バレンタインデー粉砕デモとか、メディア報道と多数者/少数者問題とか

 「Kakuhido」は「革非同」、つまり「革命的非モテ同盟」hatebuのこと。今回のデモについては、「【2019年2月9日開催】バレンタインデー粉砕デモ2019 in 渋谷」(革命的非モテ同盟)hatebuを参照。

 先日、

nean.hatenablog.com

の後半で、ことのついでに触れたRUPTLYの性格がよくあらわれている映像報道の事例としてメモがてらのご紹介。主催者側のコメントによれば、「本日はドイツのメディアであるRuptly様からも取材をしていただきました。 ありがとうございます! 革命的非モテ同盟の名は世界に轟く! https://t.co/EtHpAjJusl"」というふうにドイツのメディアという扱いになっている。一応所在地その他を考えると間違いとは云えないけれど、実質的にはロシア系メディアと見ていい。そこいらへんはウィキpででも確認してみられたし。

 日本に限らず西側諸国国内の揉め事や、これは日本に関して多いのだけれど性的な拗らせを感じさせる話題を好んで取り上げる傾向があって、そのへん、近年の国内メジャーなメディアが滅多に取り上げないので、ときおり覗いてみると、へぇ~と本邦の出来事のアレコレに驚くことも結構ある。だから、サブスクライブしておく値打ちはあるかも。ただし、ロシアの利害に関わる問題を取り上げる際のバイアスのかかり方は、昨今のNHKでも敵わないくらい強烈なので、ご覧になる際、そのへんへの注意は必須。

 バレンタイン粉砕デモは、さすがに10年以上に及ぶ伝統あるデモだけに、国内メディアがまったく取り上げないというわけではないが*1、RUPTLY並の知名度を誇るメディアで取り上げられることはないだろう。あったとしても、たとえば、海外のインセルみたいに暴力的なテロでも仕出かさない限り、埋草以上の扱いを受けるとは考えにくいんぢゃないかしら。

 というわけで、主張の中身、デモの規模を考えると、主要なメディアに取り上げられないのも仕方ないかなと思う。でも、本当は「規模」なんぞで測っちゃダメなことだってあるはずなんだよな。どこぞの与党党首がテレビ報道の公平をあたかも政党支持率にしたがった形で考えるべきだみたいな大たわけをカマしたことがあったけれど、本当に多数者が支持する見解ならば、そんなものはわざわざメディアが手間暇をかけて取材報道するまでもなく、日常的に私たちの身のまわりで流通しているはずである。わざわざメディアが取材報道するべきものがあるとすれば、むしろ少数者の側の見解、なかなか日常的に耳目にしない側の考え方だろう。もちろん、少数だからというだけでは取り上げるに値するかどうかは判断できないけれど、まずは広く知られていないことというのは、取り上げる際の判断基準の一つくらいには入れるべきものだ。「バレンタインデー粉砕」がそういう基準に適うものかどうかは、とりあえずここでは考えないことにするけれど。

 

新書763バレンタインデーの秘密 (平凡社新書)

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