ここのところのうだうだ/期待、忘却

 そういえば、「ここのところのうだうだ」、ここのところさっぱり書いていなかった。書くほどのことがないから仕方ないのだけれど。

 何を撮ろうというつもりだったのか、さっぱり覚えていないんだよなぁ。9月17日の撮影。

 ここのところ、母はなんでもゴミとして捨ててしまう。家の蔵書も気がつけばずいぶん減っている。金が欲しいというのなら、捨てるというのは理屈に合わないし、別にモノを収納する場所に事欠いているというわけでもない。でもとにかくなんでも捨ててしまおうとする。僕が10代の頃、それなりに必死で作ったり描いたりしたもの、乏しい小遣い銭をはたいて集めたりしていたLPなり楽譜なりなどとうの昔になくなっていて、唖然としたりする。うーん。これもそろそろ危ういかもなぁ。

 ちょっとわかんないかもしれないが、『忘れられた巨人』(ハヤカワepi文庫)「『ハヤカワカバーよろしく』ノーベル賞で合言葉に」(神戸新聞NEXT)hatebu参照。ハヤカワ文庫が2009年来一般的な文庫判と異なるサイズになっちゃったところから生じるアレコレ。うちの近所ではとくに対応してくれないみたい^^;。というあたりの証拠写真のつもりというのが、twitterタイムライン上での文脈。別に文句はありませんけれど。とはいえ、

受賞をきっかけに、〈(キャンペーン時の)トールサイズ用カバーを市販して〉といったツイートもありますが、「まずは注文の本をお届けせねばという状況です」(同課*1)。多忙な中、やぼなお願いかもしれませんが、ご検討いただけませんか。本好きの一人として。

くらいのことはあってもいいかもね。

 それにしても、カズオ・イシグロノーベル文学賞のことはさておき、このタイミングでの『忘れられた巨人』(ハヤカワepi文庫)の登場というのはなかなかだな。内容の説明は面倒臭いので、翻訳単行本刊行時のインタヴューを以下に。

 移民嫌いも手伝ってEU離脱を図ったイギリスの移民作家にというあたり、ソルジェニーツィンへのときほどあからさまなわけではないにしてもなかなか厭味な授賞ぢゃないか。ついでに、二重国籍に五月蝿く*2歴史修正主義吹き乱れる日本でだって、現政権的にはうっかり文化勲章をというわけにはいかない作家さんだというふうに見ることも出来ちゃうかもね。

 作品のほう、ある種の忘却/記憶改変をめぐるファンタジーとなっていて、細かい描写があるわけでもないから、とにかく長いのは苦手だというのでなければ、ホイホイ読めてしまうものになっている*3。今ならイシグロ作品新本としてはめずらしく初版での入手も可能だろうし、彼の作品は未読だというヒトには最初の一冊として好適ということになるかもしれない。純粋に日本語で書かれたものとしては、たとえば高村 薫の長編、たとえば『晴子情歌』なんかのほうがずっと読むのに苦労するくらいのもんぢゃないかしら。

 そういえば、衆院解散選挙投票日前には

私が有権者の政治意識で気になるのは、すぐに忘れてしまうことです。昨夏の都知事選で大きく下がった自民党の支持率は、9月には持ち直した。森友・加計問題も、野党が求める臨時国会召集の要求を2カ月放置し、ようやく召集したと思ったら冒頭解散。この間、これからは丁寧に説明すると頭を下げた安倍晋三首相は、結局それもしなかったのに、支持率が40%台に回復してしまう。

「衆院選前に野党がたった1日で消滅 『まともな国では起きない』と高村薫氏」(AERA dot.)hatebu

というような話を高村 薫もしていたのだったな。というわけで、ニッポンチャチャチャな健忘症なヒトが『巨人』を読むと、それなりに効いてくる皮肉を感じちゃうかもしれない。

 と、そんなこんないろいろあるけれど、そういうことはさておき、おもしろい作家さんだし作品さんだしなので、政治的なあれこれもこの際さておいてどなたもお読みになってバチは当たらないと思いますね。

 

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)

 
晴子情歌(上) (新潮文庫)

晴子情歌(上) (新潮文庫)

 
晴子情歌(下) (新潮文庫)

晴子情歌(下) (新潮文庫)

 

*1:【引用者註】早川書房のプロモーション課。

*2: ちょっとブクマが見つからないのだけれど、受賞後インタヴューか何かに、日本の国籍も残しておきたかったのだけれど、日本の法律が二重国籍を認めないために日本の国籍を捨てざるを得なかったとかなんとかいう話があった。

*3: 一部、あれ?っと原文をたしかめたくなるような細部の不明はあるのだけれど。/今見るとアマゾンのカスタマーレビューに、やっぱり原文と突き合わせて文句を書いている方もいらっしゃるわ^^;。cf. 「やはり謎である」