東京貼り紙・看板散歩/気になる禁止

20130926120741

 云いたいことはわかるし、別段間違っているというわけでもない。禁止事項がまとめて閲覧できるというのは便利で結構なことなんだろう。でも、そうとわかっていてもなんだかわだかまっちゃうなぁ、というのが3つ目の禁止事項。

 「この公園では、次の事項が禁止されています。きまりを守って、快適に利用しましょう」。これは問題ない。でも、「立入禁止区域内に立ち入ること」が禁止されているというのはアレぢゃないか、頭痛が痛い、馬から落ちて落馬したのパタンに酷似したお馬鹿な表現だ。おまけにそもそも「立入禁止区域」には、「立入禁止」が表示されているはず。その指示に従えない者がいたとして、そういう輩がこの掲示を見て、「なるほど、立入禁止区域内に立ち入ることってぇのは禁止されていたのかぁ、こいつぁシタリ、せめて次からは気をつけるとしよう」なんぞと考えるものだろうか? なんだかひどく胡乱な感じのする「禁止事項」のように思える。

 

 禁止の文言ばかりが増殖して、その実効が胡乱だというようなことって結構ある。たとえば、「自転車の右側走行で罰金5万円!?道路交通法施行規則の一部改正が話題に」(さまざまなめりっと) はてなブックマーク - 自転車の右側走行で罰金5万円!?道路交通法施行規則の一部改正が話題に - さまざまなめりっと。要するに自転車の道交法違反の厳罰化というふうに整理できると思うんだけれど、これ、無法な自転車ドライバに対して本当に有効だろうか?

 厳罰化は結構話題になっているみたいではあるけれど、たとえば、自転車の右側通行が今回初めて禁止されたなんてことはなくて、ずーーーーーーーっと以前から禁止だった。にもかかわらずそういうルールが守られない。だから、厳罰化しようということになったというわけなんだろう。

 なんぞというもっともらしい話には必ずしも落ち着かないのではないか。ルールが守られないのは罰則が実質ないからではなく、だぁれも取り締まらないからであるように僕には見える。だって、界隈の交番なんか、夜、前に巡査さんが立っていても、その前を無灯火の自転車が並列走行してお咎めなしなんてことしょっちゅうだもの。咎められなければ、そりゃぁ守りませんわね。自転車に限った話ではなくて、自動車の駐車禁止違反の類だって事情は似たようなものだろう。

 禁止の言葉が存在していたとしても、それが世の中に具体的な形をとって出現しなければ、それが如何に厳罰の伴うものであったとしてもないも同然。いんや、ないよりたちが悪い。ただの言葉ばかりがブンブン五月蝿く、世の中、鬱陶しい気分こそ増しても、いっかな安心安全なものにはならないというテイタラク、今から目に見えるようだ、というか、もうすでに目に見えている今日この頃ぢゃないか。

 法律の文章は、読みづらいことこの上ないのだけれど、「法の不知はこれを許さず」の大原則は動かない。自転車ユーザさんは、頭に入る入らないはさておき、せめてそれぞれの自転車に関する条文くらい目を通しておいてバチは当たらないだろう。法律の条文なんぞどう転んでも読めたもんぢゃぁねぇ、という向きは、まぁしっかりお巡りさんに取り締まっていただくか、さもなければ、テケトーにググッてテケトーにわかりやすくチーチーパッパしてくれているページでも探すしかないですね。

 

そういえば、今世紀に入ってからというもの、一度も自転車に乗っていないんだなぁ。

 

ごあいさつ

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