本日の備忘録/1920年代のフィリックス

 こういう方面にも疎いので、どれほどの価値があるものなのか判断できないのだけれど、概要欄の以下の説明からすれば、それなりに貴重な資料なのぢゃないか、と素人的には思える。価値のわかるヒトの目にとまる可能性を多少なりとも上げることになれば、ということで取り上げておく。

1922年フランスパテ社が開発した家庭用の撮影兼映写機「パテベビー」*1と共に発売された9.5mmフィルムの映像。漫画、アニメ「フィリックス・ザ・キャット」最初期の作品と思われる。

 パテベビーは家庭用の小型映写機として一応有名。どれくらい普及したのかは知らないのだけれど、今日のヴィデオ類と比べれば普及していないも同然みたいな具合だったんぢゃないか。今日のDVDがこのような残されたフィルム同様の価値を持つことになるかどうか。なるとしても、ずっと時間がかかるんぢゃないか。とかなんとかはどうでもいっか。

 同時に同じYouTubeチャンネルから、実写の短篇「La Fortune de Coltte 大高家保管」(NPO法人科学映像館、YouTube)も公開されている。《1922年フランスパテ社が開発した家庭用の撮影兼映写機「パテベビー」と共に発売された9.5mmフィルムの映像。ホームドラマの最初期のものと言えるであろう貴重な映像作品》とのこと。うーん、これもホームドラマなのか^^;

 

 どちらも無声。吹き出しや字幕はいずれもフランス語だが、無声映画の常で字幕の類が読めなくても話の粗方は理解できる(んぢゃないかな)。しかしなぁ、《LE CHAT》*2と名乗ってはいるものの、ねこ様というよりはお犬様と見えやしませんかね。これがねこ様であるならば、のらくろも実はねこ様だった、みたいな裏話的な展開が可能になっちゃうんぢゃないか。

 こういう犬猫のキャラクタライズにもひょっとして時代の様式みたいなものがあったりするのだろうか。たとえば、赤塚不二夫のニャロメのような絵柄は、はたして1920年代のヒトビトからねこ様のイメージとして見られるかどうか。いや、ニャロメほどデフォルメが進んだキャラクタともなると、60年代後半のヒトビトにだって猫のイメージとして受け入れられるまで一定の時間を要したというようなことだってありゃしないだろうか。ないかなぁ。

 それにしても、フィリックスとニャロメが同じネコ科のキャラクタだと理解できるというのは、なんだかスゴいことのような気がしません?

 

 これとアレが同一のキャラクタだとわかるというのはどういうことなんだろう、てなあたりも不思議といえば不思議ぢゃないかしら?

 

*1:【引用者註】cf. 「PATHE-BABY - 1922|パテベビー |9.5mm小型映写機」(PHAETON)

*2: 英語ならば"THE CAT"。