本日の備忘録/「カラスは頭がいい」とはどういうことか

 カラス、やっぱり頭いいのね。

水を飲むときは水飲み場の栓をくちばしで軽くつつき、水浴びでは勢いよくひねるなど用途に応じて水飲み場の水量を調節する「天才」カラスの行動を、樋口広芳・東京大名誉教授(鳥類学)が英鳥類学専門誌「ブリティッシュ・バーズ」に2月1日発表した。「都市部で暮らすカラスは人間の行動をよく観察しており、今後もいろいろな形で人間が作りだした道具を利用する可能性がある」と話している。

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 栓のひねり加減を用途に応じて変えるというあたり、なまなかな観察力・判断力では出来ないことだろう。大したもんだわ。

 とはいえ、ヒトの経済には関心はないだろうから、水を利用した後栓を閉めることまで模倣するに至るかどうか。至らないとなると、節水倹約の観点から「対策」が必要ってなことになって、カラスくんにとっては暮らしにくい方向に話は進むことになるのかもなぁ。う~ん。

 というような野暮な方面の話も考えないではないけれど、それよりも「与太」としては先に思い浮かべてしまうヴィデオがある。「Waiting for You」hatebuで取り上げたこれだ。

 これを見てハトは頭がいいと感じるヒトはたぶん少なそうだ。

 自分で栓をひねるのか、コロリころげた木の根っ子よろしくヒトがやって来て栓をひねるのを待つのか、少々はすに構えて、楽をして水を飲むハトのほうが利巧だろう、というような話を展開しても良さそうな気もする。でも、ここはそういう小洒落た話はしない。気になったのは、カラスの頭がいいものだとして、カラスの頭がいいとはどういうことかというようなことだ。

 仮に、上のハトくんにカラスくんと同等の知性みたいなものがあったとして、ではカラスくんと同じように水飲み場の栓をひねるかどうか。たぶんひねらないんぢゃないか。だって、くちばしのサイズに違いがありそうだもの、ハトくんの嘴では栓を動かすのってずいぶんむずかしそうぢゃないか。

 そういうことを考えてみると、この場合「カラスは頭がいい」の核心は、「カラスは栓をひねるに都合の良い嘴を持っている」にあるという結論に落ち着くような気がして来なくもない。要するに世界と現実的具体的に渡り合う手段が重要なのだ、といってしまうと何だか古っちい話の蒸し返しに堕してしまって、これもまた小洒落た話と同類かぁ。う~ん、つまらんなぁ、いかんなぁ。

  しかしまぁ、カラスくんのヴィデオは眺めるだけでも充分愉しいということで、φ(..)メモメモ。

カラスの教科書 (講談社文庫)

カラスの教科書 (講談社文庫)

 

 「極私的脳戸/日々の与太」時代以来もう何度も紹介してきたけれど、これは人類のみなさん、必読本ですぜぃ。本書の著者さんはカラスの知性について抑制的な評価しか与えていらっしゃらないけれど*1

*1: それはそれでよくわかる話。