夢の中での、夢の記述をめぐる記述の行方とか

 今朝見た夢の断片から。

 40代末頃くらいのY. I. と、日吉の梅寿しでテーブルを挟んで向き合って何かを話している。詳細はよく思い出せないが、たぶん夢の記述についてなのだと思う。瀧口修造はいつも枕許にメモを用意していたとかなんとかどこかで目にしたような話なども登場していたような気がする。

――第二の人生どころではありません」

――もうお気づきのように、問題になるのは門そのものではなく門扉、扉なんです」

――どのような建付けが本来採用されるべきだったのか、未だに判明していない。そこから記述の不分明も生じることになります」

 その他、気になる言葉がいくつもいくつもY. I. の口から湧いて出てくるような具合だったのだが、メモを取ろうにも手指は動かず質問したくても声も出ず、ただY. I. の目まぐるしい表情の変化に見惚れているしかない。

 あぁ、せめて記憶にはしっかりと留めておかなくては、と思いもするのだが、頭の中に写し撮られたY. I. の言葉の文字の連なりは、FIFOの順でバラバラ崩れていってしまう。これではいけない、これではいけないと、粉々になった文字の断片を拾い上げようと試みようとする(とすると、いつの間にか場面は僕の頭の中に移っていたことになるのか)。しかし、手から何やら粘液状のモノが分泌されて、断片を拾い上げようとする分には便利なのだが、断片を手から引き剥がすに不便この上なし、断片を再構成する作業には邪魔にしかならない。いくら腕を振り回しても手から離れない断片に苛立ちは募り、思わず「あぁ」と声を挙げたおかげで目が覚めた。

 夢の中で語られたことなど、現実世界リアルワールドでは屁理屈にさえならない。正確に思い出せたとしても、それは現実に生きたY. I. の言葉ではないのだし……。そういうことは鼻から承知なのだけれど、それでも、という蟠りが、起きてからもずっと尾を引いていて気分が悪い。

 

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