健康長寿市場の拡大について
New Scientist の YouTubeチャンネルから。
すでに「腎臓結石排出にジェットコースターが効果アリ。特に後部車両が効果的との研究結果」(Engadget Japanese)に日本語情報が出ている。でも、こちらのヴィデオによれば、腎臓結石ばかりではなく、ジェットコースターが脳腫瘍にも効いたかもってな事例もあるそうな。オイオイ、ホントかよ、というところだけれど。
もう一つ。
こちらのニュースを最初に目にしたのは、「Yet Another Reason You Should Read More: You'll Live Longer」(Inc.com)という記事でだった。要するに読書習慣によって長生きが出来るのだというお話。記事の日付が8月23日だから*1、こういう話だもん、日本語のメジャーなサイトでも複数取り上げ済み。パッと見出しだけを見たときには、偽の相関ネタかしらと思ったのだけれど、そうではないみたい。読書を習慣化出来ている生活となると一定の経済的ゆとりがあるケースが多いだろう。そういうゆとりが本当の原因になって長生きが可能になるとかなんとか。でも、そこいらへんはちゃんと考えた上での調査結果なのだそうな。
で、それぞれの研究の結果については、日本語サイトでも読めちゃうし、そこいらへんを喋々する能力もないのだけれど、ちょっとだけアブクの考えをメモしておく。
これまでの健康法みたいなのって、もっぱら喰いものネタかアスレチックなネタかに偏っていたでしょ。でも、この2つはそういうものから外れたところに健康なり長寿なりの方途の幅を広げるものになっているところがひょっとすると興味深いかもなぁと思ったのだ。
こういうのが出て来ると、そんなものを設けていなかった遊園地なんかで健康増進巨大ジェットコースターが作られたり、ヒト寄せネタに困っていたマイナーな図書館あたりで長寿読書企画が立てられたりってなことが出て来たりするのかもなぁ。あるいは売れない出版社が、長寿のための作品集みたいなのを出すとか。一篇読み終えるのにちょうど30分かかるような短篇小説集を、テケトーなどこかの大学医学部の先生の監修つき、帯には「イェール大学教授発見、一日30分の読書で長生きできる!!!」とかの文句で。1月分から12月分まで一冊ずつシリーズ化なんかすれば、それなりの小ヒットくらいしそうぢゃないか。新作でシリーズを賄うと原稿料がかさんぢゃうから、青空文庫からテケトーな長さのヤツを拾って来てまとめちゃえばホイホイ。
そうなるんだかどうだかはわかんないけれど、この2つの研究結果は健康市場みたいなものの領域を広げるものになっているといっていいんぢゃないか。遊園地業界や出版社はこの機会を逃さずがんばんなきゃね。探してみるとこの手のネタはきっと他にもあるに違いないだろうし。
しかしなぁ、健康市場の拡大は、そのまま怪しげな「と」なアレコレの流行のきっかけともなりそうだしなぁ。民放バラエティなら、きっとオモシロオカシク取り上げそうなネタでもあるし、そうなるとその不正確をあげつらうネットの盛り上がりも一頻りあったりして……、ってな具合になったりしやしないかしら。ならないかなぁ。うーん。
*1: 「Those who enjoy novels live for 2 years longer」(Daily Mail Online)のほうが10日ばかり早いんだけれど、デイリー・メイルねたとなるとなんとなくアレだもんね。実は段落冒頭に挙げた記事には、さらに早い「Book up for a longer life: readers die later, study finds」(The Guardian)が取り上げられているのだけれど、こちらは全然気づいていなかった。うー。/ネタ元論文は「A chapter a day: Association of book reading with longevity」。アブストラクトも読んでないですけれど\(^o^)/。