本日の備忘録/萬物照應

 スエズ運河の件は、運河の通行が再開されたということでとりあえず一段落ついたというところ、今となってはいささか出遅れてしまった映像ではあるけれど、実際に事が起こったのはたぶん絶妙のタイミング、舟の持ち主さんはケンブリッジ大学の講師(a Cambridge University tutor)なのだそうだけれど、「週明けの講義、このネタで雑談は決まりだな」くらいのことは絶対に考えたんだろうなぁ^^;。

 

 《研究》は《情報》と入れ替えても通じてしまいそうな。「情報」にはさしあたり「SNS上の」との限定を加えておくべきかどうかは、ヒトそれぞれか。

 

 あと、押さえておくべき小ネタとして、「スーパームーンが救ったスエズ運河の座礁船」(WSJ)がある。

 3月28日夜にはスーパームーンの影響で、エバーギブン号が浅瀬に乗り上げた23日の満潮時よりも約50センチ潮位が高くなっていた。救助チームにとって最大のチャンスが近づいていた。

(中略)

 潮が引いて、船はゆっくり動き始めた。現場では夜明けと共に「アラー・アクバル」(神は偉大なり)と歓声を上げるクルーの姿が映像に残っている。

 遭難船引き揚げの専門家ニック・スローン氏によると、大潮による何センチかの潮位上昇が決定的な違いとなり、数千トンの浮力が加わってエバーギブン号を浮かせることができたという。

 スーパームーンとなると、見かけのサイズがデカくなる話題ばかりだったわけだけれど、これで今後数年は使えそうな蘊蓄小ネタができたわけだ^^;。

 小ネタといえば、「ユリ・ゲラー氏 スエズ運河の“座礁船曲げ”に失敗 英紙通じ世界に念力協力呼びかけたが…」(東スポ)なんていうのもあったのだった\(^o^)/。懐かしい名前をひさしぶりに思い出したよ。ひさしぶりついでに、「小林秀雄 講演 ユリ・ゲラーの念力」(N GO、YouTube) などもどうか。

ふろく

 上にもマして雑な話。

 BBCの日本語版チャンネルから。

 ロイターの日本語版チャンネルから。

 共同通信のチャンネルから。

 並べて比べて何かひと言、ということになれば、出羽守的な発言になるのは必定。というわけで、ここもそういうアレだということになる。

 まず何よりもパッと見、同じ出来事を扱っているとは思えない違いが再生時間の差。BBCのが1:25、Reutersのが1:57であるのに対して共同通信社のものは0:37だ。共同通信のには「スエズの座礁船、脱出に成功 23日以来の運航再開へ」(共同通信)という記事へのリンクが張られているから、ヴィデオだけでは自立した報道ではないということかもしれない、と思うことにしたいところなのだけれど、実際に記事を読んでもBBCやReutersのヴィデオが伝えてくれているような情報は得られない。

 「これだから日本のメディアはぁ~」とすぐに話を展開してもたぶんそう大きくは外れないだろうとついつい思ってしまうところなのだけれど、新聞などであれば、共同通信のヴィデオや記事では紙面を埋めるに量的な不足がまず生じちゃうだろう。テレビであっても、よほど重大ニュースが目白押しになっているというのでなければ、これほどの大事件、30秒足らずで済ませるわけには参りますまいよ、ということで、YouTubeにて「スエズ運河 再開」のキーワードで検索してみたらば*2……。

 検索結果中、実際に通行再開を扱っている1分を超えるヴィデオは*3「スエズ運河 航行再開 大型コンテナ船離礁成功(2021年3月30日)」(テレ東NEWS、YouTube)の1:00*4「座礁のコンテナ船 6日ぶり航行再開 スエズ運河」(FNNプライムオンライン、YouTube)の1:02、「6日ぶりにようやく通航再開 コンテナ船座礁のスエズ運河」(FNNプライムオンライン、YouTube)の1:02(は直前のと実質同じかな)、「大渋滞のスエズ運河 通航再開 コンテナ船が離礁に成功 喜びの汽笛」(Fujisankei Communications Int'l、YouTube)の1:35、ざっと見渡した感じで一番長かったのは「エジプト・スエズ運河6日ぶり通航再開…事故の原因究明は?(2021年3月30日放送「news every.」より)」(【公式】日テレNEWS、YouTube)の3:28か。検索キーワードを変えれば、もっとマシな結果が期待できるのかもしれないけれど、そこまで試すのは面倒臭いのでパス。関心のある方、試みられたし。

 3:28ともなれば結構な長さだけれど、それくらいのってもちっとあってもいいんぢゃないかなぁ。3分を超すものとなるとさすがに海外でもめっきり減ってくるのだけれど、それでも「How did a ship get stuck in the Suez Canal?」(The Independent、YouTube)などは、事故の経緯のとてもていねいなまとめになっていて、4:38。プレゼンテーション具合もそれなりに良く出来ていて、日テレ版のより「わかり味が深い」ってヤツになっているんぢゃないかしら。

 1分以上か未満かで詰め込める情報の量の隔たりは結構デカい。にもかかわらず、それほど少ないわけでもないヴィデオ中、1分を超えるものは少ない。このあたり、検索結果のあれこれ見比べてご覧になってみるといい。1分に及ばなかったために欠落してしまったアレコレ、事故&再開を他のあれこれと結びつけて考えるには案外重要なものだったりしそうぢゃないかしら?

 というわけで、少なくとも日本のテレビでは今回の「再開」周辺をめぐる報道、かなり手薄だったんぢゃないのかな。海外のものが周辺事情まで手を広げて話の位置づけを考えているのに、日本のものは多少長いものも含めて比較的目先の話しか報じていないという感じ。このへんのこの感じ、今回の件の報道に限ったことでもないような気がする(が、実はテレビはほとんど見ないからアテになんないんだけれどさぁ\(^o^)/)。

 

 といったあたりも僕が考えても意味ないっすねぇ。うーん。

 

*1: SWNSについては、「South West News Service」(Wikipedia)など。

*2: 以下の記述は2021年3月30日午後の検索結果に基づく。日本の民放チャンネルはそそくさとヴィデオを削除しちゃうので、後からの検索では結果はずいぶん異なったものになっているだろう。

*3:スエズ運河 再開」のキーワードでは、「スエズ運河再開めど立たず(2021年3月28日)」(テレ東NEWS、YouTube)といった見出しもヒットしてしまうので、このへんは見出しその他を目視にて確認しないとダメ。うぅ、面倒臭ぇ~。

*4: 検索結果時のサムネイルには「1:01」と表示されるが再生ページでは1秒短くなる。これはYouTubeのどのヴィデオでもほとんど全部同様である(極稀に例外もあるんだけれど)。