本日の備忘録/Rare ice disc forms on Inner Mongolia river in China as result of extreme cold

 新華社の日本語版チャンネルから。

中国内モンゴル自治区ヒンガン盟ウランホト市を流れる洮児(トール)河で2日、ゆっくりと回転する氷の円盤が出現した。直径は約10メートルで*1、その様子を一目見ようと多くの市民が訪れている。円盤は自然現象によって作られ、川の流れで発生する渦により回転するという。

とのこと。でも集まっているはずの「市民」が一人しか登場しないのがアレだな。というわけで同じような映像だけれど、以下に。

 これを見ると「直径は約10メートル」ってのは、少々大げさなんぢゃないのかという気がして来なくもないか^^; とはいえ、こういう円盤を実際に見る機会を持たない者にとっては、充分驚嘆に値する。

 ケチをつけるとすれば、果たして充分に「Rare」といえるかどうか。

 昨年1月、アメリカはメイン州ポートランド*2。円盤の内側のかなりの部分は氷が溶けているようにも見えるけれど、大きさは上のものより相当大きいし、円を整形するに与ったと思われる川岸部分の規模がむしろ上のものより小さいところなど興味深い。

 2017年1月、ワシントン州寒冷渦が話題になった時分の映像。こうなってくると極地近くの限られた場所という、氷の円盤に対して持っているイメージも裏切られた感じか。あちらこちらでそうしょっちゅう起こる現象ではないのだろうけれど、むやみにレアがるのもどうなのかという気にはなって来る。YouTube「ice disk」をキーワードにして検索してみると、思いの外多くの映像が公開されている。キーワードがちょっと甘いから自然現象としての氷の円盤ではないものや自然現象に見せかけた怪しいシロモノも混じっているけれど、ここで取り上げた類のものもたくさんあることがわかる。

 そこいらへんを考えると、実はこれまでレアだと考えられてきたのは、単に目撃した証拠が残せなかったからだという仮説が立てられるのではないか。スマートフォンの普及によってヴィデオ撮影が容易になった結果、実はかつて信じられていたほどレアな現象ではないことが明らかになったというような。そんなことないですかね。

 

 いずれにしても本邦ならば氷の張る河川というのがそもそもレアだろうし、円盤を生成するにふさわしいゆったりとした流れのものという条件が加わると、まず見られないということになりそうだ。ゲンブツを見られるヒトたちが羨ましいことには変わりないか。

 

立ち読み課題図書、その他

本書は、いつも後回しにされてきたために取り返しのつかない段階に入っている野生動物による災害リスクが、重大な社会問題であると警告を発する。そして、野生動物との棲み分けを国土計画に盛り込み、この半世紀ほどの間に壊してしまった野生動物と対峙する現場を再構築すべきと主張する。コロナ禍の今こそ、早急にこの問題に取り組むべきであり、それなくして新しい社会システムの構築はありえない。

 

「体で計算するコンピューター」(日経サイエンス)の記事紹介が興味深い。というかわけわからん\(^o^)/

それは先へ行くほど細くなる40センチほどの白く細長い物体で,巨大なタコの足だと言われれば,確かにそんな形と感触だった。両端をつかんで持ち上げると,軟らかくカーブを描いて垂れ下がる。「3Dプリンターを使って,高分子材料のシリコーンで作りました」と東京大学特任准教授の中嶋浩平は話した。

この人工タコ足を水槽の中に吊し,根元に付けたモーターでランダムに振ると,タコ足は身をくねらせ,踊るように複雑に揺れる。そして数分もすると,自らの動きから「パリティチェック」と呼ばれる基本的な非線形演算の計算方法を習得し,正しい答えをはじき出すようになる。そればかりか,機械学習の性能をチェックするのに使う非線形の学習課題のいくつかを,従来のニューラルネットを超える正確さでやってのける。タコ足の中にCPUが仕込まれているわけではない。このクニャクニャしたタコ足そのものが,学習に必要な演算を蓄積する「リザバー(貯水槽)」なのだ。

タコ足などの物理系に様々な非線形応答を起こし,その中から目的にあったものを引き出して組み合わせることで答えを得る。「リザバーコンピューティング」と呼ばれる計算方法で,近年,機械学習を実装する新たな方式として注目を集めている。それは,生物の体,さらには物体そのものが持つ計算能力を利用する計算方法で,これまで見過ごされてきた脳と体,計算能力と物理系のつながりをあぶり出す。機械学習の性能向上だけでなく,生物や物質を理解する新たな見方を開くことにつながるかもしれない。

 こうもわかんないとかえって気になるのが困りモノ。

 

*1:【引用者註】 報道によっては6メートル。「中国北部にミステリーサークル!? 直径約6メートルの氷」(FNNプライムオンライン、YouTube)。概要欄にも「地元メディアによると、直径はおよそ6メートル。」とある。

*2: オレゴン州ポートランドではなくて。