本日のBGM/Signum Saxophone Quartet & Hila Karni – Echoes

 「☒日のSongs」シリーズにまとめられるべきところだけれど、ここのところのBGM・入眠音楽として重宝しているのでその利便を図ることを主たる目的としてエントリ化しておく。

 そんな具合なので奏者さんたちについては、知らないし調べてもいないという毎度ながらの為体っぷり、何卒お許しくださいましなm(_ _)m。

The sensational SIGNUM saxophone quartet presents repertoire from ECHOES, their Deutsche Grammophon debut album, in this concert from the Berlin Meistersaal. ECHOES features a multifaceted range of genres, with arrangements of works by composers as diverse as Dowland, Albinoni, Fauré, Hindemith, Philip Glass, and Peter Gregson, among others. Cellist Hila Karni joins the quartet for Max Richter’s On the Nature of Daylight, while also in the mix are Guillermo Lago’s “Sarajevo” (from Ciudades) – a sax quartet original – Pēteris Vasks’ Songs of Love and an arrangement of Joep Beving’s “Ab Ovo”.

Echoes、YouTube再生ページ概要欄

 デビュー・アルバムということなら、知らないのは仕方ないな。調べてもネット程度ならたかが知れた内容、どのページも似たり寄ったりのことしか書いていないだろうから、さしあたり上の再生ページ概要欄の説明で善しとしておくべし。

 口上がいささかうるさいのがBGM的にはひっかかるけれど、選曲は結構イイ感じなんぢゃないかしら。個人的にはフィリップ・グラスはいらんな。でも、お好きな方はお好きみたいだから、世間的には問題にならないところか。

 期待も予断もなしに鳴らし始めて、いきなりサキソフォンによる「ラクリメ」*1で耳を持っていかれる。聞き慣れた撥弦楽器とはまったく異なる音に、なんだか初めて耳にする旋律みたいな錯覚があって参った^^;。こういう感じ、ひさしく味わったことがなかったかもなぁ。

 ダウランドアルビノーニフォーレ、マックス・リヒターもその他のみなさまも、上のヴィデオで耳にする限り並べてとくに違和感ない選曲になっていて、曲の配置のまずさに耳があたふたすることもない。アルバムそのものはまだ聴いたことがないけれど、この調子ならたぶんいい線いってるんぢゃないかなぁ。

エコーズ

エコーズ

 

*1:a.k.a. 「涙のパヴァーヌ」、「あふれよ、我が涙」その他。

本日のクラッシュ!/Flying Deer

 それにしても、いろんなものが"flying"する今日この頃なのですね。

 アメリカはヴァージニア州は、木曜朝午前6時の通学バス。もうテレビでも報じられたみたいだけれど、こちらの印象に残っちゃったんだから取り上げる以外の対応はあり得ませんね。

 このクラッシュ案件のポイントは、だいたい以下のように整理できる(かな)。

  • 子鹿とバスとが遭遇したタイミング
  • 子鹿が事故直前、飛び跳ねたか何かその類の回避行動を採った結果、バスに轢かれずに済んだがフロントグラスに激突突破
  • バス右側先頭座席の子どもがウツラウツラしていたおかげで、顔面に子鹿の直撃を喰らわずに済んだ

 これはひょっとするとこれまでなかった3つの偶然の重なり合いの結果生じた事態だったといえるのかもしれない。

 出喰わすタイミングが今回のクラッシュ案件のすべての始まりである(偶然その1)。ただそれだけであればバスが子鹿を轢いてしまうという陰惨ではあるけれどよくある事故で終わっていたかもしれない。子鹿はその陰惨を回避しようとしてなのか単に驚いてのことなのかジャンプする(偶然その2)。その高さがちょうどフロントグラスの高さであったおかげで、子鹿は轢死を免れバス車内に突入することになる。映像からする限り、もしバス右側先頭座席にいたねぼすけくんがうとうとしていたこと(偶然その3)。目覚めていて所謂「正しい姿勢」を保っていたら、顔面に子鹿が激突することになっていたかもしれない。子鹿の蹄を顔面に喰らうことになれば、負うことになる怪我は軽いものでは済まなかっただろう。しかし、前傾姿勢でウツラウツラしていたおかげで激突はめでたく回避されたというわけだ。まぁ、気づいて「混乱しちゃった」くらいで良かった、良かったε-(´∀`*)ホッ。

 気になるのは、偶然その2の「子鹿のジャンプ」か。本当のところ、ジャンプした結果あの高さからフロントグラスを突き破ったというのは憶測に過ぎない。本当に子鹿の力であの高さまでジャンプできるものか怪しいような気もしないではない。しかし、だからといってあの高さを子鹿がそれこそ「flying」していたと考えるわけにもいかない。今回の案件での最大の謎はそこにある。しかし、YouTubeでの報道を見る限りそのへんを問題と見たものは皆無だった。うーん、疑問ぢゃないですかね。そうでもないのかなぁ。(´ε`;)ウーン…。

 

 日本語報道としては、「【まさか】危機一髪! スクールバスに飛び込んできたのは… アメリカ(2021年4月2日放送「news every.」より)」(【公式】日テレNEWS、YouTube)*1など。冒頭のヴィデオは、日テレNEWSで知って、「virginia deer bus」のキーワードでYouTube検索、検索結果から適当に選んだ。日テレ版を採用しなかったのは、日本の民放チャンネル*2は、しばしば報道動画をさっさと削除しちゃう傾向があるから。他意はない。

 

 

*1: BBCのでは見られない事故後のねぼすけくんの反応が見られる。なかなか大したもの^^;。もし日テレのが見られない場合は、「Watch: Deer crashes through window of Virginia school bus」(First Coast News、YouTube)あたりをどうぞ。こちらは実際の音声(一部カット)が入っていて臨場感もなかなか。

*2: NHKYouTubeチャンネルだってそうだわね。

本日の終活/Everything Put Together Falls Apart

 というわけで、ポール・サイモンPaul Simon)も、ということになったわけか。以下、テキスト情報。

 その他いろいろ。

 版権がどこのどなたがおいくらまんえんで手に入れよう*1が、ポール・サイモンの書いてきた歌の性格がガラリと変わるわけではない。作品が売れたら一定の取り分が(額は変わるかもしれないけれど)ポール・サイモンの懐に入ることもこれまでと変わりない。もちろん、今日的な音楽聴取環境の変化の中で高名な書き手作品の版権を手にすることがソニー・ミュージックパブリッシングに大きな金銭的利益をもたらすに違いない。とはいえ、これまでもずっと聴いてきた人間からすれば、だからどうしたってなもんである。

 けれどとはいえ、昨年11月のテイラー・スウィフト(Taylor Swift)のような若いヒトによる譲渡であればまた話は違っても来ようが、今年10月13日でいよいよ80歳になるポール・サイモンともなると、こうした謂わば財産整理みたいなことがあると、なんだか教祖様もいよいよ終活をお始めになったってことなのかな、と信徒は切なくなってしまうのですね\(^o^)/

 というわけで現在の感慨を教祖様の歌で譬えると、というわけでもないけれど……。

 いやしかし、これはルー・リードLou Reed)がSpotifyに残したプレイリスト、「Liked from Radio - playlist by Lou Reed」(Spotify)のトップにある作品だったりもするのだったのだったったぁ\(^o^)/。なんかしらいよいよ不吉ぢゃぁ!

 

ポール・サイモン 音楽と人生を語る

ポール・サイモン 音楽と人生を語る

 

 値は張るけれど、とてもよく書かれた伝記だったと思う。ファンなら必携。

 

イン・ザ・ブルー・ライト

イン・ザ・ブルー・ライト

 

 旧作の歌詞やアレンジの見直しがどれも素晴らしい。とくにyMusicがバックに入った「René and Georgette Magritte with Their Dog After the War」*2など、泣くより他に対処のしようがない(ノД`)シクシク

 

PAUL SIMON

PAUL SIMON

  • アーティスト:SIMON, PAUL
  • 発売日: 2011/06/03
  • メディア: CD
 

 「Everything Put Together Falls Apart」収録。「Everythig ~」、昔々の邦盤では「いつかお別れが」という、何を考えているんだぁ!的邦題がついていたりしたのだった。それはさておき、サイモンとガーファンクルSimon and Garfunkel)解散後初のソロアルバムとずいぶん古くなっちゃうけれど、これ、今でも聴き返す頻度はサイモン作品中、かなり高いよなぁ。というわけで、たぶん好きなんだと思う。

 

 ポール・サイモンの場合、サイモンとガーファンクル時代も含めて、オリジナル・アルバムの出来が素晴らしい。サイモンとガーファンクル『グレイテスト・ヒッツ』や上に上げた『イン・ザ・ブルー・ライト』のようなオリジナルに劣らないコンピレーションや再録音モノもないわけぢゃないけれど、それは数多あるコンピの例外中の例外と申し上げておいて大過ない。だから、これからポール・サイモン作品に触れようというヒトは、ケチケチしないでオリジナル・アルバムを買い集めるのが原則的に正しいということになる。

 

*1: 噂的には9桁ドルとの説が有力みたい。でもそれ、ボブ・ディランのときの譲渡額とかからのアテずっぽでしょ?  たぶん。

*2: リンク先はYouTubePaul Simonチャンネルの再生ページ。

本日の備忘録/フライング四月馬鹿

 天下のReutersもひっかかっていたというわけか。

 同社(引用者註:フォルクスワーゲン米国子会社)は29日、社名変更についてのプレスリリースを一時的に公開。各ソーシャルメディアのページを「ボルツワーゲン・オブ・アメリカ」の社名で刷新し、新社名は「e-モビリティへの未来志向の投資」を示すものだと説明した。プレスリリースはメディア各社により広く報じられた。

 この発表についてはエープリルフールのジョークではないかとの臆測が飛び交った一方で、米証券会社ウェドブッシュ・セキュリティーズ(Wedbush Securities)は発表を真に受け、電気自動車分野での「本気度」を示すものだと指摘。だがフォルクスワーゲン米国子会社の広報担当者は電子メールで、社名変更はジョークだったことを認めた。

「『ボルツワーゲン』への社名変更はジョーク VW広報が認める」(AFPBB News)

 成長が期待されるEV関連ニュースとして投資家が鋭く反応し、VWの株価は一時、大幅に上昇した。

 うそに振り回された形となったメディアの一部は、株価操作に当たる行為として米証券取引委員会が問題視すべきだと訴えた。

「VWが社名変更、実は冗談 米国法人が発表、株価一時上昇」(共同通信)

 エイプリルフールのフライングが最大の原因とはいえ、株価が動くほどひっかかったヒトたちがいたとはどういうことか。ロイターのような大手メディアやら証券会社やらまで騙されるとなると、業界事情を一般人よりもなにほどかよく知っているはずの立場にある者としてはかなり恥ずかしいことのように思える。あるいは、日本で漠然と想像する以上に、アメリカでは電気自動車開発が切実な課題になっているがゆえと考えるべきなんだろうか。そのへんの注力ぶりをアピールするには、名のある企業が伝統的なコーポレートアイデンティティへの変更も辞さないだろうと考えるのに抵抗がないくらいに。

 当たり外れはとにかくとして、たぶん、後者だと思いなしておくくらいがいいんだろうな。うーん。

 

ふろく

 エイプリルフールにフライングと来ると、思い起こすのは……。

 2008年のBBCによる四月馬鹿ネタと翌日公開されたメイキング動画。

 もう干支が一回りしちゃったのだけれど、これを超える仕上がりの美しいネット上の四月馬鹿ネタは未だ現れていないんぢゃないかなぁ。故テリー・ジョーンズ(Terry Jones)*2の声の上げ方と吐く息が白くない点を除けば*3、よくできたネタ映像。

 YouTubeは2005年の開設だから、2008年はまだ四月馬鹿ネタ公開の場として、今日ほど用いられていたわけではない。そういう時期に、よくこれだけの完成度を誇る作品が現れたもんだと感心しちゃうなぁ。

 と、それ以上云うべきこともないのだけれど、最近のお若い方には、このあたりは大昔の出来事になっちゃっていてご存知ないことも増えてきたみたい。せっかく「Flying penguin hoax」(Wikipedia)*4っと、ウィキpの項目にさえ顔を出しているのだから、これくらい知っていてもバチは当たらないんぢゃないですかね、ということでまぁ御紹介までm(_ _)m。

 

立ち読み課題図書、その他

社会を知るためには (ちくまプリマー新書)

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  • 作者:筒井淳也
  • 発売日: 2020/09/09
  • メディア: 新書
 

 不勉強で済ませてきちゃったことが多すぎるってなあたり痛感する今日この頃だわん\(^o^)/

子どもの算数,なんでそうなる? (岩波科学ライブラリー 302)
 

 貧乏人割引キボンヌ、もしくは( ゚д゚)クレッ!

 

*1: エントリを書き終えたところで、日本語版が公開された。英語版に差し替えるのも面倒臭いので、加えておくだけで済ます。負け惜しみたっぷりでなかなか^^;。

*2: 「テリー・ジョーンズ」(Wikipedia)。昨年1月に77歳で亡くなっている。

*3: このへんは手抜かりというよりも、「この映像は四月馬鹿用のネタですよ」というメタメッセージになっているのだと解すべきなんぢゃないかな。というか、テリー・ジョーンズの出演自体がそういうメッセージというべきか^^;。

*4: 御本家、英語版。