残暑お祝い申し上げまっす!

「暑い」と口にすることさえはばかられるとはいえ、いつまでたっても慣れようのない猛暑日の連続には、やはり「暑い」と口にしないわけにはいかず、ヒトと出会えば、蛋白質が半ばは固定しちゃったボケ脳で、ほとんど条件反射的に「毎日、お暑ぅございますねぇ」とかなんとか口走ってしまうという為体の日々、閲覧諸賢の皆様方はいかがお過ごしでしょうか。

 それにしても、そういうおマヌケ極まる情けない日々と程遠からぬ事情で、上に示したように母国の消失に直面もしくは直面する可能性に備え、自分たちのアイデンティティに関わるアレヤコレヤをディジタル化し保存しようと試みているヒトビトがいるとは、人類のスット惚け具合と悲惨の同居のさまに改めて呆れてしまいもする。

 

 もし今『日本沈没』が書かれるとすれば、日本という国のアレヤコレヤを、同じようにディジタイズするプロジェクトも登場するんだろうか。何をディジタル化して残し何を捨てるのか。国土の水没が迫る中であれば、そこいらへんを決する議論にも迫力のある言葉が綴られることになってもよさそうな気がする。けれど、当分沈没の心配がないにもかかわらずそそくさとディジタイズして残し、ブツのほうは処分してしまおうなんぞという話が堂々と飛び出すような今の日本でならば、沈没に際してどのような議論が飛び出して来るやら皆目見当もつかないというか、むしろ粗方の見当はついてしまうような気がして、わざわざ想像して見せても何の芸当にもならないんぢゃないかと思えてくる。となると、そんな頁など新たに設ける必要はないか。

 などと、己のぼんくら具合に不似合いなことどもをついうっかり考えてしまうのも、まぁ暑さがオツムを蝕んでいるからに違いないのであって、このエントリの書き手を責めてはいけません。