本日の思いつき/備忘録/美子ちゃんの彼方へ

 ビッグサイトで21日まで開催されていた、第11回販促・マーケティング総合展夏の出展から、PENDROIDhatebuというマシン。どうもちょっと以前から存在していたマシンのようだけれど、僕は今回初めて知った。

 主たるマーケットは、開発者さんの仰るとおり営業のための手紙というところに落ち着いちゃうのかもしれない*1。でも、たぶんこれが世に出るともっといろんな変化が起きるんぢゃないだろうか。たとえば、プリンタ代わりにホイホイ使えるようになった暁には、手書き履歴書の時代は完全に終焉を迎えることになるわね。たとえば、AIによって、各人の筆跡、書き癖を学習し、なおかつそれに基づく個性を拾い上げつつも、さらに「うまい」と評されるような文字が書けるようになれば*2日ペンの美子ちゃんの時代も概ね終わっちゃうことになるだろう。要するに手書き文字へのフェティシズムみたいなのは滅ぶ他ないかもしれない。

 こうなってくると、「AI時代におけるヘタウマ復権の可能性について」hatebuで歌について考えたことが書にも当てはまって来ることになるんぢゃないか。機械にも書けてしまうような上手な字ではなく、機械には書きにくいヘタウマな字こそが人間的なものとして尊ばれる時代……*3

 そういう変革がいろんな領域に起こることになるのかもしれない。そうなると、シンギュラリティなんか来なくても、私たちの文化にはとんでもなく大きな変化が起こることになる。私たちの審美観の変化ということになるんだもん、ちょっとその影響は計り知れないものになるんぢゃないか。そうでもないか。どうかなぁ。う~ん。

 

6代目 日ペンの美子ちゃん
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 六代目襲名なのですか。

 

*1: しかし、みながみな、ペンドロイドで書かれた手紙を使うようになってしまうと、結局印刷物と同じように扱われてしまうことになりゃしないかな。それとも手書きの見かけは、そういうところを超えたものなのだろうか。

*2: このへん、ヴィデオでも触れられているけれど、すでに出来るようになっているみたいだ。実はヴィデオでの話と違って(?)AIでホイホイというわけではなく、人手で一字一字調整処理して字体を作るみたいだけれど。《時間はかかりますが、本人に300文字くらい文章を書いてもらってその癖をデータに落とし込むという形です。また、理想とするお手本を言ってもらえればその人とお手本の癖を合わせたミックスの筆跡を作ることもできます》(「ロボットが手書きの文章を執筆? 気持ちを伝える代筆ロボット「PENDROID」の製作者にお話を聞いた」(F.M meviy |ものづくり無限大! meviy公式ブログ))。

*3: このあたり、ペンドロイドはヘタウマの可能性を先取りしている気配、なきにしもあらず、と見えなくもない。そのへんが世間に重宝されてしまうと、こちらの見当は大きくハズレることになるかもしれない。