本日の備忘録/More children infected than anticipated
概要欄の英文をとりあえず*2。
Children are generally not considered to be driving the spread of the coronavirus. But researchers in Munich analyzed blood samples from 12,000 children – and what they found has them worried. Six times as many of the samples from the children tested positive came as a surprise to Professor Ziegler, who headed the study. She thinks that in many cases the children only had mild symptoms or none at all, so the infection wasn't detected.
ちょっと第3文がわかりにくいのだけれど、要するに子どもから得られた検体のうち陽性反応を示したものが通常の検体の6倍に及んだということなのかな。で、おそらく子どもたちの場合、軽い症状、もしくは無症状だったために感染がわかんなかったんぢゃないかとかなんとか。
イギリスでも16歳までの子どもが家庭での最初の感染者になる可能性がそれ以上の年齢の者の7倍にもなるとかなんとかいう報告があがっている*3。これ、日本ではどうなんだろう。文科省の見解では子どもの感染者は少ないとかなんとかということにされていたみたいだけれど、どの程度の調査が行ったうえでの話なのだろう。緊急事態宣言後も休校措置は採られないとのことだけに、とても気になる。
学校を経由して感染が社会的に拡大するなんてことになったら、もう目も当てられないだろう。ただでさえ、昨今は家庭内感染が増えているという報道もある。家族のだれから感染が始まったのかといった詳細な内実までは知らない。けれど、万が一、そこいらへんに子どもが絡んでいたとしたらば、あるいは今後のこととして、絡むようになってしまったとしたら……。
前回の休校措置の折の反省みたいなものがあれば、新たな緊急事態宣言に際して、もっとずっとマシな対応が出来ていいはずなんだけれど、そのへんなぁーにも考えて来なかったとか、仕事に出られなくなる家庭への支援がしたくない、要するに金を出したくないからとかってなあたりが理由だったりしやしなければいいのだけれど。どうなんですかねぇ。うーん。
追補
以上を書いた後になって、論旨に関わりそうな報道その他があった。実際には論旨に変更は要しないとも思うんだけれど、以上を読んで疑念を抱くヒトも出て来ちゃうかもしれない。そのへん、一通りの確認みたいなものを以下に。
- 「半年で6000人超 小中高生の感染者」(FNNプライムオンライン)
文部科学省によると、2020年6月からの半年間に、全国の小中高校生で新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、6,159人にのぼり、特に11月下旬からの1カ月ほどで、およそ3,000人の感染が判明した。
とのこと。その数字が文科省によって大きいものとみなされているのかそうでないのかはわからないけれど、一定の調査が行われていることはわかる。全国の成人も含めた感染者の割合と、児童生徒の全体に対する6159人という感染者の占める割合がどの程度異なるものなのかはわからないけれど、報じられ方からすると、比較的大きなものとみなされているのかもしれない。
- 3児のmama on Twitter: "文科省に電話して聞きました。 何故 #一斉休校 は考えていないのですか? の問いに 一律で要請しないだけであって #各自治体の判断 に、任せるとの事でした。 聞いてます?県知事さん。" / Twitter
多いとみなされているとするなら、なぜ休校措置が採られないのかというのが気になるところだが、このtweetが本当なら理解出来る。それが十分アナウンスされなかったのか、報道が不充分なものだったのか、こちらの受け止め方が迂闊なものだったのか。原因はさておき、地域ごとの事情を考えて休校措置とそれに伴うアレコレが講じられるということであれば、前回のイキナリで休校に伴う問題がほとんど考えられていなかったことへの反省があったのかもしれない。とはいえ……
- ☆HERMES☆【チームHKD179】 on Twitter: "@ImmwVs6pnYYOkyS @HERMES4649 こんな書面出されたらわたしが校長でも休校出来ないわ┐('` ;)┌ https://t.co/NexofMZG3n" / Twitter
ここで示された文部科学省初等中等教育局長、スポーツ庁次長、文化庁次長からの通達では、《当該地域の社会経済活動全体を停止するような場合》においてのみ休校措置も許されるかのような記述が見られる。感染者が1人出たといった程度では休校するなとの旨の指示もある。必要と思われる場合でも、学年・学級と範囲を絞るべきであり全校の休校は極力するなということのようである。詳細は各人、リンク先にて確認されたいが、通達の文体の強い調子からして「休校はさせないぞ」という意思の感じられるものだと思う。
以上のようなことを考えると、文科省は児童生徒の感染者数の調査を行っており、調査に基づく一定の配慮もあるように見えなくもないものの、全体として、やはり休校措置に関しては否定的な態度で臨んでいるということになるのかな。
追補その2(2021/01/07)
記事中の《文科省の見解では子どもの感染者は少ないとかなんとかということにされていたみたいだけれど、どの程度の調査が行ったうえでの話なのだろう》の出処が思い出せなかったのだけれど、6日「子どもと新型コロナ 知っておきたい大事なポイント(忽那賢志)」(個人 - Yahoo!ニュース)に厚生労働省のデータとして同様の趣旨のものが登場していた。
なぜ子どもは感染者数が少ないのでしょうか。
その理由の一つとして、そもそも子どもは大人と比べて感染しにくいことが疫学的な検討から示されています。
つまり同じ新型コロナ患者と接触した場合であっても、大人は感染し、子どもは感染しないということが起こり得るということです。
これは実際に診療をしていてもしばしば経験しています。
というような記述からすると、新型コロナウイルスに限らず子どもは大人より細菌やウイルスに感染しづらいことは疫学的な見地からすれば自明であり、ドイツやイギリスのように子どもの感染率が高いという事態は、疫学的にかなり奇妙なものだということになるんだろうか。それとも、新型コロナウイルスがこれまでの疫学的な知見からは予想されなかったような性質を持っているということなんだろうか。
*1: DW Newsはドイツの公共英語放送。cf. 「DW News」(Wikipedia)
*2: ついでながら、DeepL翻訳による日本語訳を挙げておく。肝心の第3文らへんがやっぱり通じる日本語になってないんだけれど。ぶー。
*3: TFC: Children and transmission - update paper, 17 December 2020 - GOV.UK。超絶斜め読みなので、まったくの勘違いって可能性も否定出来ないんだけれど\(^o^)/。