眠りスマホ問題

 若者の中には、眠っているはずの時間にメイルやらSNSやらの書き込みをしながらそのことを記憶に留めていない者が出て来ているという、俄には信じ難いようなお話。しかし、ググってみると話題自体はもう5年前あたりにはあったもののようだ*1。ちゃんとした睡眠の妨げになるばかりか心身ともにいろいろ悪影響が出て来るとかなんとか。

 半ば眠りながらの書き込みとなると、シュルレアリスムの自動書記やらチャネリングやらのことを思い起こさずにはいられないのだけれど、いずれにしても訳のわからない言葉が連ねられるに決まっていて、そんなメッセージを受け取るほうはさぞかし迷惑に違いないし、送った方だって始末に困る。

 スマホについてアレコレ五月蝿く云うと老害扱いされちゃうのがオチなんだけれど、お若い方は、まぁお気をつけになるがいいですぜぃ。

 

 これにかぎらず、眠り界隈をめぐる最近の話には旧来の世間一般の思い込みを覆すようなものが結構ある。たとえば、

というようなの。リンク先論文のアブストラクトに目を通してみると、

……The Seattle School District delayed the secondary school start time by nearly an hour. We carried out a pre-/post-research study and show that there was an increase in the daily median sleep duration of 34 min, associated with a 4.5% increase in the median grades of the students and an improvement in attendance.

Sleepmore in Seattle: Later school start times are associated with more sleep and better performance in high school students | Science Advanceshatebu

とあって、成績や睡眠時間のみならず出席率も向上したという結構なお話。

 New research reveals that college students study best later in the day - University of Nevada, Renohatebu*2でも、学校の始業は午前11時か正午あたりが望ましいとする研究結果が出ている。

 「早寝早起き朝ごはん」がイイんだという思い込みが世間では根強く蔓延はびこっているようだけれど、実際はさにあらずということ。

 昔は「四当五落*3などと云われたものだけれど、今日では「6時間睡眠を10日間続けると、徹夜レベルと同じ認知能力になる」という研究結果もあるのだとか*4。しかるに、「睡眠、40代最も短く 厚労省 6時間未満が半数」(日本経済新聞)hatebuとあってみれば、そりゃぁ日本の一人当たりGDP世界第25位というお粗末*5もっともな話ということになる。働き盛りの40代が揃いも揃って徹夜状態の認知能力で仕事をしているとなればぁねぇ。受験勉強だって、睡眠時間を切り詰めていたのでは労多くして功少なしだわねぇ。

 

 そんなこんなで、「悪いヤツほどよく眠る」というアレ、実は世間の善人どもを出し抜く知恵を絞り出すには、睡眠時間の確保が重要だって意味だったのかもね(ヾノ・∀・`)ナイナイ。

 

大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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