本日の廃墟/Sleeping Giant: Abandoned USSR radio telescope from a bird's-eye view

 アルメニアのオルゴフ近くの山岳地帯、海抜1700メートルにある旧ソ連時代の電波望遠鏡跡。80年代半ばに建築され、当時は世界最大級を誇ったものなのだそうな。

The Herouni Mirror Radio telescope fell into disrepair after the end of the Soviet Union, but the National Institute of Metrology of Armenia, which now owns it, is currently looking for an investor to restore it.

「Drone VIDEO takes you up close to giant abandoned Soviet radio telescope in Armenia」(RT World News) hatena bookmark

 保存してくれるような投資家を探しているということは、国家としてはもう保存のしようもなくなっちゃったということか。

 兵どもが夢の跡的な侘しさに溢れた風景だわね。

 

 以下は蛇足。

 こういう光景を目にしながら何となく本邦のそうは遠くない将来のことを考えたりする。ソ連の崩壊のようなドラマティックな変化はなくても、少子高齢化の進行具合を考えると、いずれ旧ソ連のような文明メンテナンスの不具合が生じるようになる。そうなったあたりで、たとえばスーパーカミオカンデ*1KAGRA*2はどうなっているのか、というような僕が心配しても意味のなさそうなあたりが気になってくる。

 総務省が10日発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、今年1月1日時点の国内の日本人は1億2477万6364人で、前年から過去最大の43万3239人減少した。マイナスは10年連続。昨年1年間の出生数が最少だったのが大きく影響した。都道府県別で伸びたのは東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)と沖縄のみ。外国人は16万9543人増の266万7199人だった。

人口43万人減、過去最大  - Miyanichi e-press hatena bookmark*3

 43万人少々という数は、町田市、藤沢市あたりの人口になる*4。いずれも首都圏の労働力を供給する一大ベッドタウンといっていいんぢゃないか。そういう都市が一年につき一つ地上から消滅してゆくのだと考えると空恐ろしいような気がする。

 町田市や藤沢市なら実は今でも人口が増えているみたいだけれど^^;、日本全体の人口減少の勢いは、増しこそすれ衰えないことは今後数十年以上にわたって間違いのないところだろう。それに加えて当今の学術(潰し?)政策など合わせて考えちゃうと、たとえばスーパーカミオカンデとかKAGRAとかの廃墟の幻影がぼんやりと頭に浮かんで来なくもないんぢゃないか。国外にある、たとえばすばる望遠鏡*5あたりなら、地元が引き受けてくれるかもしれないけれど、本邦内のこの手の施設が厚遇を受けるというような事態は、今の日本のありようからするとなかなか想像しにくいんぢゃないか。

 そうでもないですかね。なら、いいんだけれど。

 

 

*1:cf. google:スーパーカミオカンデ

*2:cf. google:KAGRA

*3: 2019年07月10日付記事。

*4: 「434,410人 (推計人口、2019年6月1日)」(町田市 - Wikipedia hatena bookmark)、「434,126人(推計人口、2019年6月1日)」(藤沢市 - Wikipedia hatena bookmark)、以前確認したときよりも両方とも数千人増えているわ\(^o^)/

*5:cf. google:すばる望遠鏡