本日のPaul Simonメモ/March for Our Livesでの The Sound of Silence
Stamford March for Our Lives の YouTubeチャンネルから。
Paul Simon borrows a guitar, walks out of the crowd and onto the stage to sing "Sound of Slience"at the #MarchForOurLives rally in Stamford, CT. "I just want to help," he said. #Enough pic.twitter.com/ooImdaEkDh
— Brent Ramsey (@brentramseydp) March 24, 2018
というようなツイートからすると、飛び入り参加ということなんだろうか。
メリケンの有名人さんたちの、March For Our Livesへの参加となると、「MLK Jr.'s granddaughter: No guns in this world」(CNN、YouTube)や「Paul McCartney references John Lennon at march」(CNN、YouTube)、その他いろいろのみなさんの「Celebs support student-led March for Our Lives rally」(USA TODAY、YouTube)あたり。こうしたワシントンのデカい集会での参加の様子と比べてみると、グッと小さい集会での Paul Simonの飛び入りは、地味で目立たないものに感じられる。というか、今までのところメジャーなメディアには取り上げられていないのだから、実際に地味なんだな。
こうした参加、自身の影響力の行使をどんなふうに捉えてのことなのか、飛び入りなのだとすればそこいらへんは考えても仕方ないのかもしれない。「The Sound of Silence」という歌を選んだことも、わかるようでいて実はよくわからない。《Ten thousand people, maybe more》と歌われて、声をあげて喜ぶヒトもいるけれど、そのてんさうざんどなヒトたちが何をするかといえば、
People talking without speaking
People hearing without listening
People writing songs that voices never share
No one dare
Disturb the sound of silence
ってなわけで、とりようによってはこういう集会への皮肉と取れなくもないでしょ、歌詞*1。女の子が「No More Silence」のプラカードを掲げたことからの、単純な言葉の連想からなんだろうか。《Silence like a cancer grow》だったりするわけだから、それはそれで筋が通るのかしらね。その他あれこれよくわからないのだけれど、老尊師のやらかすことなんだから解釈なんぞはさて措いてまずはそのまま記憶にとどめおくべし。
「The Sound of Silence」というタイトルとは裏腹ではあるのだろうけれど、どうしても思い浮かべずにはいられなくなるのが Emma Gonzalezのこれかな。
こちらは沈黙の力ということになるんだろうか。怯え続けた時間を、本当に想起できるのはその場に居合わせた者だけだろうが、それでも、ということはあるだろう。たぶん、これは伝説となるような「スピーチ」になっていくんだろうな。
自動生成英語字幕だと彼女の亡くなった知人友人たちの名前その他がよくはわからないのだけれど、そういう場合は、「【フロリダ高校乱射】エマ・ゴンザレスさんの演説」(BBC News Japan、YouTube)をご覧になるといい。スピーチの中身は日本語字幕でよくわかる。ただし、こちらは沈黙部分がほとんどカットされている。比べてみると「沈黙の力」みたいなものの存在が改めて浮かび上がってくるといえるかもしれないけれど。
事件のおかげでそのつもりもたぶんないままに有名人になってしまった事の成り行きに、圧し潰されることなくむしろそいつを引き受けて立っていると見える姿は、いろんな意味での己の甘さを責めつつもやはり心動かされる。
「沈黙」を超えて語るとはどういうことか、というようなことを考えたり考えなかったり。
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一昨年のオリジナル・アルバムとしては最新盤。メロディ・ラインに新味は乏しくなったかもしれないけれど、全体の音作りはまだまだチャレンジング。