本日の作文・小論文入試/「とんでもない試験問題!」とはどういうものか
「フランスのとんでもない試験問題!」(フランス++) がはてブで盛り上がっている。《“Expliquer”「説明する」》という課題はしかし、それほど「とんでもない」ものだろうか。《「説明する」とはどういうことか》を説明しなければならないという入れ子構造が興味深くはあっても、充分にあり得る問題であろう。真に「とんでもない問題!」というのは、難問なのではなく答えようがなく途方に暮れる以外対処のしようがない問題のことではないかと私は思う。そのような意味でなら、おフランス高等師範学校の入試問題は決して答えようのないとんでもない問題!とはいえまい。
では、答えようのない真に「とんでもない問題!」とは具体的にどのようなものなのか。
はしごを使用しない場合は横に置いてください
を措いて「とんでもない問題!」と呼べるようなものは、少なくとも21世紀に入ってからであれば存在しないのではないかと思う。
そのような出題が実際になされたのか、と閲覧諸賢は訝るかもしれない。それが、実際にあったのである。
……その他の作文の課題で、もっともピントがはずれ、びっくりさせられたのは安徽省の『はしごを使用しない場合は横に置いてください』です。ある回答者*1は「20年余りを勉強し、ポストドクターになったものの、この課題についてはどう書いてよいのかさっぱり分からない」と述べています。
中華思想が云々される折、うまい料理が語られる折には、しばしば名があがり比較されることの多いフランスと中国であるが、こと入試における奇問具合に関しては、圧倒的に中国に軍配が挙がると云わざるを得ない。4000年の歴史、畏るべし、である。
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プッシュ中。吉岡先生がお書きになった文章指南本の中でも、とくによく出来ているんぢゃないかと思う。