未明、twitterのTLに「Breaking: HAIR Composer Galt MacDermot Passes Away at 89」(broadway world)との報が流れて来た。ガルト・マクダーモット(Galt MacDermot)といえば、史上初の「ロック・ミュージカル」といわれる『ヘアー(Hair)』の音楽を作った作曲家として有名。ミュージカルで用いられた「Aquarius」「Let the Sunshine in」は、Fifth Dimension*1が歌ってヒットもした*2。僕と同世代の爺ぃどもならば、普段は洋楽とかミュージカル作品とかに関心がない者であっても、曲名や作曲家の名前はさておき、メロディーは子供時代の記憶にまず残っているような作品を生み出した人物。そういう作曲家が亡くなったのだ。ところが……。
上の記事見出しもそうなのだが、目にした他の訃報記事の見出しも、
- Galt MacDermot Dead: ‘Hair’ and ‘Two Gentlemen of Verona’ Dies at 89 – Rolling Stone
- Hair Composer Galt MacDermot Dead at 89 | Pitchfork
- Galt MacDermot, Composer of Hair, Dead at 89 | Playbill
- ミュージカル『ヘアー』の作曲家ガルト・マクダーモットが死去 - amass
というように、ローリングストーン誌以外いずれも『ヘアー』の作曲家としてのみマクダーモットのことを取り上げている。ざっと半世紀も昔の業績でしかまずは振り返られないとは一体どういうことか。その後の人生に何かしら切ない紆余曲折でもあったのかしら、と気になってくる。英文の長い訃報記事に目を通すのはチョー付きで面倒臭いからウィキpにでも当たってみますかね。というわけで、日本語版ウィキpで検索してみると項目そのものがない。あらま。カタカナ表記が分かれるような名前でもないけれど、念のためと御本家ウィキp「Galt MacDermot」(Wikipedia)に当ってみると、おやまぁ、日本語版へのリンクがない。う~ん。片手間にググった範囲では他にも日本語で書かれたプロフィール類がそもそも見当たらない。そんなもんか。
『ヘアー』は、日本でも日本人の手によっても上演もされたわけだし、そこでの出会いが元になってガロが結成されたりもしている(らしい)し、映画化されたヤツは日本でだって上映された*3わけでしょ。その作品の核になる音楽を作ったヒトの情報なんですぜぃ。『ヘアー』以外についてももちっと日本語情報があっていいんぢゃないかと思うんだけれど、そういうもんでもないんですかね*4。それともアレかな、直接の影響を受けた世代、たぶん団塊の世代とかになるんだろうけれど、もはや爺様過ぎてネットでの活動もさほどは積極的ではないということなのかしらね。だから、そういう話を読みたがるヒトもいなければ、書き手も滅多いない? う~ん。
この感じ、ピート・シーガー(Pete Seeger)の訃報に触れてフォーク・リバイバルのことをググったときのと何となく似ている。ネットに言葉がないと、そのへん、若い世代には知るチャンスそのものがないに等しいって時代なんだから爺様たち、奮起して下さるとありがたいんだがなぁ。
というようなことを考えると、さて、では自分たち世代は何を書いておくべきなんだろうか、というようなことが気になり始める。アレコレ、面倒臭そうだなぁ\(^o^)/。
などと呑気なことを書いていたら、ジョー・オズボーン(Joe Osborn)の訃報が飛び込んで来た*5。冒頭にあげた、Fifth Dimension「輝く星座(Aquarius/Let the Sunshine In)」はもちろん、ひと頃、もうあちこちのバックに名を連ねていたベーシストさん。サイモンとガーファンクル(Simon and Garfunkel)の『明日に架ける橋(Bridge over Troubled Water)』やポール・サイモンのソロアルバムにも参加している。けれど、名前に見覚えははっきりあってもどういうヒトなのかよく知らない。というわけで、ウィキpに当ってみると、日本語版にはこれまた項目がない\(^o^)/。
日本語版ウィキpに有名ミュージシャンの項目が見当たらないといった事態、ありふれたことに過ぎないんだろうか。文句があるなら、自分で書けや、ってなところなんですかね。そういうことか。う~ん。
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*1: ももいろクローバーZとは関係ない(たぶん)。ひょっとして、あるのかな、関係。
*2: Fifth Dimensionのもいいのだけれど、アレンジは映画のサントラのがカッコいい。YouTubeで《曲名+「hair」》の形で検索すると出て来るので、興味がおありならお試しあれ。
*3: ただし、映画はずっと遅れてアメリカでも1979年の公開。日本公開は1980年。
*4: ミュージカルと映画化作品については日本語版ウィキpにも項目はある。読めば、当時の世相みたいなものも見えてくる。cf. 「ヘアー (ミュージカル)」(Wikipedia)、「ヘアー (映画)」(Wikipedia)。
*5:cf. 「Joe Osborn Dead: Bassist Who Played With Simon & Garfunkel Was 81」(Variety)、「Joe Osborn, Wrecking Crew Bassist, Dead at 81」(Rolling Stone)、「伝説のスタジオミュージシャン集団レッキング・クルーのベーシスト、ジョー・オズボーンが死去」(amass)など。