堺貼り紙・看板散歩／堺の刃物

　実家界隈では見かけないプラスチックのポスター。

　そうか、6cm以上はびっくりマーク付き法律違反とは知らなかった。これで一つ賢くなったかな。それにしても、6cmとはいかにも短い。肥後守だって危ういところ。とはいえ、今どきそういう刃物の持ち歩きとはあんまり縁がないのが平均的日本人だろうことはたしかといえばたしかかもしれない。

　しかし、「子供の所持品に注意しよう」というのが、何だか物騒だなぁ。ホントにそんなものをむやみに持ち歩く子どもたちがこの界隈にはいるのか。いないならこういう掲示物はないか。ポスターのトップ、赤字で微妙に大きく書かれていさえするんだから、やっぱりいるんだろう。6cmを大きく超える長さだとすれば、図画工作だとか鉛筆削りに必要だという云い訳も通用しづらさそう。使用目的は物騒な方面ということになるんだろうか。

　いやいや、何にしても堺は切れ味のいい刃物の名産地だもの、子ども時代から刃物に慣れさせておきたい刃物職人の道を極めようとしている親御さんもそれなりの数いらっしゃるに違いない。肌身離さず包丁とともに暮らすことで初めて見えてくる境地があるのであって、幼児期からの刃物経験は忽せに出来ない一大事なのだ、みたいな話があるのだな、きっと。でも、近代化の進んでしまった住宅地では、何事も安全安心第一のお勤め人さん的精神風土も育っていて、伝統を守り抜こうとする職人気質に無理解なこういう掲示物も登場することになる……とか、って、さすがにそれはないか＼(^o^)／