本日の備忘録/大停電の夜に

 NYTの YouTubeチャンネルから拾ってきたヴィデオ。新聞社なのに、こういう映像も公開しているのね。

 日曜の午後から水曜の昼間まで。素人が見ても、ハリケーン・サンディの迫力に気圧されるくらいなんだから、見るヒトが見るといろんなことがわかるんぢゃないか。たぶん、同じような映像は他でも記録されているだろう。風向風速の変化や豪雨の様子なんかは、それ自体もそうだけれど、そういう複数の記録を天気図や衛星写真なんかと組み合わせてみるとまた違った知見が得られるかもしれない。特殊な観測装置を使わなくったって天候の立体構造が見えてくるわけだもん。というか、素人でも思いつくんだもん、もうそういうことは行われているに違いないんだろうな。

 まぁとにかく月曜夕刻から火曜未明にかけての天候の激しさ。コマ落としで捉えられた雲の動きは、もはや雲が動いているというよりも、天空部分がホワイトノイズか何かに変わってしまったようにさえ見える。そういうサンディのピーク時近く、月曜夜8時40分あたり、画面右側の一画が突然ブラックアウトする。厭な時間帯だな、向こうのテレビ番組のことを知らないけれど、こちらの感覚で云えばNHKの首都圏関連ニュースがもうすぐ始まる時間。強まる風雨の中、気象情報を確認しようかと考えていた矢先の停電というところか。大人なら就寝時間にもまだ間があるし。突然の停電にさて、懐中電灯はどこにあったっけと、ブラックアウトした一画のヒトビトが戸惑う様子が目に浮かぶようだ。

 画面左側にあるタワー、日曜から月曜に日付が変わる当たりで消灯していたのが、月曜・火曜は夜明けまで消灯しなくなっている。あれは停電した地元への何か配慮があってのことなんだろうか? 日曜の夜は照明の色の変化なんかがついちゃったのが、月曜・火曜はなくなっちゃってる。これも何でだろ? そこいらへん考えてわかるってもんではないんだけど。

 そういうアレコレを想像しながら眺めていると、水曜になって日が射してくるとこちらも本当にホッとした気分になるよなぁ。うーん。

 

 何にしても、こういう映像は大停電が起こってから取材を始めたのでは得られないものだ。つまり、こうした映像はいつ何時であれ、何が起こるかわからないが必ずやいつか記録されるべき事態に遭遇する可能性があると想定するからこそ記録され続けているということだろう。日本でだって、そういう記録は採られているに違いないような気もするけれど、幸いにも公開するような出来事に出喰わしていないということなんだろうか?

 

復旧時(2020年9月28日)特別大付録

 翌年公開。

 翌々年公開。

 事前から事後まで。事後の報道なら日本でだって見かけないわけではない。けれど、それなりに手間のかかったであろう内容を、ネットでホイホイ見られるようにしてくれているものとなると、3.11関連のような例外的な事態以外では滅多にないような気がする。ちゃんと確認するとそうでもないんですかね、どうですかね。

 

【復旧時註】元記事にあった勘違いを大幅削除。現在のNYTのYouTubeチャンネルでは、こうした映像公開はめっきり少なくなってしまった。オフィシャルサイトのほうとの差別化なのかな、というところ、少々残念。

 

大停電の夜に (ワイドKC)

大停電の夜に (ワイドKC)