訃報/John Renbourn
Goodbye to our dear friend. pic.twitter.com/MPRUDIXopj
— Renbourn Workshops (@Renbourn) March 26, 2015
We are still reeling from John's sudden passing. Be in touch in the next day or so. Love to all who loved John & his genius.
— Renbourn Workshops (@Renbourn) March 27, 2015
26日、John Renbourn が亡くなった。70歳、心臓発作だったのではないかとのこと。若い頃の映像でも煙草プカプカふかしながら演奏していたりしたし、体格も何だかずいぶんふくよかだったからなぁ。
以下はネットで拾い集めた記事類。順番はデタラメ。整理する気力が湧いて来ない。
- John Renbourn obituary | Music | The Guardian
- Guitarist and songwriter John Renbourn, founder of Pentangle, dies | Music | The Guardian
記事2番めの写真、左端隅っこでシタールを引いているのがJohn。もっと真ん中に出てるのはなかったのかしら。
- Folk guitarist John Renbourn dies in Hawick home - BBC News
ずいぶんあっさりとしたものではあるけれど。
BBCのサイトでは、15日に公開されたばかりのインタヴューが聞ける。「Cerys on 6, John Renbourn, Wizz Jones and Magnificent Mothers, Pentangle's John Renbourn and Wizz Jones」(BBC Radio 6 Music) 。何ぶん英語だから何云ってんだかわからんちんですけれど。
- John Renbourn, 70, Eclectic Guitarist Who Founded the Pentangle, Dies - NYTimes.com
訃報と回顧。
- John Renbourn dead: Pentangle founder and folk icon dies of 'suspected heart attack' - People - News - The Independent
訃報。
- Influential Guitarist John Renbourn, Co-Founder Of Pentagle, Dies : NPR
- Pentangle Founder John Renbourn Has Died | News | Pitchfork
The Pentangleでの活動にばかり目を向けていませんかね? ヴィデオの選択とか。
- John Renbourn | Ralph McTell
「At the risk of making my website seem like a condolence book I felt I must write about my friend John Renbourn who died suddenly two days ago」と書き始められる記事は、ごちゃごちゃしてはいるけれど、そこはかとなく書き手自身とJohnのヒトトナリが伝わって来るようなものになっている。背景に見える譜面は、書き込まれた言葉からすると、たぶんRalphの代表作「Streets of London」のもの。
It was important to look the part, posing outside a junk yard with a cigarette dangling from the lip. A pose replicated dozens of times thereafter. My own favourite album of John’s came next, where he used his beautiful sounding Gibson J45 to great effect on “Lady Nothinge” a tune which remains one of my favourite compositions of John’s.
「Lady Nothinge」とあるのは「Ladye Nothinge's Toye Puffe」 のことだと思う。これ、高3の文化祭で演奏したんだよなぁ。『ヤングギター』に出ていた「コピー」譜にあれこれ手を入れながら、エッチラオッチラ……友人が録音してくれていたカセット、後で聴いてみたのだけれどひどい演奏だった。うーん。というようなことはさておき、完成度は必ずしも高くはない作品だけれど、なんとはなしに心惹く変な魅力がある。Bert Janschが「Lady Nothing」のタイトルでカヴァーしている し、John自身のセルフ・カヴァー「New Nothynge」 も後に出ている。むやみに語の末尾に「e」がくっついているのは、古い英語を模したとかなんとかだったと思う。
- John Renbourn: ceaseless explorer of song – appreciation | Music | The Guardian
とてもよくできた回顧記事。最近の生活ぶり、生い立ちのアレコレ、Johnの私生活に興味を持ったことがなかったけれど、こういうのを読むとなんとなく気になり始める。ホントに「hermit」 的に暮らしていらしたのだな。
記事中紹介されている「Pentangle before Pentangle - Folksangere 1967」(YouTube) 、Johnが登場するのは11分ほどしてからだけれど、全篇通して耳を傾けていると、当時のエゲレスのフォークシーンで Johnのギターがいかにぶっ飛んだものだったかがよくわかるような気がする。さらに先には、のちに「Bells」になる作品を Bertとともに、練習している様子も出て来る。デンマークの言葉はさっぱりわかんないけれど、いずれにしても映像と演奏だけでも貴重なものだと思う。
- Pierre Bensusan - Just back from my concert at Stargazer's in... 、Pierre Bensusan - De retour de mon concert à Colorado Springs ce... 、Pierre Bensusan - John Renbourn and Pierre Bensusan in Dallas....
Pierre Bensusanのfacebookページ。3つ目のリンク先には写真もある。彼にはRenbournに捧げた「En Route From Scarborough」 という「スカボロー・フェア」の演奏がある。
- Don Ross - R.I.P. to John Renbourn, surely a great guitarist, but...
DonのFacebookページ。簡潔な弔意とJohn Renbourn - The Mist Covered Mountains of Home 1-3 1979 - YouTube へのリンク。
9.11でJohnとのジョイントライブを中止せざるを得なくなった話は本家「与太」でも取り上げたことがあった。
- Letter: John Renbourn played at a surprise 60th birthday party for a fan | Music | The Guardian
Johnのヒトトナリが伝わるエピソード。
- ジョンの思い出は永遠に。。。 | 十紀夫語録
私は、TAB.Ltdを設立してから、海外からのギタリストを招聘してのライヴ・ツアーを企画してきましたが、光栄なことにジョン・レンボーンを2度招聘することができました。2000年11月にダック・ベイカーと、2005年11月にはウッディ・マンとのコンビでの来日ツアーでした。会場はいつも超満員で、ソロでも、セッションでも、彼は素晴らしいプレイを披露してくれたことはいうまでもありません。ライヴで、名曲「Snap A Little Owl」を私がステファン役で一緒に弾いたり、そう、私がジャイアント馬場さんに捧げた「河津」も一緒に弾いてくれました。また、彼は素晴らしい音楽家であると同時に、常にジェントルマンな英国紳士でした。一緒に回転寿司に行ったり、下田の温泉にも行ったし、囲碁も打ったし…楽しかった思い出がいろいろ頭を巡ります。
僕はその2回のライブには出かけていない。あれは何年だったかしら、新宿のロフトであった、Wizz Jonesと Jacqui McSheeを引き連れてのライブが唯一 Johnを直接見た機会ということになってしまった。雑誌かなにかのインタヴューで Johnが地下にあるライブハウスなのに「ロフト」というとはこれ如何に? みたいなことを云ってたっけか。
- 浜田 隆史 - ジョン・レンボーンについて(1) 、浜田 隆史 - ジョン・レンボーンについて(2) 、浜田 隆史 - ジョン・レンボーンについて(3)
ラグタイムのプレイで有名なギタリストさんのFacebookページ。Renbournの音楽とご自身のギター経験を重ねての回想。
上で触れた僕が出かけたライブは、(2)にある96年のライブだったんだな。
- ジョン・レンボーン逝く。|小川倫生オフィシャルブログ
本家「与太」で何度か触れたギタリストさんのブログ。『Sir John Alot of Merrie Englandes Musyk Thyng and ye Grene Knyghte』のA面一曲目に収録されていた「The Earle Of Salisbury」を弾いておられる。
これは素人の勝手な想像に過ぎないけれど、小川氏の作風からするとたぶん、John Renbournは、Michael Hedgesと並ぶ大きな影響のあったギタリストだったんぢゃないだろうか。Bert Janschや Dave Grahamの訃報エントリのときよりも言葉が少ない理由もそういうところにあるんだろうなと思う。
- ペンタングルのオリジナル・ギタリスト、ジョン・レンボーンが死去 - amass 、ペンタングルのジョン・レンボーン死去/芸能/デイリースポーツ online
Renbournなら、三大紙くらいにだって記事が出て良さそうなものだけれど、未だ見当たらず。うーん。
- john renbourn - Twitter Search 、Tweets about #johnrenbourn hashtag on Twitter
今日になっても訃報に触れて驚くヒト、悲しむヒトの声が絶えない。
- John Renbournに関するNeanのはてなブックマーク
僕のはてなブックマーク中、「John Renbourn」タグを付したもの。
- John Renbourn - Wikipedia, the free encyclopedia 、ジョン・レンボーン - Wikipedia
基本情報。ただし、とくに日本語版には21世紀に入ってからのJohnの活動についてはまったく記述がなく、したがってまた日本語版では今もJohnは生きている*1といった具合なので、まずはご本家版を。
- google:John Renbourn
あとは各自ググられたし。
私は彼の録音物の聴き手であるにすぎない。ライブさえ一度きりしか出かけていない。彼のギターで人生が大きく変わったというわけでもない。それでも、高2で初めて『Another Monday』に針を落としたときの驚きはレコードスプレーの匂いと共に今でも心にくっきりと残っている。John Renbournのギターによって私の貧しい人生にもなにほどかの豊かさがもたらされたことは疑いない。
Thank you for being with us, John.
くらいのことを口にしてもバチは当たらないと思う。
アルバムとしては、生まれて初めて耳にしたRenbournの作品。
CDは「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です」とのこと*2。MP3版はある。YouTubeでは、タイトルチューンさえ聴けない状態だ。ご紹介できず残念。現在(2019年2019年4月15日)では、かなりのアルバムがYouTubeで耳にできる。「本日のギター・メモ/ YouTubeで聴く John Renbourn」を参照されたし。
- アーティスト: John Renbourn
- 出版社/メーカー: Castle Music UK
- 発売日: 2003/02/04
- メディア: CD
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MP3版もある。聴きやすさが禍してなのか、日本では高く評価されないこともあるが、Johnのアルバムとしては唯一ウィンダムヒルからも再発売されていたりもした。多様な評価軸を包容するところのあるアルバムだからこそ、と思う。
LPを意識して作られたアルバムだから、A面の終わり、4曲めを聴き終わったら少し間をおいて次に進まれるといい。ギター小僧さんなら、CD収録の別テイクに耳を傾けてJohnの即興に驚けもするだろう。