I want a fever!!

 熱を出せば妹同様、世間知らずの高枕、母親に甘えて過ごせると考えたか、あるいはそこまで考えは及ばず、ただ妹の持ち物は自分にも与えられるべきだという無闇な欲求に突き動かされてのことなのか。見出しは後者という解釈か^^;。ついこの間まで自分も発熱していたというのに、そんなことはとっくに忘れている。小さな子どもにとっては小さくない個人史上の出来事だろうになぁ。

 

 ヒトの死についてあれこれ考えた(つもり)の後で子どものこういう姿を目にしてまたいろいろ考え込むというのは、我が凡庸の証なんだろう。いやはや。

 

 入澤康夫の直前にもベルトルッチの訃報があった。ベルトルッチストラーロの作品の美しさに新たに出会うことはとっくに出来なくなっていたには違いないけれど、ゲージツカによるブンゲー名画というよりも精緻な職人技のような画面、美女と踊りと男前と球体、ソーセージ職人の作業場、etc...実は今でも夢の中で出会うことがある。今は読めなくなっちゃった「与太」でも2度くらいそのへんに触れた。『ラストタンゴ・イン・パリ』をめぐっては決して小さくないケチがついちゃったし、ベルトルッチ自身の映画的才能はたぶんゴダールに遥かに及ばなかったのだろうし……、なんだろうけれど、とにかく個人的にはデカいヒトだった。

 それなりに馬齢を重ねて映画館にも足を運ばなくなっちゃった身に、もうちょいと小さくても良さそうなアレコレが大きく見えるというのも変なものだな。

 

暗殺の森 Blu-ray

暗殺の森 Blu-ray

 

 本作の場面もよく夢に見る。とくに主人公の父親が入院している精神病院屋上のシーン。