死後の生を生きる今日この頃といったもの

 4日未明に見た夢。例によって例のごとし、直前の記憶はない。夢を見ているのだなとは気づいていて、覚醒夢に近い状態であるはずなのだが、事態はまったく思うに任せないままなのだった。

 

――いくら夢だからといって、こんな状態が続いたのではもう死んでしまう」

 どこなのかよくわからない。火焔土器の火焔部分のような装飾で縁取られた祭壇らしきものの上に僕は裸で横たえられている。その僕の腹を喰い破って、グソクムシ、オオグソクムシダイオウグソクムシが続々涌いて出て来る。いくらなんでもそれはないだろうというような、僕の胴体よりも大きなヤツまで飛び出して来る始末。腹の破れ目からは自分の体液と思えない濁った深緑にギトギトと鈍く光る粘液が湧き出して来るし。何でこんな目に遭わなければならないのか。何の苦痛もないのだが、グソクムシやら粘液やらが腹から飛び出し噴き出す勢いのおかげでのたうつ自分の躰を眺めていると、さすがに気分が悪くなってくる(ような気がする)。それでも、夢の中での常、どの部位も思うように動かせず、いっかな収まる気配のないヤツらの勢いに僕の躰は翻弄されるばかりだ。

――こんな状態で死んでしまうのはかなりかっこ悪いな、せめて何か身にまとうものくらいあっていいんぢゃないか」

 そんな呑気なことを考えていた記憶はあるのだが、それから後の記憶がない。ひょっとすると夢の中で僕は死んでしまったということなんだろうか。とするなら、醒めてある今は死後の生だということになる(のかどうか)。なんだか、いやはや、やれやれ、だ。

 

立ち読み課題図書、その他

星野之宣 ―デビュー45周年記念― (文藝別冊)

星野之宣 ―デビュー45周年記念― (文藝別冊)

  • 作者:星野之宣
  • 発売日: 2020/05/22
  • メディア: ムック
 

 22日発売ということでφ(..)メモメモ。

 星野之宣となると、爺ぃ世代にとってはやっぱり『2001夜物語』ということになるんぢゃないかしら。コイツが諸星大二郎孔子暗黒伝』とともに読まれた時代ってのがあったのですねぇ、ケホっ、ケホっ、、。

2001夜物語 1 新装版 (双葉文庫 ほ 3-4 名作シリーズ)
 

 紙のほう「一時的に在庫切れ;入荷時期は未定です」とのこと。デカいディスプレイでお読みになるのであれば、Kindle版でもまいっかというところか。

 

 《この世界に数多存在する論文。最先端のもの、「そこに目をつけたか!」とうならされるもの、役に立つとはとても思えないもの…共通点があるとすれば、それらはすべて研究者が人生をかけて書き上げたものであるということ。本書は、ありえないほどユニークでクリエイティブな論文を取り上げ、執筆した本人の言葉をもとにひもといていく。さあ、論文に込められた愛、情熱、苦悩、汗をともに味わおう!》という紹介を読む限り、どう転んでも面白そうなのだけれど、1月末の刊行來、今に至るもレヴューが1件もついていないのが気になる。う~ん。

 

死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇 (岩波文庫)

死霊の恋・ポンペイ夜話 他三篇 (岩波文庫)

  • 作者:ゴーチエ
  • 発売日: 2002/07/09
  • メディア: 文庫
 

 「死後の生」を扱った文学作品なんていくらでもあるのだけれど、個人的な趣味で選ぶと、いろいろあってゴーチェの短篇に落ち着く。

 別に大傑作というわけではなくて、可憐な佳作という趣きがかえっていい感じ。生の日常のほうに迫り出して来る死後。

 

本日のデザイン/スマートマスク、ちょっとカッコよくないですか。

 こういうのを配布していたら、だれかさん、支持率急上昇赤丸付きってな具合だったんだろうになぁ\(^o^)/

 どの程度の製品なのかはわからない。ATMOBLUEというメーカーのサイトhatebuを覗いてみると、《A wearable, smart air purifier that blocks 99.9% of bacteria, pollution, smoke and allergens》なんてずいぶんイケてそうなことが書いてある。話半分だとしても「漏れ率100%」だという某マスクと比べれば大したモノぢゃないか*1

 

 というようなあたりは、野暮なお話としてとりあえず傍に措くとして、ここで目を向けたいのはスマートマスクのデザインのカッコよさだ。今では布マスクの作り方がネット上のあちらこちらで公開され、各人各様いろんな絵柄の生地を使ったマスク写真も見かける。そういう意味では彩り豊かなマスクが楽しめるようになった。けれど、多少の立体感があるとはいえ布切れに耳にかける紐という。パタン化した全体の造形の貧しさは免れがたい。そこに合成樹脂の自由な造形を持ち込むことが出来るようになれば、一気に形状のヴァリエーションが増すのではないか。マスク程度の大きさであれば、比較的安価な3Dプリンタでも製作出来るだろう。合成樹脂とマスク本来の機能を担うフィルタ部分を組み合わせるだけでも、マスクの見た目の楽しさは増える。さらにそこにアロマのケースみたいなもの*2を組み合わせれば、香りの楽しみも加わって来るだろう。

 考えられるデザインはいろいろありそうに思う。パッと思いつくところでは、防毒マスクみたいなものなどどうか。なんとなくパンクな感じが漂うような。生きていればギーガなりシド・ミードなりあたりにデザインを依頼してみればさぞかし、みたいな妄想も広がる。って、そういえばフェイスハガー風マスクがすでにあったっけか\(^o^)/*3

 

立ち読み課題図書、その他

エイリアン フェイスハガー ラテックスマスク
 
ヒエロニムス・ボス: 奇想と驚異の図像学

ヒエロニムス・ボス: 奇想と驚異の図像学

 

 てんで手が出ないので、篤志家のあなた、これ、わたくしにくれてやりましょうよ。

 

*1:cf. 本誌入手の「アベノマスク『仕様書』でわかった“欠陥”と国内生産の謎 『命取りになる』と自民党幹部」(アエラドット) hatena bookmark、3ページめ。《聖路加国際大大学院の大西一成准教授(公衆衛生学)は、届いたアベノマスクの「漏れ率」を計測した。漏れ率とは、マスクの外側と内側の粒子の数を計測して、どれくらい内側に入り込んでいるかを調べるものだ。/5回計測したところ、5回とも100%の漏れ率だった。つまり、外に浮遊している粒子が全て内側に入ってしまっているということだ。/「ウイルスの取り込みを防ぐという観点から言うと、ほとんど効果がない。布ではフィルターの役割を果たしていないことに加えて、サイズが小さいので隙間ができやすい。一生懸命マスクの周りを押さえて測ってみても、漏れ率は97%でした。人からの感染を防ぐ効果は期待できませんね」(大西准教授)》。ただし、通常マスク着用が推奨されるのは、着用者への感染を防ぐためではなく、無症状など自覚のない感染者による他人への感染を多少なりとも減らすためだとされるのではなかったかな。ちょっとこのへんの記事の書き方はフェアではないようにも思える。

*2: 上のスマートマスクでは、ファンのついたカプセルみたいなものが着脱出来るようになっているけれど、そのカプセル部分をアロマケースにするといった工夫をすればいいんぢゃないかな?

*3:cf. google:フェイスハガー マスク

本日の誤差/What Did Hubble See on Your Birthday?

20200429125045

On April 28 in 2004 Galaxy Cluster SDSS J1004+4112

 via. 「What Did Hubble See on Your Birthday?」(NASA) hatena bookmark。誕生日を入力すると*1、その日、ハッブル宇宙望遠鏡で観察された宇宙の様子を垣間見せてくれるという趣向のサービス。年は指定できない。指定できたとして、僕の場合は、生まれた時分にはハッブル宇宙望遠鏡など存在していなかったわけだから、その折の夜空の映像など望むべくもないんだけれど\(^o^)/。

 

 2004年の地球からの夜空といっても、目に映ずる光はこちらの生きてきた時間どころか、2004年とか2020年とかいった歳月など誤差の範囲に収めてしまうような遠い昔から届いたものが大半なのだと思うと、これまた例によって目眩がしてきちゃうぢゃないか。参っちゃうな。クラクラ~のフラフラ~ぁ。

 

 と、そんなこんなでまた一つ歳を喰っちまいましたとさ。いやはや。

 

立ち読み課題図書、その他

 と、空から地上に目を移せば、また別の目眩が待っていたりするわけで……。

シニカル理性批判 (MINERVA哲学叢書)

シニカル理性批判 (MINERVA哲学叢書)

 

 ペーター・スローターダイク - Wikipedia hatena bookmark

 立ち読み出来そうにないのだけれど\(^o^)/、火事で焼いてなければ読み直したいところ。刊行当時は正直なところピンと来なかったのだけれど、どうもそいつはこちらの暗愚のせいだったみたい。いやはや、やれやれ、だ。

 

*1: 「誕生日」ぢゃない日付を入力したって嘘がバレちゃうような仕組みは備わっていないけれど^^;。あるいは反対に、見せてくれる夜空の写真が、本当にその日に撮られたものなのかどうか、僕たちには確認する術がないんだけれど。けれど、けれど。

本日の備忘録/SURREAL! Two Dozen Oil Tankers Anchored Off California Coast

 原油価格の暴落とは、すなわち原油が供給過剰に陥っているということ。おかげで石油会社は貯蔵施設を使い果たして、ここ南カリフォルニア沖ではタンカーが余剰原油のための浮動貯蔵庫として使われているとかなんとかなのだそうな*1

 

 なんでも簡単に「シュール」云うなと思いはするのだけれど、具体的なブツを以て示されると、これはやっぱりなかなかなモノなのだと実感するしかないわねぇ。う~ん。

 原油の供給過剰とは、またすなわち旧来の経済産業活動の低下でもあって、それはまた気候変動に与える影響の小さくはない出来事でもある。

 おそらくは短期的部分的にすぎない環境浄化すら、経済やヒトの活動に大きな制約をもたらすことが判明してしまうと、さて以降の気候変動を小さなものにとどめようとする運動にどういう影響を与えることになるのか、心配になってくる。

 しかし、気候変動にともなって感染症がこれまで以上に流行しやすくなるとの予測も以前からある。先々のことを考えるなら、そういう活動の足をひっぱるのではなく、僕たちの社会の今回のようなドタバタした対応を深刻に反省しておく必要があることも間違いのないところ。

と、これは先月下旬に公開されたヴィデオ。自動生成英語字幕利用可。ちょっとアレな感じかも、だけれど、こういうの、日本語では目にする機会がないかなということで、まぁ。

 もう少し穏やかなもの、通常のメディアが扱っているものなど、いろいろYouTubeには上がっている。「corona atmosphere change clean」あたりの単語をテケトーに並べて検索を試みられたし。しかしなぁ、日本のメディアのモノだとインドなり中国なりの空気が澄みきった様を、どちらかといえばおもしろおかしく扱ったものが多くて、いささか憂鬱な気分になっちゃうな。

 

感染症 ウイルス・細菌との闘い (別冊日経サイエンス238)
 

 実は未読なんだけれど\(^o^)/、書影左下に《気候変動で広がる人獣共通感染症》との文字列があるのが気になるところ。このへんの話題が気になるヒトは一読の価値ありなんぢゃないかしら。どうかしら。

 

*1:《The ships are scattered across waters from Long Beach to the San Francisco Bay.》と再生ページの概要欄にはあるのだけれど、ロングビーチからサンフランシスコ湾ってどれくらいの距離なんだろう? 地理の見当がなくてよくわかんないのだけれど、まぁわざわざそう書いてあるくらいなんだから、それなりに小さくない距離なんだろう\(^o^)/