2021年3月23、24日のSongs/わたしは、人魚が溺れる場所で、byeと云う風のささやきに耳を傾けながら、庭造りをはじめなきゃいけない

2021年3月23日

 2021年3月23日にYouTubeで見聞きしたPV、MVの類から。

where mermaids drown - One Week

 where mermaids drownについては例によって例の如し。

 ポスト・ロックの捉え方はいろいろある*1そうだけれど、ここ数年、現実に耳にできる「ポスト・ロック」と称される音楽はそれほどヴァリエーションに富んでいないように聴こえる。どのバンドの作品も変に似通っていて、盛り上がりとなるとメロディをエレキギタートレモロで演奏しちゃうみたいなパタンが決まっていて、これは一体何なんだということになる。しかも、「ポスト」と冠しているのに、これまでのロックを踏まえつつもロックから抜け出して新しい領域へと歩を進めているようにも聞こえない。「後期印象派」の名称の扱い方*2とは逆に、「ポスト・ロック」ぢゃなくて「後期ロック」というところなんぢゃないか。大概の場合、そんなところぢゃないかなぁ。一定のちょっとスノッブなBGM需要には応じているのだろうけれど。で、そのこと自体は別に悪いことぢゃないけれど。けれど、けれど。要するに言葉の遣い方が気に喰わないっちゅうことか。

 上で取り上げたのと同じチャンネルで公開されているwhere mermaids drown - And the raging winds do blow [EP] (2021) - YouTubeで一通り試聴できる。

 

a子 - bye

 肺活量の足りなさ加減にもかかわらず、こちらの胸に響いてくる声。どうしてそういうものが心惹くことになるんだろう。歌声の官能みたいなものは、所謂「歌唱力」と称されるようなものに優るところがあるというところかなぁ。いやいや、こういうタイプの声質のシンガーさんは得てしてライブでは音程が不安定であったりする。でも、このヒトの場合は、少なくとも上のヴィデオでは、そういう不安定は感じられない。その他あれこれ、先々が気になるアーチストさんの一人。

ANTI BLUE

ANTI BLUE

  • アーティスト:a子
  • LONDOG
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 「bye」も収めて、先日(19日)リリース。別にそのタイミングを狙って取り上げたわけぢゃないですけれど。MP3版もある「ANTI BLUE」(YouTube)で一通り試聴できる。

 

 その他、「Bach - St Matthew Passion / Matthäus Passion BWV 244 (reference recording: Nikolaus Harnoncourt)」(Classical Music/ /Reference Recording、YouTube)、云わずと知れた「聖マタイ受難曲」。「マタイ」、実はこの演奏、耳をまだちゃんと通していないのだった。

 

2021年3月24日

 2021年3月24日にYouTubeで見聞きしたPV、MVの類から。

Paul Motian - Windmills Of Your Mind

 2021/03/24 - YouTubeのリストに入っているのは、Windmills Of Your Mind - Paul Motian - YouTubeなのだけれど、そちらはタイトル曲一つっきりだし、どうも野良モノだし、というわけで、Topicモノに換えた。アルバム全部を聴き通すのが面倒臭いというヒトでも、野良モノのほうくらいは耳を傾けていいかも。曲そのものは、ミシェル・ルグラン(Michel Legrand)の云わずと知れた名曲「風のささやき」。でも、オリジナル・サウンド・トラックの大袈裟というか扇情的というかなところをぐっと抑えた仕上がりはなかなかイカすんぢゃないか*3

 ポール・モティアン*4Paul Motian)は、ドラマーさん。上の写真中、サングラスの男性。ビル・エヴァンスBill Evans)やキース・ジャレットKeith Jarrett)、あるいはビル・フリゼールBill Frisell*5との活動歴があるくらいだからウィキp日本語版にも項目があるだろうと思ったのだけれど、項目はないのですね。あらま。

 で、本作は、モティアンの遺作となったアルバム。アルバムが2011年8月、亡くなったのが11月だったと思う。

 それにしても遺作の最後が「2」がつく「Introduction」とはこれ如何に、だ。下手な解読欲をそそるのがどうもよろしくありませんね。

The Windmills of Your Mind

The Windmills of Your Mind

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 CD、LP、みな品切れ、在庫切れ、再入荷見込みなし、MP3版、ストリーミングもなし。素晴らしいベストの一枚とはいえないかもしれないけれど、悪くないアルバムぢゃないですか。切ないなぁ。

 

Haley Heynderickx - I Need to Start a Garden

 「2021/03/24」(YouTube)では、「Haley Heynderickx - I Need to Start a Garden [Full Album]」(YouTube)を採ったのだけれど、野良モノみたいなのでtopicモノをここでは挙げておく。

  • Haley Heynderickx /// songwriter

     オフィシャル・サイト。主要SNSアカウントページへのリンクあり。

     どことなく出自不明な顔立ちだなとは思っていたのだけれど、ABOUTページに《For the empathetic singer/songwriter, the reasons for seeking such acceptance and understanding stem from a life of paradoxes. Heynderickx grew up in a religious household in Oregon, closely identifying with her Filipino roots, but also straddling multiple cultural identities. 》とある。

  • Haley Heynderickx - Wikipedia

     概略を知るには、オフィシャル・サイトより便利。

  • I Need to Start a Garden - Wikipedia

     本アルバムについて。へぇ、これがデビュー盤だったのか。しかしなぁ、馬が死んぢゃう曲ってどんなだよぉ。かえって気になるぢゃないか。

  • HALEY HEYNDERICKX — Mama Bird Recording Co.

    レーベルでのページ。まだ読んだことがない\(^o^)/

  • google:Haley Heynderickx

 このヒトも、まずは声かなぁ。所謂「美声」の類ではないけれど、声質自体がすでに何かのメッセージであるみたいな声。

 CDもLPもすでに新品では落手不能みたい。というわけでMP3版。

 

*1: リンク先はウィキp。

*2: 'post-impressionnisme'を「後期印象派」と訳したのは白樺派のスットコドッコイのせいで、印象派との決別具合を考えるなら、素直に「ポスト印象派」と訳しておくべきぢゃといったようなお話があるの。

*3:cf. 「風のささやき The Windmills Of Your Mind」 サウンドトラック ミシェルルグラン Michel Legrand - YouTube

*4: 「モチアン」とも。でも、餅と餡みたいぢゃねぇ。ドラムスティックに絡みついてくるよく伸びる餡コロ餅で出来たドラムと格闘するドラマーの姿を、何となく思い浮かべちゃうぢゃないですか。

*5: 本アルバムでもギターを担当している。