本日のクラッシュ!/Plane crash lands during Cocoa Beach Air Show

 フロリダはココアビーチの航空ショーで出来した雷撃機の緊急着水。一応見出しに「crash」とある。幸か不幸か、いやまぁ幸いなことに、あんまりクラッシュっぽくないのだけれど。

 事故後の様子。パイロットさんがちらり登場。何となくトボけた感じが、なんというかチャーミングだ。

 引き上げ作業の様子。注意深く見ていると、慎重に引き上げが進められているのがわかる。

 事故後も含めて全般に何となく、クラッシュものにつきものの激しさや陰惨に欠けたクラッシュだな。結構なことである。

 

 日本語報道としては「人が泳ぐビーチに緊急着水 離陸直後にトラブル 米(2021年4月19日)」(ANNnewsCH、YouTube)あたり。情報としては大した内容はないけれど、関心がおありの方は例によってそそくさと削除される前にどうぞ。

 

 最後のヴィデオの表題に登場するTBM Avengerは機種名。詳細は、「TBF (航空機)」(Wikipedia)を参照されたし。「TBF」とあるけれど、《生産の途中からTBFはグラマン社に代わってジェネラル・モーターズ(GM)社が量産するようになり、ジェネラル・モーターズ社で生産された機体はTBMの制式番号が付けられ、TBM アヴェンジャーの呼称で呼ばれた》*1というわけで、実質同じ。TBは「torpedo bomber(雷撃機)」の略称だと思う。このへんは軍オタぢゃないのであてずっぽ。雷撃機は魚雷を積んで、低空から敵艦に攻撃をしかけるヤツ。

 あっちの報道を読むかぎりだと「mechanical issue」が原因として上がっている。メカの不調ということか。そりゃそうだろうけれど、どのメカのどんな不調なのか。実際のところ、着水体勢に入ったように見える段階では、周囲を圧するようなエンジンの爆音もなく、プロペラも風圧で回っているだけと見える。不調の結果、すでに機関停止状態だったのだろう。ついでにひょっとすると、今日的な雷撃機の操縦に慣れたパイロットさん(なのかどうか)、海面近い低空から敵艦に攻撃するような操作になれていたから、こういう、クラッシュと呼ぶには激しさに欠ける見事な緊急着水が可能だったのかもしれない。あるいは、年代モノとはいえ、曲がりなりにも軍用機、それなりに頑丈に作られていたおかげということかもしれない。クラッシュがクラッシュのまがいもので済んだ最大の要因はそのへんか。

 それにしても、海水浴客やサーファーがそれなりに集まっている海岸を着水地点に選びながら、パイロットも含めて怪我人が一人も出なかったというのは何より。

 

 ずんぐりした、いかにもグラマン社らしいデザインがウケるんだろうか。

 

 へぇ、翻訳ものとはいえ、日本語で読めるものが出ているとは知らなかった。旧日本軍の仇敵みたいなものだから、ということなのかな。