こういう映像は意図して撮れるものではないもんね。
こういう映像も車載カメラによって撮られているというのはなかなかぢゃないか。いつぞやのロシアのヤツにかぎらず、隕石落下の火球の類だとか、つい先日の台湾での旅客機墜落とか、これまでは滅多にお目にかかれなかったような映像が、ホイホイ僕たちの視野に収まるようになってきた。
25日リトアニアでの出来事。詳細はよくわかんないのだけれど、窒息した赤ん坊をパトカーが病院に急送するところを捉えた映像。災難や犯罪ばかりでなく、ヒトの善行も捉えられるってことかな。
もちろん、これまで見られなかったような地上の細部を見せてくれるものには、スマートフォンや防犯カメラによって撮影された映像もある。ドローンで撮影された映像もそうしたもののうちに数えていいかもしれない。けれど、車載カメラの映像には一つ大きな特徴がある。それは意図して撮られたものではないということだ。車載カメラの主たる目的は、事故時の証拠を残すということである。パトカーなら警官の不正を防ぐとかナントカも加わるのかもしれない。でも、ニュースとして取り上げられることになるのは、そういう意図とは無関係に写ってしまった地上細部の映像なのである。
衛星から地上の様子が捉えられることをもってして「神の目」を人類は獲得したのだってあたりの感想は、別に高名な批評家でなくとも思いつきやすい理屈だと思うのだけれど、車載カメラってのは、ヒトの思惑の及ばない案外汎神論的神の目みたいなもんかもなぁ、と、だからどうした、というようなことを思いついたのだった。しかしなぁ、こういう映像のあり方は、コンピュータのユビキタス化とカメラの小型化が進めば、少なくとも技術的には、僕たちの日常のほとんどを写し切る能力を獲得することになる。そうなってくると超管理社会を超えて、連想はソウヤーのネアンデルタール三部作に登場するネアンデルタール人の社会へと飛ぶことになる。飛ぶことになるのだけれど、そろそろ書くのが面倒臭くなってきたので、本日はこれでおしまい＼(^o^)／
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途中から変に説教臭くなってくるからアレなんだけれど、おもしろいはおもしろいのですよ。
*1:cf. sinkhole - YouTube 
*2: cf. Ground Gives Way, and a Louisiana Town Struggles to Find Its Footing - NYTimes.com 
