The Structure of the World Economyのアニメ・グラフに舌を巻く

 今月初め頃、Facebook経由で流れてきた国内総生産GDP)国際比較のアニメ・グラフ。これだけうまい具合にGDPの変化を見せてくれる映像だけに、もうご覧になった方も多いかもしれない。ただ身の回りではまだご存知ないという方もいらっしゃるようだし、後日改めて探すにも自分のブログにおいておくのが便利、紹介かたがたのメモがてらということで。

 それにしても90年代半ば以降の中国の成長には目をみはるべきものがある。10年前はまだドイツを抜いたという程度でまだまだ抜かれることはあるまいと高を括ったまま、今でも中国に抜かれてしまったという自覚をお持ちでない同世代の爺ぃさんたちもいる。あるいは、抜かれたといっても国民一人当たりなら、何しろ向こうは日本の10倍の人口なんだから負けちゃぁいないと相変わらず高を括り続けているヒトもいるみたいだ。でも、それを云い出すと一人当たりのGDP、日本は結構低くて、2017年の数字では世界第25位。中国の第74位には遥かに勝るといえるだろうが、香港のみをとってみると第16位*1。少なくとも、油断大敵火がボウボウくらいの気持ちでいないといけないんぢゃないのか。

 あと、アメリカの強さかなぁ。「アメリカの衰退」みたいな話はこれまで何度となく聞かされてきたけれど、それでも日本なんぞてんでハナにもかけないほどの経済規模を保ち続けていて、今のところ中国もなかなか追いつけそうもない。そういうアメリカにも今の日本の一部のヒトビトはなにがしか侮りの心を抱いているように思える。上のグラフの動きを見ていると、そんな慢心についても改めて考えさせられる。バブル期の夢から醒めた目が未だ開かれていないということなのか。

 ……というようなあたり、困ったことに経済学の弩付き素人である自分には確言など到底出来ない。とはいえ、こういうグラフの見せ方は派手な所謂「インフォグラフィックス」アニメの類の中では地味なもの、というかそういう言葉を連想するヒトさえいない体のものかもしれないが*2、事の性格をよく考えたものだと舌を巻いてみせるくらいしたってバチは当たらないだろう。

 ヴィジュアライゼーションの見栄えや手法は、コンピュータ・グラフィックスによって大きく変わった。変わったはいいとして、変わることに急なあまり古典的なヒトに馴染みのある手法を顧みないということはないか。というような、傍観者に過ぎない僕には直接関係のないことを考えたり考えなかったり。