折々のリンク/お正月篇
全部で2時間18分と39秒。世界の主要都市が新年を迎える様子の中継録画になっている。それぞれの都市が新年を迎える時間差のためなんだかどうなんだか途中で短くない暗転が入ってくる。そいつが都市と都市の間の距離を、つまりは世界のそれなりのサイズを伝えてくれる、ということなのかな。日本の画像は途中で乱れてるしなぁ。たぶん、全部通して見ているヒトはさほど多くないんぢゃないかしら\(^o^)/。
グテレス国連事務総長、新年のあいさつ。英語も字幕がついているし難解な箇所もパッと見のかぎりなさそう。わかんなくても要旨は、「国連総長が世界に警告 新年あいさつ、17年は『逆行』」(共同通信)で確認できる*1。《1年間を振り返り「核兵器の脅威は冷戦以降では最も高まった。人権の恐ろしい侵害があり、ナショナリズムと外国人嫌いが勢いを増した」などと列挙した》。《いずれも具体的な国や地域には言及しなかった》のは立場上仕方のないところだろうけれど、指摘されなくともたいていの人の思い浮かべるところは似たり寄ったりなんぢゃないだろうか。
そりゃぁ、おみくじなんかは何度も引き直したほうが寺社としては儲かるもんなぁ、と思ってしまうようでは救われませんかねぇ。大吉、吉の類の割合や文面は寺社ごとにいろいろ違っていると仄聞。実際、大昔、複数回って何本も引いてみた経験からもそういう感触がある。ここウン十年、おみくじは引いていないのだけれど。
初詣をめぐる話としては「意外と新しい『初詣』の歴史 ― 鉄道が生んだ庶民の娯楽行事と皇室ナショナリズムの結合 - 平山昇」(BLOGOS)、「島田裕巳 on Twitter: "神社に行くと、「二礼二拍手一礼」が正式な作法と強調されている。だが、そのやり方は、明治8年の「神社祭式」で定まったものがもとになっていて、明治以前には存在しなかった。明治以前の神仏習合の時代には、神と仏は同時に祀られていたので、合掌と拍手の区別はできない。"」など。今日古来伝統的に「唯一正しい」とされているものの起源が、意外と新しかったり多様であったりといった話、近年では頻繁に耳にするようになったけれど、こと宗教となると新しく出来た仕来りに「過ぎない」から軽んじてよろしいとなるのかどうか。キリスト教会は今も地動説を否定して天動説を取り続けるべきだということにはならない*2のと似たようなもので、新たにしかじかの拝み方こそが正しいということになったからといってバチは当たるまいとも思う。ただし、それを押通すために、あったんだかなかったんだか典拠が明確でない古式ゆかしさを引っ張り出してしまうのは、たいていの場合ヒトに嘘を認めない宗教においてはバチあたりなんぢゃないか、という気はする。とくにそれが神様とよりは金儲けのほうと強く結びついているとするならば。
今年の年賀状です pic.twitter.com/Z2RiaNfgHa
— ポタージュ (@_2pt) January 1, 2018
ちょっとイカすアイディアかな、と思っていたら、
あけましておめでとうございます。今年はこういう年賀状を出しました。 pic.twitter.com/rEPJcs38F1
— SSK (@Bt_Alpha) December 31, 2016
という先行例があった。こちらは昨年。ネタそのものはポピュラーなものだから、たまたまということもありそうだ。でも、最後の「郵便局へ申し出なさい」あたりのアイディアまで一致すると、ちょっと怪しいんぢゃないかという気もする。なんとなく残念。こちらが損害を被るというようなアレではないけれど。
年賀状を出さなくなってもうウン十年を越えた。今年はとうとう仕事関係以外からのどなたからも貰えなくなったみたいだ。しかし、ウン十年もかかるというのは予想外に長かったなぁ。年賀状などといったものも、同じく近代の産物であるにもかかわらず「二礼二拍手一礼」のように軽んじてよろしいというヒトは少ない。どちらも礼法みたいなものなんだから、この違いは多少考えてみるべきアレコレがないでもないんぢゃないかという気もする。面倒臭いのでアテクシは考えませんけれども\(^o^)/。
「『焼き場に立つ少年』の写真、ローマ法王が配布を指示」(CNN.co.jp)、こちらは年賀状ではないけれど。とりあげられた「焼き場に立つ少年」、どこかでだれかが言及していた記憶があって、ググってみたらば「皇后陛下お誕生日に際し(平成19年)」(宮内庁)だった。撮ったジョー・オダネルの、ネットで見られる写真を見るかぎり、ほとんどの作品は悪くないにしても優れたものとは云い難いところ、「焼き場に立つ少年」ばかりは一度見たら忘れられないものになっている。
「Joe O'Donnell (photojournalist)」(Wikipedia)には、剽窃疑惑のあることが記されている。アメリカに戻って後の報道写真をめぐるものだ。脚注をたどった先にあるインターネット・アーカイブの記事を見ると、適当なトリミングと修整がほどこされているものの、剽窃は疑いないものと見える写真が並んでいる。とても残念なことだが、しかし、上のヴィデオで本人が語っている過酷な経験は、おそらくヒトを深刻なスランプに陥れることのあるようなものではないか。同情的に過ぎる見方かもしれないとは思いつつも、判断はそちらに傾く。
North Korean Leader Kim Jong Un just stated that the “Nuclear Button is on his desk at all times.” Will someone from his depleted and food starved regime please inform him that I too have a Nuclear Button, but it is a much bigger & more powerful one than his, and my Button works!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) January 3, 2018
まぁ、そんなことを公言していれば、「National Security Analyst Says Trump's Latest North Korea Tweet Could Lead To War」(Politicus USA)ってなことになりかねないのは、別に National Security Analystでなくったって見当がつく。
開戦というようなことになれば、まず損害を被るのは韓国と日本だろう。北朝鮮の核開発の目的はアメリカを動かすことにある。そうはいわれるけれど、本当にアメリカに核をぶち込むだけのブツが完成したかどうかはまだまだ怪しい。何か事があれば、まず確実なところ、近所の同盟国にぶち込むことになる。あるいはヤケを起こしてやはり確実なところで一矢報いようとすることになる。そういう想定があるからこそ「北、核攻撃なら死者210万人 米大推計、東京とソウル」(共同通信)*3というような推計もなされるわけだ。
そういうピンチが迫ったとして、さて平凡な暮らしを送る自分たちはどうすればいいのか、せいぜいうまいものでも喰いながら、残り少ない人生を儚んで過ごす以外に何が出来るのか。はてさて。
しかし、うまいものを喰いたくはあっても相も変わらぬカラッケツのすかんぴん、先立つものをどうにかしなければにっちもさっちも行かないという冷徹な現実が……。
お年玉を貰える子供達にやきもちをやいたので餅を(レーザーで)焼いた。おかねもちになった。 pic.twitter.com/juO2zwR8DS
— Ricky⁺ (@Robotboy189) January 2, 2018
餅といえば、「Delicious but deadly mochi: The Japanese rice cakes that kill」(BBC News)がショッキングな見出しの記事。
Two people have died in Japan and several are in a critical condition after choking on traditional rice cakes as part of the new year celebrations.
と、いい加減な書き出し、少なくともこの記事が公開された段階では、2名の死亡は東京都内限定の話であったはず*4。というのはさておき、餅で新年早々2名の方が亡くなったとして、それが毎日続いて700名超の人命が奪われるわけではないのであって、見出しは大袈裟に過ぎやしないかと思える*5。
むしろ、危険というのであればベッドで寝る習慣のほうではないか。思い出されるのは、「本日の安全保障/偉大なニッポンのふとん」*6で取り上げた EuroNewsの報道だ。銃や交通機関が絡むような事故は英米でも違いはありそうだが、ベッドでの就寝は共有された習慣ではないか。ベッドからの転落死、イギリスではどうなっているのか、調べてみてもバチはあたらないかも>BBC。
その他アレコレ
立ち読み課題図書、その他
発売は今月末。《「伝説の男」の骨太な生涯を描いた感涙の映画が、ついに書籍化》とのこと。
今月10日。これでエロ・ノロともに文庫で読めることになる。
受験生にも読みやすい、んぢゃないかしら。
Reckless Daughter: A Portrait of Joni Mitchell (English Edition)
- 作者: David Yaffe
- 出版社/メーカー: Sarah Crichton Books
- 発売日: 2017/10/17
- メディア: Kindle版
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折あらば、ちゃんと読んでみたいところだけれど……。
*1:【復旧時註】残念、すでにリンク切れ。
*2: もちろんなっちゃうヒトもいるんだろうけれど\(^o^)/
*3:【復旧時註】リンク切れ。
*4: 後から出た日本語版記事、「おいしいけど危険な日本の餅 死者が出ることも」(BBCニュース)では当該部分、《日本で新年のお祝いに食べる餅をのどに詰まらせる事故が今年も起きた。東京消防庁は1日、2人が死亡、複数が重体になったと発表した》と情報元が「東京消防庁」であることがわかる記述になってはいる。けれど、英語版の記事は相変わらずだし、日本語版のにしたって都内限定の数字だとわかる内容にはなっていない。実際のところ、元日の全国における餅を原因とする窒息事故はどれくらいあったのかしら。
*5: ちゃちゃっとググった範囲では、「窒息事故の詳細分析について(食品①)」(消費者庁)あたりがとりあえずの目安になるか。東京消防庁(平成18~20年)3488件、その他政令市消防局(平成20年厚生労働科学研究費補助金分担研究資料 2報告書) 648件のデータによる分析。ここには餅による死亡者数として19という数字があがっている。ただし、これ平成20年1年間の数なのか、平成18~20年の数字なのか、それらをとりあえず混ぜちゃった数字なのか(素直に見てるとそう受け取れる?)。はたまた初診時死亡者数なのか、その後の死者数を含むのかがわかんない。なんでググってすんなり全国の年間死亡者数のデータにたどりつけないもんなんですかね。ぶー。こちらに何か抜けているところがあるんだろうけれどさぁ。ぶーぶー。
*6:【復旧時註】未復旧。僕の記憶によれば、アメリカでのベッドからの転落事故による死者数は、海外からやって来るテロリストの犠牲者数より多いとかなんとか。