堺貼り紙・看板散歩/崩れ落ちる赤ん坊

 堺市堺区鉄砲町南海本線七道駅近く。

 よもやと思ってストリートヴューで確認してみたら、

でちゃんと見られる。このあたりから駅前周辺をうろちょろしてみると、「堺砲術発祥之地」の碑や河口慧海像も見られるはず。

 びびつくりしたついでに、鉄砲と赤ん坊がセットになっている理由を調べなきゃなぁと思っていたこともすっかり忘れてしまっていた。覚えていたとしても調べたかどうか怪しいものなのだけれど(^_^;)。

 たしか、メリケンではこの年の夏にもオーロラ銃乱射事件があったはず。ちょこまかしたその他同種の事件もホイホイ報道されていた時期だったような気がする。とにかくまぁそんなこんなで、鉄砲と若者だって充分にアブナイ取り合わせだってところ、鉄砲そのものはさておき子どもとの取り合わせというのがどういう意味を持つのか、とても不思議に思えたのだ。昨日はカリフォルニアでまた乱射事件があり、本邦でもノコギリで女性タレントを襲うなんちゅう事件、おかげさまで何となくこの写真のことを思い出してしまった次第。

 パッと見、鉄砲に止み難い好奇心を抱き、ハイハイしながら接近中の赤ん坊を描いたように見える。でもぉ、鉄砲町に生まれた人間は赤ん坊の頃から鉄砲ひと筋でおまっせ、っちゅう心意気を描いてまんねん、おぉさいでっかぁ、なるほど、なるほど、なんてわけにはまさかまいらないしさぁ。何なんだろう、この赤ん坊?

 

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Robert Capa Falling Soldier*1

 落ち着いて見直してみると、転がっている鉄砲にハイハイしている赤ん坊が手を伸ばしているというよりも、鉄砲を持って立っていたヨチヨチ歩きの赤ん坊が背後から撃たれ、鉄砲を手放して倒れようとしている瞬間を捉えた図柄だと見たほうがリアルなような気もして来る。キャパの通称「崩れ落ちる兵士」は正面から「撃たれた」みたいだけれど、後ろから撃たれればこの赤ん坊みたいな感じになるんぢゃないか。撃たれなくても何かに躓いたって同じような姿勢で倒れちゃうかもしれないけれど(^_^;)。いやしかし、もちろん、そんな図柄を町中にヂャカヂャカ布置するわけはないと思うんだけれどさぁ。うーん。

 まぁ要するに、僕ぢゃぁ考えたってわかりそうもないというところ。閲覧諸賢の皆様方からのご教示、是非とも賜れますやう宜しくお願い奉りまするm(_ _)m。

 

シルエットを考えると、歩道柵の鉄砲はもう少し近代的なもののように見える。種子島以降、幕末に至るまでの間、国内ではどの程度鉄砲の進化はあったのか、考えてみると全然考えたことも調べたこともないのだなぁ。

 

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*1: 崩れ落ちる兵士 - Wikipediahatebuより拝借。写真の由来にはいろいろ議論があるみたいだけれど、ここでは踏み入らない。