本日の埋草/The Rise of the Machines – Why Automation is Different this Time

 小論文ネタになるかな、ということで仕事用のメモついでに。

 今までの生産技術の進歩は、生産性を上げ雇用も拡大してきた。ところが、情報革命を経て今日の生産技術の進歩は、生産性を上げている一方で雇用をむしろ減らしている。このままぢゃ、生産性が上がっても需要が萎んぢゃって経済が回らなくなるぞ、いやいや富の不均衡の最大化した超絶格差社会の成立がぁ!……。いつもなら科学技術イケイケドンドンなチャンネルなのに……と驚くヒトも出て来そうな話に前半中盤はなっている。最後の部分を見ると、登場するという続篇、ベーシック・インカムの必要性も見えて、やっぱりイケイケドンドンなのかなというところ、なのかな。

 ベーシック・インカムは、現状平均的受験生には*1なかなか非現実的な議論に見えるみたいなのだけれど、思われているほどいい加減な話でもないかもよ、という前提として知っておいてもいい話だし、ベーシック・インカムのことはさておいても、シンギュラリティの登場なんかをまたずとも、充分にAIと雇用の問題はデカいものになっているということは、知っておくべきことだと思う。トランプなんか、アメリカの雇用は他の国のアンフェアな貿易に奪われているんだみたようなことを云っているけれど、実際のところはアメリカ国内のFAが工場労働者の雇用を奪っているってのもデカくて、他国からの輸入に障壁を設けても雇用は増えないというような話もある。日本でだってそのうち問題にならないとも限らないような話ぢゃないか。

 残念ながら今のところ、日本語字幕は利用できない。自動翻訳の日本語字幕は利用できるけれど、シュールな箇所がそれなりにある。でもたぶん、こういう議論への備えが必要な小論文問題を受験するヒトなら、英語字幕でも読めちゃうんぢゃないか。僕は全然ダメなんだけれど、聴き取れちゃうというヒトだっているだろう。ナレーションの英語が全部聴き取れなくたって話の概要や具体的な数字は問題ないはず。メモをとって自分なりの文章に話をまとめ直しておくといい。【復旧時註】すでに日本語字幕も利用可能になっている。利用方法は各自で調べられたし。

 

参考文献、みたいな

このヴィデオの議論は、ヴィデオ末尾で明かされるように、概ね以下の2冊によっている。YouTubeの再生ページにそれぞれの原書が紹介されている。けれど、閲覧諸賢には日本語への翻訳があったほうが便利だろう。

ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日

ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日

 

 原題“The Rise of the Robots”。

ザ・セカンド・マシン・エイジ

ザ・セカンド・マシン・エイジ

 

 原題“The Second Machine Age”。

 で、2冊合わせると冒頭のヴィデオのタイトルになるわけですね。

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

 

 で、たぶん続篇ヴィデオの参考文献はこれになるんぢゃないかしら。テーマがAIとベーシック・インカムとなると。“Utopia for Realists”。未読なのだけれど、なんとなく楽観的に過ぎるのかもな、っぽい。でも、事態への対応策を考えるとすれば、楽観なしには話も進まないんだしな。1988年生まれのまだまだ若手、オランダの歴史学者さん。

「Why we should give everyone a basic income | Rutger Bregman | TEDxMaastricht」(YouTube)hatebuなんかがさしあたり次のヴィデオの予習になるのかな。今年に入ってからのTED講演に「Rutger Bregman: Poverty isn't a lack of character; it's a lack of cash | TED Talk」(TED.com)hatebuもある。日本語字幕、どちらも利用できないのだけれど\(^o^)/。

*1: というか大多数の大人にも、かな。