本日の備忘録/Poker-Playing AI Beats Pro Players

 18日(日本時間19日未明)に公開された「AI beats professionals at six-player Texas Hold ‘Em poker」(New Scientist、YouTube) hatena bookmarkを見ていて思い出したヤツ。ヴィデオはCMUのほうがオリジナルで11日(米時間)に公開されている。ご覧になっていれば自ずとわかると思うのだけれど、字幕に登場する「Pluribus」がAIの名前になっている。

 同じような話は、CMUの同じメンバーを含む研究チームから2017年にも出ている*1。今回は相手にするプロプレイヤの人数が増えたというあたりが目立つ違いなのかな? なにぶん、ポーカーについては何の知識もないので細かな話は一切わかんない\(^o^)/。わかんないにもかかわらず取り上げちゃうのは、以下のあたりらへんが興味深いからだ。

 Games such as chess and Go have long served as milestones for AI research. In these games, all of the players know the status of the playing board and all of the pieces. But poker is a bigger challenge because it is an incomplete information game: players can't be certain which cards are in play and opponents can and will bluff. That makes it both a tougher AI challenge and more relevant to many real-world problems involving multiple parties and missing information.

Carnegie Mellon and Facebook AI Beats Professionals in Six-Player Poker - News - Carnegie Mellon University hatena bookmark

 チェスや囲碁とは異なり、ポーカーの場合、互いの手の内はわからないままの勝負となる。さらに互いにハッタリをかまし合いもする。そのあたりが、AIによるチャレンジをグッと面倒なものにする一方で現実世界リアルワールドの問題解決に近づくことにもなる。

 つまり、AIが本格的に現実世界の問題解決に用い得るかどうか、用いるとどんなことが起こるのかを知る手がかりになるとも考えられるだろう。こういう局面で気になるのが、AIは何を考えて結論を出しているのかよくわかんない問題が発生するんぢゃないかというところ*2

 Pluribus' algorithms created some surprising features in its strategy. For instance, most human players avoid "donk betting" — that is, ending one round with a call but then starting the next round with a bet. It's seen as a weak move that usually doesn't make strategic sense. But Pluribus placed donk bets far more often than the professionals it defeated.

 「ドンク・ベット」がどんなものなのか知らないのだけれど\(^o^)/、というか名前からしドンクなアホなベット賭けというのだからたぶん碌でもないと見える手なのだろうけれど、そういうアホなやり方で相手を出し抜いたわけで、つまりはとりあえずヒトとは違った方法で勝負に打って出はするわけだ。AIのそうしたプレイが勝利とはっきり結びつくと考えられるようになれば、ヒトのプレイのあり方を変えることにもつながってゆくんだろうか。

 GoogleのAI囲碁のときのような派手な驚きは報じられていないけれど、これまでのヒトとは異なる手を打つというあたりは共通するということになるかしらね。

 やっぱり複数のプレイヤを相手にして勝ちを収めたというのも大きな成果だったらしい。そういうところも、一層現実世界の問題に似ているということになるといえばなるんだろうな*3。そういう場合でも、ヒトがこれまで培って来た問題解決のパタンを覆すようなソリューションをもたらす可能性/危険性をAIは持つってことが確認されたと見ていいんぢゃないかしら。だめかしら\(^o^)/。

 

 ヒトに勝つAIの登場は、それだけでも結構アレコレありそうな気もするが、他のちょっとした技術との組み合わせでさらに厄介な事態を招くようにも思えてくる。

 英語なもんだから何云ってんだかわかんないですがぁ\(^o^)/

 要はネット経由で脳とAIを繋いでしまおうという何となく何を今さらサイバーパンクなお話。とはいえ、こういうものとポーカーAIの接続が可能になったとしたらば、というようなことを考えたりすることになる。カジノの類からポーカーは一掃されることになったりしやしないか。で、たぶんポーカーのAIが可能ならば、その他アレコレに関するAIも可能になるに違いないのであって、そういうものと脳の接続だって出来ちゃうことになる。カジノ側もいろいろ制限をかけてくるに違いないけれど、さて、たとえば脳にAI接続端末を埋め込んだヤクザさん集団が押しかけてきたりした場合、日本のIRさんはまともに対抗できるのかどうか……というようなサイバーパンク博徒モノ*4の企画も頭に浮かんで、はてさて。

 

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 昔々の大昔、本作に登場する「冬寂winter mute」というAIの名前が気に入っちゃって、そのままタイトルにイタダいて作った曲がある。むにゃむにゃで入選してCDになったことがあったりするのだけれど、もはやその事実を知る人類は生存しているのかどうか。