2021年拾遺/セイタカアワダチソウ

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 子どもの頃のセイタカアワダチソウならあっという間に空き地を席巻したような気がする。空き地ができると間もなく、セイタカアワダチソウの密林ができあがってしまうのだ*1。そのへんのそういう記憶は怪しいところもあるのだろうとは思うのだけれど、それでもこの繁茂の速度ののろさと来たら。本来の繁殖期である8月以降になっても、これ以上生い茂るようすがない。

 界隈ではその他、ヌスビトハギやオナモミなどもすっかり見かけなくなってしまった。そういうのはたいがいヒトが嫌って排除した結果だろうと思っていたのだけれど、ひょっとすると万が一、記憶の中のセイタカアワダチソウの繁茂の早さがいくらかなりと正しいとするなら、環境のほうが変化したということなのかもしれない、と思えても来る。

 しかし、国道310号線に沿って狭山方面に歩くと、ところどころにセイタカアワダチソウが密にまとまって茂っている場所もあるにはあって、たとえば温暖化のような大きな意味での環境の変化の影響だとは考えにくい。あるいは単に知人宅界隈ではヒトに嫌われ排除された結果として、周辺のセイタカアワダチソウ密度低下が起こり、種子の舞い込む頻度も落ちたのだと考えるほうが筋は通るか。しかし、種子で増えるより地下茎か何か繋がりで増えるからこそ、かつての(?)ような密度も可能だったのではないか。すると土壌の成分か何かに繁殖を妨げる要因があるのか。「セイタカアワダチソウ」(国立環境研究所 侵入生物DB)、「繁殖生態」に《繁殖期:8~11月/頭状花,虫媒花.地下茎により繁殖》とある。土壌よりも花粉を運ぶ虫がいなくなった可能性もあるわけか。

 と、そんなこんなでさっぱりわからない。

 

 解体されたのは、今は他県に住む知人宅。子どもの頃、何度か訪ったことのある屋内が重機によって暴力的に剥き出しにされ壊されてゆくさまは、何かしら胸に応える。

 今はセイタカアワダチソウが8月のまばらさのままくすんだ色で突っ立っている。今日は撮ろうと思っていたのだが、見ているうちになんだかすさまじい心地がして写真を撮る気など失せてしまった。

 

わが皮膚をこそげるほどの寒さかな

 「凡人」あたりですかね。

 

 セイタカアワダチソウといえば、伊藤比呂美に「せいたかあわだちそう」という忘れがたい作品があるのだけれど、ネット上で作品全体を紹介しているページが見当たらない。書籍でも、現在入手しやすいヤツだとどれに収録されているのかわかんない。最初期の作品だから、これに入っているんぢゃないかと思うのだけれど、入ってなかったらごめんなさいm(_ _)m

 僕が読んだのは思潮社の「新鋭詩人シリーズ」の、オレンジのカバーに「ぱす」と書いてあるヤツだった(と思うのだけれど)。アマゾンには現在マケプレものも含めてないみたい。古本屋をまめに覗いていると状態・値段ともに結構幅があるようだけれど、今でもたまに見かける折がないでもない。現代詩文庫の二段組が気に入らないという向きには、こちらのほうがいいのかな。