トラとヤギに友情は可能か、みたいな

 見ればだれだって目を見開いちゃいまさぁねぇ。ヴィデオに付された説明によると、

In an unlikely story of love and friendship a bromance has developed between a rare Amur tiger and a goat that was originally intended to be his meal at Pirmorsky safari park in Russia.

再生画面概要欄

とのこと。トラが餌として与えられたはずのヤギに喰らいつかないのは、たまたまさほどの空腹を覚えていなかったからではないかというようなことを考えたりするのだけれど、なんでまたヤギがノコノコとトラに付き従って歩くものなのか。人工の環境は、これほどまで野生の感覚を狂わせるものだ、ということなんだろうか。うーん。

 たしか和歌山だかどこだか、鉄道への野生の鹿の害を防ぐために、線路にライオンだかなんだかの、地元にいない肉食の猛獣たちの糞尿を撒く対策が効果をあげたとかなんとか。本来直接の地縁がなくとも臭いには宿命的な敵対関係を喚起する力があるくらいの関係、件のトラくんヤギくんの間にだってあってよさそうなもののように思うのは素人の浅はかということになるんだろうか。う~ん、う~ん。

 偏見かもしれないが、ロシアの動物園の予算が潤沢であるとは思えない。もし満腹ゆえの出来事にすぎないとすれば、アムールトラがヤギに喰らいつく日も遠からずやってくるんぢゃないか。むしろ、そのことが念頭にあるからこそヤギくんのこの振舞いがあるのではないか、というような気もしてくる。self confidence is everythingというやつを思い出すぢゃないか。

 相手の目の前で堂々としていること、ハッタリのみが命の綱だという見方はどうか?

 そこいらへんの答えは遠からず出ちゃうのか、それとも謎のままこの状態が続いていくのか、いずれにしてもこの手の報道の常として続報が大きなメディアで大きく取り上げられることはないんだろうなぁ*1。うーん。

 

タイガとココア 障がいをもつアムールトラの命の記録

タイガとココア 障がいをもつアムールトラの命の記録

 

 日本でアムールトラとなると、このあたりの話題を記憶にとどめていらっしゃる方もおられるかも。しかしなぁ、レヴューの《なお脳内BGMを小田和正の「言葉にできない」にすると、号泣度がUP(当社比)すると思います》との言葉にはまいったなぁ。世人が求める「感動」とはおおむねそのようなものなんだろうけれど。

*1:【復旧時註】一応、続報はあった。そいつも「与太」では取り上げたのだけれど、今(2019年3月14日10時45分)のところ未復旧。内容はとりあえず内緒にしておく。