本日のクラッシュ!/Man narrowly escapes injury as roof collapses

 今週月曜日、YouTube再生ページのdiscriptionによると、その夜、首都イスタンブールはずいぶん強風だったようだ。

The storm caused damage to hundreds of cars and buildings in the city, uprooted trees, and injured at least three people.

 落ちてきたものがどういうものなのか、強風に煽られて飛んできたものなのか建物の上部からの落下物なのかも判然とせず*1、屋内に招き入れてくれるヒトと間一髪で助かった男性との関係も報じられていない。だから、ルーズな報道だなぁと思いもするのだけれど、いずれにしても招き入れてくれたヒトが現れなければ、どうなっていたことやら冷や汗モノだわ、というような書きつける甲斐のないような感想しか湧いて来ない\(^o^)/

 

 比較的最近、「本日のクラッシュ!/Man cheats death」「本日のクラッシュ!/AC Unit Falls From Brooklyn Building, Hits Firefighter」の2つのエントリでも、同じような落下物による事故を取り上げた。それらと比べてみると、多少は甲斐のある感想も書けるかもしれない。先の2つのエントリでは、難を逃れるにせよ、逃れ損なうにせよ、働いていたのは1通りの偶然に過ぎない。一方はたまたま見上げた結果、難を逃れ、他方はたまたま歩いて行ったところにエアコン室外機が落下、難を逃れ損ねている。

 ところが、上のヴィデオでは、たまたま吹いて来た強風がブツが落ちてくる運命の予定地点に男性を一旦押しとどめる(偶然その1)。もしこのままの状態がほんの少しでも続いていたら、その夜の怪我人は少なくとも1名増えていたに違いない。しかし、そこにたまたまドアの脇にある鉢植えを室内に取り込もうとした別の男性が現れ、押し止められていた男性を屋内に招じ入れる(偶然その2)。その結果として、件の男性は落下物の直撃を免れ得たわけだ。つまり、2通りの偶然がせめぎ合うかのように働いたわけだ。

 だからどうしたと云われるとアレなんだけれど、先の2件と比べると、こちらの想像をくすぐるような意志のせめぎ合いだと思えて来なくもない。男性に災厄をもたらそうとする意志と救済しようとする意志……。建物の屋上では悪魔と天使が欄干か何かに向かい合って腰をかけていたりして、悔しがる老いぼれ悪魔を生意気な天使が指差して嘲笑っているような光景をなんとなく想像したりする。それがあり得る事態だと信じるような信仰の類など持っていないのだけれど。

 

 この種のせめぎ合いが2つではなくて3つ絡んだ事態としてはどんな事象が考えられるだろう? というような、毎度僕が考えても意味のなさそうなことを考えてみたりする。まぁ、我ながらおバカであると云わざるを得ない。うーん。

 

サルトル全集 第15巻 悪魔と神

サルトル全集 第15巻 悪魔と神

 

 何ぶん出版年が出版年、もはやマケプレものしかないのだけれど、それにしても71年に出た文庫版のほうがお値が張っていらっしゃるとは、あらま。

 『悪魔と神』はサルトルの戯曲。日本での初演は、いつだったかは知らないけれど、劇団四季がやっている。悪魔役は日下武史。見たことないけれど\(^o^)/

 戯曲を読むヒトは少ないかも知れないかなぁ。これの栞だか訳者解説だかにも書いてあったような気もするけれど、サルトル作品の中では、クソ面倒臭い論考や小説よりも戯曲のほうがずっと読みやすいし、うっかりするとふつうに愉しめるんぢゃないかと思う。

 

 要はそういうことなんですわね。

 

*1: もちろん、見出しや事故後の映像から想像すれば、上部からの落下物ではないかと思われはするけれど、明確にそうだと判断できる文言や映像はないんぢゃない?