本日の備忘録/猫的永久機関

 繰り返し、ボォ~っと眺めていると*1、記憶のどこか奥底のほうで、自分もこの猫のように世界を見ていたことがあるという確信めいた感覚が疼き始める。でもって、世界の鮮度が今とはまったく違っていた時代があったような、まぁなんだかんだいって錯覚、勘違いの類に相違ないとはわかっちゃいるのだけれど、そういう気分が湧き上がってくるのを抑えきれなくなって、涙が溢れてくる。

「おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ」

「おわああ、ここの家の主人はビョーキです」\(^o^)/*2

 

 涯のない繰り返しを眺めていると、猫ほど「永久機関」が似つかわしい生き物も滅多いないのではないかと思えて来る。なんでだかはさっぱりわかんない。

 物は試し、「猫的永久機関*3「犬的永久機関*4をそれぞれググってみる。どちらにもそれなりの数の記事が検索結果に現れる。けれど、「永久機関」の語と並んでタイトルに現れるのは、猫のほうがずいぶん多いようだ。これはつまり、猫のほうがいつ果てるともしれない反復に親和的な生き物であるように感じられる傾向があるということなのだ(なのか?)。

 きっとそう感じる遺伝子があるのですよ、ヒトには。知らんけど。

 

 毎度、だからどうしたという話で相済みませんm(_ _)m

 

 アマゾンで調べてみると、上記の玩具は複数売られているようだ。2000円を割るものから5000円近くするものまで。写真を見ているだけだとどれも同じように見えるのだが、乾電池モノ、USB充電モノなどあって*5、実はヴァリエーションに富んでいる、ということなのだろうか。というわけで、リンク先のは2000円台のもの。

 他も当たってみたい場合は、「永久機関」でアマゾン検索すると、他の永久機関玩具に混じっていろいろ出て来る。

 

*1:tweetでなら、自動的に繰り返し再生される。

*2: google:季節性うつ病とか?

*3: google:猫的永久機関

*4: google:犬的永久機関

*5: つまりはまぁ、実は受け皿あたりに金属球を加速する仕掛けがあるみたいだ。なるへそ。

貼り紙・看板散歩/Excès

20221125121057

所用の道すがら

「よ」は「余剰」の「よ」。

 例によって国道310号線。大阪狭山市、池之原あたりか*1

 

 「あります

 だからどうしたという話ではないのだけれど、なんか奇妙だよね。親しみが籠もっているような、押しつけがましいような、ほっこりとした面倒臭さ。いっそ「よ」は見なかったことにするか。

 

立ち読み課題図書、その他

 もちっと安くはならんかなぁ。ならんのだろうなぁ。う~。

 

 両者が結びついている危険は、すでに指摘されてきたことではあるけれど……。

 

 以前河出からも文庫化されていたはず。リンク先のアマゾン、「中古品」とある文庫はそちらかもしれない。だって、新本は出たばかりなのに、中古がそれより1000円高いっちゅうのは考えにくいでしょ?

 

 「アレゴリー」と「アレルギー」で、そこそこ踏める(違

 

*1: 調べてみると、そのとおりだった。cf. google:ベスト資材狭山店

本日の備忘録/北一輝版「日本語が滅びるとき」

 笑っちゃいけないのだろうけれど、ついつい頬が緩んでしまう。一体このヒトたちは日頃どういうふうに意思疎通を図っていたのやら、ノイズの有無にかかわらず、いささか怪しく思われて来ないでもない。

 

 音声の出処、再生ページに記述がない。ずいぶん昔、同じ録音がNHKのテレビ番組で流されていた記憶がある。たぶん、そのへんなのかなぁ。

 ただし、ここでの北の声は、本人のものではなく探りを入れようとしたなりすまし憲兵のものだったんぢゃないかという話もある。再生ページのコメント欄にも似たようなことが書き込まれている。ホントのところ、どうなんですかね。

 

 というような前フリはさておき、本題はその北 一輝の日本語観。

と、つい思いつきでtweetしたものの、例によっていい加減な記憶によるものなので、内容の正確に不安なきにしもあらずのアリアリ。しかし、北 一輝なら青空文庫にだって北一輝「日本改造法案大綱」くらいはあるのだし、エスペラントの話が出ていたのも「大綱」だったはず……。というわけで、以下確認。

 「大綱」中の「卷六 國民ノ生活權利」の「國民教育ノ權利」にエスペラントの話は見つかった。「英語ヲ廢シテ國際語エスペラントヲ課シ第二國語トス。」とあり、註釈にその理由が記されている。

註三。一切ニ亙リテ英語ヲ廢スル所以。英語ハ國民教育トシテ必要ニモ非ズ、又義務ニモ非ラズ。現代日本ノ進歩ニ於テ英語國民ガ世界的知識ノ供給者ニアラズ。又日本ハ英語ヲ強制セラルル英領印度人ニ非ラズ。英語ガ日本人ノ思想ニ與ヘツツアル害毒ハ英國人ガ支那人ヲ亡國民タラシメタル阿片輸入ト同ジ。只英語ホド普及セズシテ而モ英語思想以上ニ影響ヲ與ヘタル獨乙語ニ依リテ其ノ害毒ノ緩和セラレタル天裕ヲ有スルノミ。英語國民ノ淺薄ナル思想ヲ通ジテ空洞ナル會堂建築トシテ輸入サレタル基督教。人格權ノ歴史的覺醒タル民主々義ガ哲學的根據ヲ缺如シタル民本主義トナリテ輸入サレツツアル「デモクラシー」。英米人ノ持續セントスル國際的特權ノタメニ宣傳サレツツアル平和主義非軍國主義ガ、其ノ特權ヲ打破センガ爲メニ存スル日本ノ軍備及ビ戰鬪的精神ニ對スル非難トシテ輸入サレツツアル内容皆無ノ文化運動。單ニ是等ヲノミ視ルモ一利ニ對シテ千百害アルコト阿片輸入ノ支那ヲ思ハシム。言語ハ直チニ思想トナリ思想ハ直チニ支配トナル。一英語ノ能否ヲ以テ浮薄輕佻ナル知識階級ナル者ヲ作リ、店頭ニ書册ニ談話ニ其ノ單語ヲ捜入シテ得々恬々トシテ恥無キ國民ニ何ノ自主的人格アランヤ。國民教育ニ於テ英語ヲ全廢スベキハ勿論、特殊ノ必要ナル專攻者ヲ除キテ全國ヨリ英語ヲ驅逐スルコトハ、國家改造ガ國民精神ノ復活的躍動タル根本義ニ於テ特ニ急務ナリトス。

註四。國際語ヲ第二國語トシテ採用スル所以。而シナガラ實ニ他ノ歐釆諸國ニ見ザル國字改良漢字廢止言文一致羅馬字採用等ノ議論百出ニ見ル如ク、 國民全部ノ大苦惱ハ日本ノ言語文字ノ甚ダシク劣惡ナルコトニアリ。其ノ最モ急進的ナル羅馬字採用ヲ決行スルトキ、幾分文字ノ不便ハ免ルベキモ言語ノ組織其者ガ思想ノ配列表現ニ於テ悉ク心理的法則ニ背反セルコトハ、英語ヲ譯シ漢文ヲ讀ムニ凡テ日本文ガ顛倒シテ配列セラレタルヲ發見スベシ。國語問題ハ文字又ハ單語ノミノ問題ニ非ズシテ言語ノ組織根底ヨリノ革命ナラザルベカラズ。而シテ不幸ナル幸ハ中學教育ニ英語ヲ課シ來レル慣習ノ爲ニ、其ノ程度ノ教育者モ被教育者モ、何等カノ言語ヲ習得スベキコトヲ必須的ニ確信セルコトナリ。國際語ノ合理的組織ト簡明正確ト短日月ノ修得トハ世人ノ知ル如シ。成年者ガ三月又ハ半年ニテ足ル國際語ノ修得ガ、中學程度ノ兒童一二年ニシテ完成スベキコトハ、英語ガ五年間沒頭シテ尚何ノ實用ニ應ズル完成ヲ得ザル比ニアラズ。兒童ハ國際語ヲ以テ國民教育期間中ニ世界的常識ヲ得ベシ。而シテ歐米ノ革命的團體ハ大戰ノ遙ニ以前此レヲ以テ國際語トセント決議セシ程ノ者。最モ不便ナル國語ニ苦シム日本ハ其ノ苦痛ヲ迯ルルタメニ先ヅ第二國語トシテ並用スル時、自然淘汰ノ理法ニヨリテ五十年ノ後ニハ國民全部ガ自ラ國際語ヲ第一國語トシテ使用スルニ至ルベシ。從テ今日ノ日本語ハ特殊ノ研究者ニ取リテ焚語「ラテン」語ノ取扱ヲ受クベシ。

註五。國際語ノ採用ガ特ニ當面ニ切迫セル必要アリト云フ積極的理由。下掲國家ノ權利ニ説ク如ク、日本ハ最モ近キ將來ニ於テ極東西比利亞濠洲等ヲ其ノ主權下ニ置クトキ、現在ノ歐米各國語ヲ有スル者ノ外ニ新タニ印度人支那人朝鮮人ノ移住ヲ迎フルガ故ニ、殆ド世界凡テノ言語ヲ我ガ新領土内ニ雜用セシメザルベカラズ。此ニ對シテ朝鮮ニ日本語ヲ強制シタル如ク我自ラ不便ニ苦シム國語ヲ比較的好良ナル國語ヲ有スル歐人ニ強制スル能ハズ。印度人支那人ノ國語亦決シテ日本語ヨリ劣惡ナリト云フ能ハズ。此ノ難問題ハ實ニ三五年ノ將來ニ迫レル者ナリ。主權國民ガ西比利亞ニ於テ露語ヲ語リ濠洲ニ於テ英語ヲ語ル顛倒事ヲナス能ハザルナラバ、日本領土内ニ一律ナル公語ヲ決定シ彼等ガ日本人ト語ルトキノ彼等ノ公語タラシメザルベカラズ。劣惡ナル者ガ亡ビテ優秀ナル者ガ殘存スル自然淘汰律ハ日本語ト國際語ノ存亡ヲ決スル如ク、百年ヲ出デズシテ日本領土内ノ歐洲各國語、支那、印度、朝鮮語ハ亦當然ニ國際語ノタメニ亡ブベシ。言語ノ統一ナクシテ大領土ヲ有スルコトハ只瓦解ニ至ルマデノ槿花一朝ノ榮ノミ。

北一輝「日本改造法案大綱」(青空文庫)、強調引用者

 目を惹くのは、やっぱり強調箇所かなぁ。

「註三」あたりは、うっかりすると現在でもそのヴァリアントみたいな話を耳にしないでもないような気がしないでもない。しかし、とくに「註四」あたりからは、いくらなんでもぢゃないかなぁ。「國民全部ノ大苦惱ハ日本ノ言語文字ノ甚ダシク劣惡ナルコトニアリ」ですかぁ\(^o^)/。漢字も仮名も今よりは面倒な時代だったことを考えても、果たしてそいつぁどうなんだってところだし、ダメダメな理由が「英語ヲ譯シ漢文ヲ讀ムニ凡テ日本文ガ顛倒シテ配列セラレタルヲ發見スベシ」ってなところなのぉ? 挙げ句が「自然淘汰ノ理法ニヨリテ五十年ノ後ニハ國民全部ガ自ラ國際語ヲ第一國語トシテ使用スルニ至ルベシ」\(^o^)/。「註五」も、大陸進出その他拡張政策に都合がいいからってんぢゃぁ、ザメンホフ*1も草葉の陰で泣いちょるよ。

 

 本件、深入りするつもりはない。とはいえ、「ファシスト聖典」と呼ばれることもあるらしい「大綱」なのだけれど、当時の日本のファシストさんの言語観、ひいては文化観がどのようなものだったのか、あれこれ気になる話ではある。

 とまぁ、そんなこんなで、とりあえず、tweetした限りのところは大過なしというところでおしまい。

 

 本件、この本のラストのほうで初めて知ったのだったと思う。

 しかし、マケプレ価格、ずいぶんお高うございますね。古本屋を回れば、安いところだと500円前後で出喰わすこともないではない。

 引用されるアレヤコレヤを目にするだけでも充分おもしろい。興味がおありなら、たぶん必読だと申し上げておいていいんぢゃないかな。

 

 

本日の備忘録/'Silly Walking' As Resistance.

 現時点での解説としては、「犯罪捜査に最新の鑑定技術…歩き方で特定「歩容認証」とは(2022年11月12日)」(ANNnewsCH、YouTube)のほうが詳しい。ただし、ANNのチャンネルではヴィデオが比較的早く閲覧できなくなる傾向があるので、毎日新聞のほうを選んだ。

 それにしてもまぁ、こういう技術があるとは全然知らなかった\(^o^)/。

 ANNのヴィデオで登場する八木康史教授の研究室のヴィデオも1つ上げておく。公開元は大阪大学産業科学研究所のYouTubeチャンネル

 2016年の公開*1。今回の逮捕に関わるような話は出て来ない。歩容認証の捜査への応用は警察側、研究室側どちらのアイディアだったのだろう。というようなあたりはさておき、新しいといっても、それなりの蓄積がある技術だと考えてもいいみたいだ。

 で、こうした「新しい」技術さえすでに犯罪捜査に用いられているとなると、歩容認証と比べれば遥かに先行した顔認証AI技術を用いた捜査など行われていないはずはないという気がして来る。「本日の備忘録/Big Brother(s)」で触れたような話もまんざら杞憂とばかりはいえないのではないか。

 

 しかし、顔認証だけであれば、マスクにサングラスとか何とか誤魔化しようもありそうな気がするが、歩行の癖のような、日常生活の中でほとんど意識化しない行動からも身元が割れるとなると犯罪捜査には好都合だろうが、たとえば中国のような*2独裁国家への抵抗運動にとってはきわめて厄介な問題になってくる。顔認証と歩容認証の技術を駆使すれば、外出中の行動は当局にほとんど筒抜けってなことになりかねない。プライバシーもへったくれもあったものではない。二足歩行の様までが権力に把握され管理されたとしたら、一体どうやって運動を組織できるのか。

 といって、実は手がないわけではない、かもしれない。

 これである*3

 もちろん、日々の修練を欠くと、たちまち「バカ歩き(silly walks)」もパタン化して歩容認証に捕捉されてしまうに違いない。パタンの更新を怠らぬ覚悟が肝要である。しかし幸いなことに、すでにもう「International Silly Walks」(Monty Python、YouTube)という具合に歩容認証に対する抵抗運動はインターナショナルな同志に恵まれている。彼らに学ぶことで惰性化しかねない歩容パタンを超えて、運動を持続する道も拓けるに違いないのである(のかどうか)。

 

 今日只今の日本の街中で「バカ歩き」なんぞいたしておれば、身元がバレなくたって挙動不審で通報されちゃうのがオチであるような気がしないでもないけれど、まっ、きっとそれは気のせいなのだからして、気にしない、気にしない。

 

 

立ち読み課題図書、その他

 「世界の人口、80億人に これまでの節目の赤ちゃんはいま」(BBCニュース)「80億人目はアルメニア人 通信社報道」(共同通信)なんて報道もあったわけだし。

 

 明石書店となると近所ぢゃ立ち読み出来んかなぁ。う~。

 

 技術的可能性自体は80年代終わり近くあたりで、すでに語られていたように記憶している。本書はまだまったく目にしていないのだけれど、書影のブタ、たとえばその心臓はサイズも拍動もヒトに極めて近く、拒絶反応がどうにかなれば、まっさきに移植が試みられる臓器になるんぢゃないか、みたいな話を何かで読んだのもその頃だったんぢゃないかな。

 

*1: ANNの報道では、歩容認証が裁判の証拠として採用された最初の年ということになる。

*2: 別に中国に限らず、現在のロシアだとか北朝鮮とかベラルーシとか、あるいは戦時中だかうっかり将来か現在かの我が国だか適当なのを代入しても話は似たようなものだろう。

*3: wikipedia:バカ歩き省