本日の備忘録/ネアンデルタールの末裔

 OIST(沖縄科学技術大学院大学)のスバンテ・ペーボ教授の研究グループによると、現代人から見つかった新型コロナウィルス感染症の重症化を予防する遺伝子がネアンデルタール人由来のものであることを突き止めたのだそうな。でもって、……。

 日本人も約30%が保有しているとしています。

 ペーボ教授らは新型コロナを「重症化させる」遺伝子も同時に現代人に受け継がれていることを発見しています。

 死者が多いヨーロッパの人たちが「重症化」遺伝子と「予防する」遺伝子の両方を持つのに対し、死者が少ない日本人など東アジアの人は「予防する」遺伝子のみを持っているということです。

 ペーボ教授:「日本人は重症化を予防する遺伝子を持っている一方で、重症化する遺伝子は持っていないので幸運だ」

 ただ、ペーボ教授は重症化の原因としては年齢や糖尿病などがより強く関わっているとしています。

 以前には「ネアンデルタール人の遺伝子、コロナ重症化に関与か 研究」(AFPBB News、2020年10月1日)との報道もあって、ネアンデルタールの社会的地位や評判の低下を憂いていたのだけれど、その愁眉を明るく開いてくれる話題かも、と思いたいところ。

 しかしながら、「宿痾としてのネアンデルタール」(2014年1月30日)で取り上げた「Neanderthals Might Have Given Us Diabetes」(The Atlantic、2014年1月30日)に紹介された研究が正しいとすれば、重症化の原因として今回発見の予防遺伝子以上に強い関わりを持つ糖尿病もまたネアンデルタール人から受け継がれたものなのだから、結局のところネアンデルタール人由来の遺伝子くんたち全体としては、重症化により強く関わっているということになっちゃうんだろうか? うーん。

 

立ち読み課題図書、その他

 子どもたちには読書好きになってもらわなきゃ困っちゃうのだけれど、ときどき世の読書家さんの偏頗な読書の薦めには和したくないと感じる折がある。とくに「本を読まざる者ヒトに非ず」と云わんばかりの語りにはうんざりする。現在の地球人口はざっと78億、その中で、自分で本を選択し読めるという環境がいかに稀少なものであるかを考えるなら「ヒトに非ず」みたいな言い草はあり得ないはずだ。おまけに文学書の類ともなれば、そこに一定の注意深さが求められることだって忘れてはならない。アロンソ・キハーナやエマに読書がいかなる運命をもたらしたか、近代文学の傑作がその陥穽をすでに語っているくらいなんだからして。取り扱いには厳重な注意が必要なのだぞヽ(`Д´)ノプンプン。

 

 出たのはちょいと以前だけれど。こういう話題、子どもの時分、ずいぶん気になった覚えがあるなぁ。

 

 

*1: 日本の民放がYouTubeで公開するヴィデオは、そそくさと削除されちゃう傾向があるので、気になる方は早めに閲覧なさるがよろしい。