現時点での解説としては、「犯罪捜査に最新の鑑定技術…歩き方で特定「歩容認証」とは(2022年11月12日)」(ANNnewsCH、YouTube)のほうが詳しい。ただし、ANNのチャンネルではヴィデオが比較的早く閲覧できなくなる傾向があるので、毎日新聞のほうを選んだ。
それにしてもまぁ、こういう技術があるとは全然知らなかった\(^o^)/。
ANNのヴィデオで登場する八木康史教授の研究室のヴィデオも1つ上げておく。公開元は大阪大学産業科学研究所のYouTubeチャンネル。
2016年の公開*1。今回の逮捕に関わるような話は出て来ない。歩容認証の捜査への応用は警察側、研究室側どちらのアイディアだったのだろう。というようなあたりはさておき、新しいといっても、それなりの蓄積がある技術だと考えてもいいみたいだ。
で、こうした「新しい」技術さえすでに犯罪捜査に用いられているとなると、歩容認証と比べれば遥かに先行した顔認証AI技術を用いた捜査など行われていないはずはないという気がして来る。「本日の備忘録/Big Brother(s)」で触れたような話もまんざら杞憂とばかりはいえないのではないか。
しかし、顔認証だけであれば、マスクにサングラスとか何とか誤魔化しようもありそうな気がするが、歩行の癖のような、日常生活の中でほとんど意識化しない行動からも身元が割れるとなると犯罪捜査には好都合だろうが、たとえば中国のような*2独裁国家への抵抗運動にとってはきわめて厄介な問題になってくる。顔認証と歩容認証の技術を駆使すれば、外出中の行動は当局にほとんど筒抜けってなことになりかねない。プライバシーもへったくれもあったものではない。二足歩行の様までが権力に把握され管理されたとしたら、一体どうやって運動を組織できるのか。
といって、実は手がないわけではない、かもしれない。
これである*3。
もちろん、日々の修練を欠くと、たちまち「バカ歩き(silly walks)」もパタン化して歩容認証に捕捉されてしまうに違いない。パタンの更新を怠らぬ覚悟が肝要である。しかし幸いなことに、すでにもう「International Silly Walks」(Monty Python、YouTube)という具合に歩容認証に対する抵抗運動はインターナショナルな同志に恵まれている。彼らに学ぶことで惰性化しかねない歩容パタンを超えて、運動を持続する道も拓けるに違いないのである(のかどうか)。
今日只今の日本の街中で「バカ歩き」なんぞいたしておれば、身元がバレなくたって挙動不審で通報されちゃうのがオチであるような気がしないでもないけれど、まっ、きっとそれは気のせいなのだからして、気にしない、気にしない。
立ち読み課題図書、その他
「世界の人口、80億人に これまでの節目の赤ちゃんはいま」(BBCニュース)、「80億人目はアルメニア人 通信社報道」(共同通信)なんて報道もあったわけだし。
明石書店となると近所ぢゃ立ち読み出来んかなぁ。う~。
技術的可能性自体は80年代終わり近くあたりで、すでに語られていたように記憶している。本書はまだまったく目にしていないのだけれど、書影のブタ、たとえばその心臓はサイズも拍動もヒトに極めて近く、拒絶反応がどうにかなれば、まっさきに移植が試みられる臓器になるんぢゃないか、みたいな話を何かで読んだのもその頃だったんぢゃないかな。