本日の備忘録/Artificial Intelligence Helps Make Movies Speak Many Languages

 のっけが千葉真一なのにはびっくりしたけれど、それはさて措き、VOAが取り上げるくらいなのだから、もうとっくに知っているヒトは知っている話題なのかもしれないけれど、当方は初めて知った話ということでメモ。

 

 これらの技術があれば、声優不要、吹替にはAIさえあれば大丈夫ということになる。吹替音声がAIで合成可能なばかりではなく、吹替先の言語に合わせた口の動きを正確に映像化出来てしまう。となれば、これはもう使われないはずはない技術だということになる(んぢゃないかな)。

 イメージ部分に目を向ければ、「本日の備忘録/ディープフェイクとか」で触れたDeepFake、音声部分に関していえば「本日の降霊術2.0/声と顔」で取り上げたCoeFont、それぞれが洗練され、あとは統合され利用されるのを待つばかりというところなんだろうか。

 さらに、その気になりさえすれば「本日の備忘録/降霊術2.0、その後」でも触れた梅蘭芳美空ひばりのように、俳優そのものもAIで作り上げることも可能になってゆくのかもしれない。こうなるともう金さえあれば故人オールスターズ総出演俺様流完璧演出映画を作り上げることだって夢ではないってことになるのだろう。

 あとは各場面にふさわしい劇伴音楽を自動生成するAIプログラムの開発だってな具合なんだろうか*1。作曲家の誰それ風の作品ならすでに作成可能みたいだから、たとえば脚本と劇伴音楽の関係を学習させれば、それなりに合う音楽くらい、案外さっさと出来ちゃいやしないかしら。

 

 金があれば……で、本邦において最も金があるところの一つが行政府であるわけで、こうしたDeepFakeの進化版みたいなものがホイホイ使えるなんてなことになれば、「本日の備忘録/ディープフェイクとか」で触れたような問題は改めてクローズアップされることになるんだろうな。

 

 と、それはさておき、上のようなものを目にしてしまうと、同じように「AI」の語が見出しにあるこちらがずいぶんしょぼくれて見えてしまうのがなぁ。

 それにそもそもいつ頃のことだったか思い出せないのだけれど、ずいぶん昔、今世紀初頭といっていい時分(だったんぢゃないかなぁ)にも、以下のような坂本龍馬の声を再生すると称するプロジェクトみたいなのがあったのだった。

「AI」の語は登場しないが、たしか坂本龍馬の骨格その他から声を推定してモンタージュ・ヴォイスだかなんだかの手法で声を拵えたとかなんとかだったと思う。こちらの映像のほうが首まで動かしている分、原 敬のよりなにほどかリアルだといえばリアルだといえるかもしれない。原 敬のほうで用いられた「AI」というのはどんなものだったのだろうか、なんとなく気になって来ないでもない。口唇の動きが言葉に合っていないようにも見えるけれど、そのへんは原 敬といい勝負かもなぁ。

 

 結局のところ、そんなこんなで、かけられるお金の多寡がそこいらへんの差ってことなんだろうか。アメリカ映画の資本力なら、日本語吹替版も字幕版と同時公開なんちゅうこともホイホイやらかしちゃいかねんかもなぁ。そうなると、ハリウッドの世界映画支配の力はますますスゴいことになったりしちゃうんだろうか。う~ん。

 

 上のような映像技術とメタヴァースとVRとを組み合わせたものの遠い延長線上に聳えているAI-CITY、というようなボンヤリとしたイメージが浮かんでくる。浮かんでくるけれど、「延長線上」とするにはちょっと無理がありますかね。う~ん。

 それにしても板橋しゅうほう*2、もっと知名度が高くあって然るべき作家さんだと思うんだがなぁ。

 

*1: 音楽そのものの生成については、「本日の備忘録/バベルの仏塔」ビートルズ風作品の自動生成の例に触れたことがある。

*2:SYUFO - Wikipediaアイ・シティ - Wikipedia